主将対談「関東ICを振り返って」

5/19~22に開催された関東インカレを振り返って、新体制の中核を担うお二人にお話を伺いました。

 

主将 髙良彩花(跳躍4)

 

副主将 伊藤海斗(短距離4)

※このインタビューは6/20に行われたものです。

 

──今回の関東インカレについて男女それぞれ振り返りをお願いします。

 

髙良「第一に、予想以上の出来だったかな。」

 

伊藤「得点予想はちょっと背伸びしたくらいなのに、それを遥かに超えてきて正直驚きはしたね」

 

髙良「女子は順位は変われへんかったけど、6種目優勝を始めとして得点自体が上がってて、持ってる力をみんながしっかり発揮できたっていう印象かな。フィールドに加えて今回はトラックも伸びてきて、全体で頑張ったって感じ。」

 

伊藤「去年一昨年は本当に勝負できてなかったんやけど、今年は特に短距離は冬季から練習を積めてる人が多くて、しっかり結果に繋がったのかなという印象があるな。」

 

──短距離は特に伸びた感じがしますね

 

──今回、4年生として臨むインカレはどのような心境でしたか

 

伊藤「僕は一応院進を考えてて、競技も続けようとうっすら考えてるから4年でやめるつもりはないんやけど、学群生最後としては、やはり来年再来年と思いは違うと思うので、やっぱり今年にかける思いは人一倍強かったのかなと。自分は後回しにすることが好きじゃないので、4年生、副主将という責任ある立場としてチームを勢いづけたいなという思いで臨んだかな。」

 

髙良「私は学年が上がるごとにチームのために頑張りたいっていう思いは強くなっていってて、4年生として、主将として、2種目優勝することが自分の最低限やるべきことかなと思いました。髙良彩花という主将像は、『勝ってこそ』の姿かなと(笑)そこをちゃんと達成出来たのは安心したかな。あと、今までは同じ(跳躍混成)ブロックばかり見てきたけど、今回は全体を見る立場として、他のブロックを見ながら応援できたのが今までから変わったことかなと。」

 

伊藤「確かに。俺も学年が上がるにつれて、他人に関心が強くなっていったというか、気にかけるようになったかも。短距離だけじゃなくて他のブロック、全体を見るようになったのは大きな変化かなと。」

 

雰囲気から生まれた「根拠なき自信」

 

──やっぱり有観客開催になったことは大きかったですか

 

伊藤髙良「そうだねー!」

 

髙良「私たちが1年生の時は有観客だったけど、1年生の時に経験したことなんか浮ついててほとんど覚えてないなあ(笑)」

 

伊藤「確かにな(笑)応援の存在ってやっぱり大きいよね。距離が離れててもそこにいるってわかるだけで、気持ちが引き締まるな。(招集前に)送られる時、目の前で『頑張れ』って言ってくれることが本当に嬉しくて、『ああ、やっぱりいいなぁ』って思えたかな。みんなが一丸となって応援してくれたおかげで、俺も最後の最後まで頑張れたかなと思う。」

 

 

──今回、大会前のチーム状況はどう見ていましたか。

 

髙良「やっぱりコロナや工事で練習場所がバラバラになってしまったこともあって、ブロック同士関わる機会無かったやんか?やっぱりその時と比べたら今の方がブロックの垣根を超えて盛り上げられる環境が戻りつつあるかなって思ってて。コロナ禍前の雰囲気に似ている感じがして、怪我も少なかったみたいで順調な準備はできていたかな?って感じかな。」

 

伊藤「筑大競の応援とかも、いろんな人が積極的に手拍子とかやってたし、そういう部分から、それぞれのチームの一員としての自覚が見えてきてたかなって思ったかな。僕らも集合の時に応援のこととかはしつこく話すけど、きっと言わんでもそういうことは当たり前に出来るだろうなと。」

 

それぞれの主将像

 

──先程、4年生として全体を見るようになったとお話がありました。大会準備期から本番を通して、主将という立場として意識したことの他に具体的に行ったことはありますか。

 

伊藤「俺は、副キャプテンに就任してから見られる立場になったし、当たり前のことを当たり前にこなせてみんなの目標になれる人間でありたいなと思ってたな。挨拶とかゴミ拾いとか、目立つ変な行動より地道な行動が大事かなと。練習中の声かけとかは、きつい練習をできるだけ明るい状態でできるように、ネガティブな言葉を減らしてポジティブな言葉を増やして、そういった盛り上げは積極的にやったな」

 

──練習中海斗さんにはかなり声をかけられた印象があります(笑)

 

伊藤「そうね(笑)でも俺だけじゃなくてみんなも積極的にやってくれたけん、いい影響が出てたかなって思うかな」

 

髙良「私は、これだけ人数が多いと主将だけでチームをまとめるなんてことは難しいし、どうやったらブロック長を動かせるか、どれくらい他ブロックに干渉していいのか塩梅が難しかったりしてんけど……難しくて上手く言葉にできひんけど(笑)「ブロック長を動かす」っていう主将の役割からチーム全体に上手く関わっていけた気はしてるな。人を動かすって難しくて、一人一人考えてることも違うやろうし、どうすれば全体を巻き込める空気を作れるかとか、そういうことを意識しながら準備したかな。」

 

──「勝ってこそ」の主将像については。

 

髙良「個人としては、勝ちたい、盛り上げたいっていう思いはあったけど、むしろいつも通りってことを意識して臨んだかな。いつもの練習の雰囲気でこそ、ベストが出る、みたいな(笑)」

 

 

──今回の大会は、選手以外の裏方も活躍していました。お二人の個人的な観点からMVPを挙げるとしたら誰になりますか。

 

髙良「私は美帆かな。」

 

──野口美帆さん。(跳躍4)今大会は応援席で応援団長として活躍されてましたね。

 

髙良「結構ギリギリに決まった役割やんか。慣れない中でも必死にやってくれて、美帆がおったから応援も回ったと思うし、感謝してるかな。有観客を知ってる世代が少ない中で、満足な声出しもできない中、1日毎に試行錯誤してやっていくのは大変だったと思うな」

 

伊藤「ずっとギリギリまでやっとったよな。本番当日に決まったこととかもあったり。本当に大変だったと思う。」

 

髙良「この経験で全カレはもっと良くなるといいな」

 

伊藤「俺は鴻児かな。」

 

──主事を務められている伊藤鴻児さん(跳躍4)ですね。

 

伊藤「ずっと傍で見てきたんもあるけど、やっぱり寝る間も惜しんで人一倍頑張ってたかなと。選手より走っとるんかってくらい競技場の中バタバタしとって、そういう(自分たちのために働いてくれる)人がいるから頑張ろうっていう思いになるし、有観客だからこそ今回そういう思いになった選手もいるんじゃないかなと。今回の大会で『チームとして戦う』ことの意味が改めてわかったな。」

 

さらなる飛躍に向けて

 

──今大会の躍進から、全カレに向かって更に一皮剥けるために、どんなことがチームに必要だと考えますか。

 

伊藤「昨日の集合(インタビューの前日に行われた競技会)で彩花が言ってたことなんやけど、関カレで得たものを忘れないことが大前提かなと。特に男子はやっとスタートラインに立てた、ってレベルやと思うから、一人一人がチーム筑波の一員としてその自覚を持って、更にもう一段階先に進む意志を持って欲しいな。関カレ後の競技会でPBを更新してる人も結構おって嬉しいし、『俺も頑張ろう』という力になるんで、各々自分の目標に向かって頑張ってほしいかな」

 

髙良「一皮剥けるため……難しい(笑)ちょっと違うかもしれへんけど、関カレと全カレの総合優勝を目標にはしているけど、関カレはあくまで通過点であって、ここで自分たちの現状をしっかり確かめて、それを次(全カレ)に繋げるということを意識して欲しいみたいな。もちろん優勝とは言ってるけど、どういう結果であっても次に繋がるように準備してきたから、1度この機会で個人の力をしっかり高めて欲しい。やっぱり何を言おうと結局個人の活躍がないとチームの力には繋がってこないから、ここから個々人の力を高める期間にして欲しい。他の強い大学を見ていると、優勝だけでなくて下位入賞がとても多い。筑波もそういうことができる力を持ってるし、それを発揮できるようになって欲しいって感じかな。」

 

──チームとしての底上げが求められる夏になりそうですね。

 

──「全カレ総合優勝」という目標に向けた個人の目標と、部員たちへメッセージをお願いします。

 

伊藤「部員たちにメッセージか……」

 

──難しい質問だとは思うのですが、これまでのお話で部員たちの心に刺さるものは多くあったと思います。改めて、という形でも……

 

伊藤「そうだな……個人としては、この関東インカレでは、チームの役に立てない結果となってしまって、このままじゃ終われないという思いがあるな。副主将、4年生の意地でもう一段階上げて、全カレに向けて最低限入賞を目標に1点でも多くとりたいと思ってる。リレー種目に関しても今回は少しのミスが惜しい結果に繋がったし、この悔しい気持ちはもう味わいたくないのでしっかり準備して、優勝を目指していきたいな、と思います。よく谷川先生に言われるのが、『選択肢があるんだったら逃げずにチャレンジしろ』という言葉で、例えば怪我した時はリハビリとかやらないかんことはいろいろあるけど、どうしても心がしんどくてやる気にならんってことが誰しもあると思う。そういう時こそいろんなことにチャレンジして、状況を打開して成長していかなきゃならないなというのが、この言葉で考えたことで誰にでも当てはまることかなって。きついと思うけど、可能性が0じゃない限りやる意味ってあると思うけん、そこは常に意識して欲しいかなって思います。なんか変やったな。(笑)」

 

髙良「私は個人の目標はやっぱり2種目優勝して、最後しめる!(昨全カレは走幅跳1位、三段跳2位) あとは自己ベストがずっと出てないので、そこを狙いたいなっていう気持ちはある。でもやっぱ難しいよな〜(笑) 記録を狙いすぎるとむしろダメになっちゃったりするから……最後の舞台を楽しみたいかな。みんなは元々はやりたくて陸上をやってると思うし、やっぱり陸上って楽しいんだけど、いつの間にか記録とか勝てない結果に囚われると、義務的に感じちゃうことあるやん?でもそうなっちゃうと結果も出えへんし、どんどん目標から遠ざかるのを最近はすごい感じてて……やっぱり楽しまないとあかん!て思うねんな。楽しんで欲しい!そうすれば相乗効果みたいなのもあって、練習とかも楽しくなると思うやろうし、もうちょっと頑張りたいなと思えるやろうし、このチームで総合優勝狙いたいなって思ってもらえるかもしれへんから……ワイワイ楽しむのもいいけど純粋に競技を楽しんで欲しい。」

 

伊藤「跳躍の雰囲気は楽しんでる感じが伝わってくるよな〜」

 

髙良「そうね〜、各ブロックの良さを集めながらチームビルディングしたいなと思ってたり……やっぱり跳躍って主将がいて主事がいて、どうしてもチームが跳躍色になっちゃうから、海斗の力も借りながら上手くまとめあげたいかな。話が逸れたけど、私からのメッセージは『楽しんでください』です!」

 

伊藤「考えすぎ、って人多いもんな」

髙良「出しにいって出ることもあるとは思うけど、多分その時は(自分も気づかないうちに)『楽しい』って思えてるんやろな」

伊藤「気づいたら出とるもんな」

髙良「まずは楽しいって思える陸上競技生活にして欲しいわ」

伊藤「そうね、それが1番大事です。」

 

 

──質問はこれで以上になります。

 

髙良「なんか、全然答えまとまらんかったね私たち(笑)」

伊藤「上手いこと記事にしてください(笑)」

 

── 一部員として聞いててためになることもあったので、大丈夫だと思います。

 

髙良「思ってることは沢山あるんだけど、いざパッと質問されると難しい……」

伊藤「ね!まあでも、(用意した言葉ではなく)素の自分で答えれるから……(笑) 強くなるでしょう、筑波は!

髙良「まぁ、私のチームなんで、とか言っちゃって。(笑)私らのチームやからな!」

伊藤「まあ違うよね、今年の空気は。なんか感じるもん。」

髙良「みんな頑張ってるからな……頑張れとか言ってもみんな頑張ってるからな。あんまり言われへん(笑)」

伊藤「頑張りすぎず、楽しんで強くなっていきましょう!」

──ありがとうございました!

 

取材・文責:古澤慎也(短距離2)