【十人桐色】#04 『私が筑波大学陸上競技部で学んだこと』鈴木博貴

 

「十人桐色」2021年最初は、中長距離ブロック長距離パートの鈴木博貴です。

箱根駅伝を目指す長距離部員の中でプレイングマネージャーをしている鈴木の心情をぜひ閲覧ください!

 


『 私が筑波大学陸上競技部で学んだこと 』

 

皆さんこんにちは! 

今回コラムを担当させて頂きます、中長距離ブロック長距離パート次期4年、鈴木博貴です。

まず始めに、このような貴重な機会を頂けたことに感謝申し上げます。精一杯書かせて頂きますのでよろしくお願い致します!

 

さて今回は、私が競技部で3年間経験してきたことを紹介し、「競技部で競技を続けてきて良かったこと」を考察します。これから競技部に入ろうと考えている人や、今競技を続けている人、その他多くの人にとって少しでもお役に立てれば光栄です。

 

 

― 人生初めての挫折 ―

 

突然ですが、皆さんは「挫折」したことがありますか?

私が初めて挫折をしたのは、大学2年生(2019年冬)の時でした。何があった年かと言いますと、そうです、「筑波大学が26年振りに箱根駅伝本選出場を決めた年」です。長距離パートの一員として、大変喜ばしい結果を一番近くで経験したにも関わらず、挫折をしたなんて、矛盾していますよね?

ですが実際には、チームが箱根へ向かっている裏で、私個人は思い悩み、箱根が終わった2020年1月~3月末まで、休部させて頂いておりました。

 

挫折した理由は、「目標が現実として明確になったことで、自己を肯定するものを失った」からです。幸いなことに私は、今まで、勉強も部活もそこそこ(自分で自分を肯定できる程度には)出来ていました。中学では800mで全中に出場しましたし、高校では部活の記録は振るわなかったものの、勉強では、第一志望だった筑波大学に無事合格しました。

 

大学でも、「(自分の中では)陸上を頑張っている(つもり)」でした。しかし、チームが箱根駅伝に出場し、自分の現時点での競技レベルが、(実際に当日走るであろう)レギュラーメンバーに大きく劣っているという事実と、「お前の目標はここだぞ」という明確になった現実を突きつけられ、自己を肯定することが出来なくなってしまったのです。

 

例えるなら、周囲が霧に覆われた水上でボートに乗っていて、それまでは、ただがむしゃらに漕ぐだけでよかったものが、一気に視界が晴れて、はるか遠い目的地に行かなければならなくなった感覚です。

 

(お前の目指している場所は、太平洋を横断した先にあるアメリカ西海岸だから!)

(えぇ、、、俺まだ霞ケ浦すら出てないんだけど。。。)

 

みたいな感じでしょうか(笑)

 

― この3年間を振り返って ―

 

学年が3年に上がると同時に、部活に復帰しました。本年度は選手をする傍ら、プレイングマネージャーという立場でチームに貢献しました。しかし、今年の箱根駅伝本選に、筑波は出場することが出来ませんでした。当日はサポート・給水要員として現地に向かいましたが、負けたことが本当に悔しくて、涙が止まりませんでした。

 

これまで紹介してきたように、この3年間で、私は様々な経験をしました。その中で、一番良かった事(学びになったとこと)は「当事者になるということ」を理解したことです。

辞書で「当事者」を調べると、「その事柄に直接関係している人」と出てきます。言葉の意味そのままに考えれば、私も1年のときから当事者になるわけですが、それは形だけのものであって、実際を伴うものではありませんでした。

先ほど本年度の予選会は涙が止まらなかったと書きましたが、1年のときは、前に出て涙ながらに敗戦の報告をする先輩方を見て、正直、何が悔しいのかもよく分からず、どこか他人事のように感じていました。そう思った時点で、あの時の自分は当事者ではありませんでした。箱根駅伝本選を決めて、挫折して、立ち直って初めて気づくことができました。この経験は、ここでしか得られなかったものだと思いますし、今は感謝しかありません。

 

長くなりましたが、以上が私の競技部での3年間の経験です。本当に、この競技部に入って良かったと思います。

 

今年はラストシーズンになります。私の競技力は、まだまだ全然、上位層に届くものではありません。欲を言えば、箱根駅伝だけではなく、関カレや全カレでも活躍して、陸上競技部の男女アベック優勝にも、得点を取る形で貢献したかったですが、恐らく、そこまでの時間的余裕は無いでしょう。

どれだけ頑張っても、箱根駅伝10番手に起用されるかもしれないくらいです。ですがやはり、どうしても箱根を走りたいという思いがあります。この思いは誰にも負けません。

残りの競技生活を、どうすれば陸上競技部に貢献できるか、どうすれば長距離パートに貢献できるか、常に真剣に考えて、覚悟を決めて、過ごしていきたいと思います。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

 

筑波大学陸上競技部

中長距離ブロック長距離パート3年

鈴木博貴

 

◇今日のコラム◇

鈴木 博貴(すずき ひろたか)

【個人ページはこちらから】

体育専門学群 3年

静岡県出身

浜松市立高校

中長距離ブロック・5000m~ 

トレーナー委員会