【十人桐色2025】#18「虜」金子佑太朗

皆様、はじめまして!男子長距離ブロック前副主将の金子佑太朗です。 

“十人桐色”という企画の一員として、ブログを執筆させていただけることを非常に嬉しく思います。書きたいことは沢山あるのですが、今回は“駅伝”、特に“箱根駅伝”について綴ろうと思います。 

箱根駅伝、良いですよね。“美しくも過酷な217.1km”、まさにその通りです。 

かくいう私も生粋の箱根駅伝オタクでして、長距離を始めた理由ももちろん箱根駅伝ですし、箱根駅伝に陸上人生を捧げてきたといっても過言ではないほどです。 

横浜出身のため幼少期は沿道で観戦した箱根駅伝

中高で目立った実績はなく、何なら大学3年次までまともな結果を残せなかった私でしたが、頭の中には常に箱根駅伝がありました。特に最終学年を迎えた昨シーズンでは、この舞台に対する思いは人一倍でしたし、実際に手が届きそうなレベルまでトレーニングを積むことができました。正直なところ、箱根駅伝予選突破には自信がありました。

 

トラックでは2種目で筑波大記録を出すなど絶好調だった

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しかし、結果チームは予選敗退。それどころか、個人順位はチーム最下位の360位。 惨敗でした。 

人生で一番箱根駅伝が近付いたその瞬間、待ち受けていたのは箱根駅伝のあまりにも残酷な一面でした。 

ただ漠然と“かっこいいから”という理由でこの舞台を目指していたわけではありません。この舞台に立つことがどれほど過酷であるか、どれほどの努力を積まねばならないか、どれほど多くのものを犠牲にしなければならないか、身をもって感じていました。だからこそ、自分たちの取り組みが間違っていなかったことを証明したいと、そしてその舞台に立った時の喜びや達成感はひとしおであろうと、そう信じて走り続けていました。 

しかし、実際はたった1日の、たった1時間のレースですべてが決まります。今までの努力や犠牲を嘲笑うかのように、淡々と結果を告げられます。 

もしかしたらその残酷さは、本戦では予選会以上かもしれません。もっとキラキラしていると思っていた憧れの舞台は、清々しいほど勝負の世界でした 

当時はあまりの悔しさに何も考えることができず、この舞台を恨んだほどでした。

でも今ならこう言えます。

そんな勝負の世界だからこそ、面白い。だからこそ、美しい。と。 

これは箱根駅伝だけではありません。陸上競技、何ならスポーツすべてに共通して言えることだと思います。そこに費やした時間とは裏腹に、勝負が決まるのはほんの僅か一瞬です。でもその一瞬にすべてを懸けて、本気で勝負する。だからこそ、私たちはそれに魅了され、夢中になるのだと思います。 

裏を返せば、自分の目指す舞台や成し遂げたいことがあるならば、とにかく本気で取り組んでほしいです。本気で取り組まなければ見えない景色、感じられない感情がきっとあるはずです。これが10年間箱根駅伝を目指し続けた箱根バカからのメッセージです。 

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昨シーズン、箱根駅伝の夢は叶いませんでしたが、全日本大学駅伝という箱根駅伝と並んで数えられる舞台には立つことができました。襷渡し、沿道からの応援、他大学のエースとの並走など“駅伝”の魅力を存分に味わうことができ、走り終わって晴れ晴れとした気持ちでしたが、やっぱり“箱根駅伝とは違うな”とも思ってしまいました。(箱根駅伝走ったことないですが笑)

11月の全日本大学駅伝では3区を激走した。

まあこれは行き過ぎた感想ですが、今箱根駅伝を目指すか悩んでいる人がいるならば、その目標をぶらさず箱根駅伝に拘れ!と伝えたいです。それだけ目指す価値のある舞台ということです。 

長くなってしまいましたが、4年間本気で箱根駅伝を目指すことができてとても幸せでした。駅伝部ではなく陸上競技部として箱根駅伝を目指すことを承諾し、ともに切磋琢磨してくれた陸上競技部の皆様にもこの場を借りて感謝申し上げたいと思います。 

本当にありがとうございました。 

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最後に、箱根駅伝を目指す全ての学生へ 

頑張れ!! 

全日本大学大学駅伝を走り終え、三重まで駆けつけた同期と一枚。