まずは簡単に自己紹介をさせていただきます。
大阪府出身で、趣味は音楽鑑賞です。普段、競技場では少し難しそうな顔をしていますが、実はおしゃべりが大好きな生粋の関西人です! 皆さん、お話しましょうね!!
この度、十人桐色の執筆の機会をいただきました。せっかくの機会なので、これまでの6年間を振り返りながらお話ししたいと思います。拙い文章かもしれませんが、お手柔らかにお願いします。
挫折と挑戦
高校までは受験勉強という狭い世界の中で生きてきた私にとって、筑波大学での毎日は刺激にあふれていました。
私が入学した2019年、日本インカレでは女子チームが総合優勝を果たしました。閉会式で先輩たちと円になって宣揚歌を歌った光景は、今でも鮮明に覚えています。
2019年の日本インカレ
当時、中長距離女子パートの中で最も力がなかった私は、「必ずこの舞台に立って得点し、チームに貢献する」と根拠のない自信を持っていました。しかし、現実は甘くなく、関東インカレの標準記録すら突破できないまま、時間だけが過ぎていきました。競技部での自分の存在意義に悩んだ時期もあります。
そんな中、大学3年時(2022年)に3000mSCに挑戦したことが転機となりました。日本インカレの標準記録を突破し、念願の舞台に立つことができました。ところが、本番で水濠を跳び越えた後、右足で左側の縁石を踏むという高難度の”捻挫技”を披露し、全治5ヶ月の重傷を負いました。直後には全日本大学女子駅伝(本戦)も控えており、通常なら絶望的な状況でした。しかし、私はなぜか楽観的でした。今思えば、頭おかしいですよね…(笑)。
捻挫直後の私(いぇーい!じゃないねん!)
捻挫がもたらした成長
この捻挫をきっかけに、多くの人とコミュニケーションを取りながら、患側の感覚を取り戻す方法を模索しました。また、バランス感覚を養うトレーニングを取り入れたことで、身体の感覚が研ぎ澄まされました。その結果、本戦にも出場でき、私の自己効力感が大きく向上しました。
この経験を通じて、「行動を変えれば状況は変わる」と実感しました。悩むことも多かったですが、とにかく行動し続けたことが成果につながったのです。現状を「絶望」と捉えるか、「チャンス」と捉えるかは自分次第。筑波大学陸上競技部の皆さんは賢いからこそ、考えすぎて行動が止まってしまうことがあるかもしれません。私の場合、頭のネジが数本抜けているおかげで、そうした停滞期を回避できたのかもしれないです(笑)。
「行動し続けた」といっても、ただがむしゃらに取り組んだわけではありません。常に「理想の自分なら、どんな行動を取るだろうか?」と問い続けました。現状を踏まえても行動を変えられないなら、その目標は自分にとって本当に叶えたいものなのか、あるいは現実とかけ離れすぎているのかもしれません。(この考え方に興味がある方は、『スポーツ選手のためのアドラー心理学』をぜひ読んでみてください。)
一方で、行動を変えたからといって、必ずしもそれに見合った成果が得られるとは限りません。私は陸上競技を”ギャンブル”のように捉えています。ただし、ここで言うギャンブルとは、単なる『運任せ』ではなく、時間やお金などの資源を投じて挑戦するものの、必ずしも成果が得られるとは限らないことを指します。日々のトレーニングでその確率を高める努力をしますが、思うような結果が出ないこともある。だからこそ、行き詰まったときに自分の首を絞めないための心持ちが大切だと思っています。この考え方を持つと、不思議と気持ちが楽になりますよ。
視点を広げることの大切さ
何度も繰り返しますが、限られた時間の中で成果を出すためには、発想を転換し行動を止めないことが重要です。観点の違いに関する有名な話をご存じでしょうか?
あるゴルフ選手のスイングを見て、スポーツ心理学の専門家は「スイングのイメージに集中できていませんでしたね」、バイオメカニクスの専門家は「左腕を10度以上曲げてはいけません」、運動学習の専門家は「グリーンの右に20ヤード外しました」と助言しました。(この話は『動きの質的分析入門』に書かれています。)
この話が示すのは、同じ現象に対しても、視点によって解釈が異なるということです。思い込みや固定観念は成長を妨げる要因になり得ます。悩んでいることがある人は、ぜひ周囲の仲間や先生の力を借りてみてください。
最後に
まだまだ書きたいことはたくさんありますが、この辺で締めくくります。私の経験が、誰かの力になれば嬉しいです。何事もうまくいっても、いかなくても、波に乗るように楽しみましょう!悩んでいる時こそ頭は冷静に。周りを見渡すことで道が開けることがありますよ!
私は4月から新しいステージに挑戦します。学生という枠を飛び出し、私の夢に向かって精進します。共に、志高く頑張っていきましょう!ありがとうございました。
最後の日本インカレ
最後の全日本大学女子駅伝