【十人桐色2025】#32「主事としての1年間を終えて」増田里菜

主事としての1年間を終えて

 

筑波大学陸上競技部のブログをご覧の皆様、いつもお世話になっております。

 

筑波大学陸上競技部 主事の増田里菜と申します。

 

就任時、「裏でも表でも最強の主事になります」というブログを掲載させていただいてから、あっという間に1年が経ち、11月末で任期満了を迎えることとなりました。このような形で再びご挨拶させていただく機会をいただきありがとうございます。

 

拙い文章ではありますが、今の自分が、主事として、そして一競技部員として、この1年間で感じたこと、学んだことを等身大に述べたいと思います。

 

 

掲げた目標と、チームの現在地

今年度、チームの目標である「両インカレ男女総合アベック優勝」は、残念ながら達成には至りませんでした。しかし、日本インカレで女子総合優勝を果たすことができたのは、インカレ優勝経験のない部員で構成されていた今のチームにとって、価値のある一勝だと確信しています。しかしながら、関東インカレ・日本インカレの両方でアベック優勝を実現させ、強い組織であり続けるためには、まだ多くの課題が残されていることも事実です。

 

 

マネジメントでの学び

昨年のブログでは、主事である私が個人として、「競技とマネジメントをどちらも妥協なくやり抜くこと」を目標に掲げていました。

主事としての業務では、女子駅伝でのマネジメントも経験しながら、競技部の運営という大きな役割を担う中で、この活動を心から楽しむことができていたと思います。

外部の方々、スタッフの方々、そして部員の皆さんとの関わりのなかで、多角的な視点からどんな取り組みが最善なのかを考える日々は、非常に充実した時間でした。本当にありがとうございました。

もちろん、スケジュールが厳しく何をどうしても大変な時期はありましたが、周りの人が何かを頼みづらくならないようにと、常に余裕をもって活動することを心がけるようになりました。(めっちゃ暇ですアピールをしていたのはこのため。)(できていたかは怪しい。)

マネジメントで学んだことは、サポートする立場において、「誰かの評価や自分の満足」のためではなく、「常に部の目標達成」のために動くことの重要性です。できる限り、その場・その瞬間で、目的・目標に立ち返り、最善のマネジメントをすることを私は意識していました。個人的な欲求ではなく、本当に価値のあるものなのかと、組織全体の利益を追求する姿勢が部のマネジメントにおいて必要不可欠であると強く感じています。

(一緒に主事をした松本くん:パッションがすごい。)

 

競技部での存在意義

主事の仕事と並行して、私は自分の競技にも全力で向き合いました。両インカレでの入賞という目標は達成できませんでしたが、高校時代インターハイ都道府県大会で敗退していたことを思えば、インカレで現実的に入賞を射程圏内に入れられるまで成長できたことは、この1年間の取り組みの成果として評価したい点です。しかし、自分のつめの甘さや弱さが出てしまい勝負所で力を出しきれなかったことは、今でも悔しさが残っています。

 

主事になる際、模範的な部員でありたいと考えていました。それを目指す中で学んだことは、「本気になるには何かを変えることが必要」だということです。そして、それは周りを変えるのではなくではなく、まず「自分が変わる」ことだったと感じています。

競技場にいると、その人の競技への向き合い方、部員としての行動が、隣にいる部員に与える影響の大きさを感じました。主事の役割のみに専念する方が、仕事としては楽だったかもしれません。しかし、真剣に取り組んでいない人の言動は受け取りづらいと思います。部員としての姿勢が、もしかしたら他の部員にも影響があるかもしれないと考えました。そして、他の部員に与えるかもしれない影響が、全てプラスに働くのが理想だなと感じています。

(中長距離ブロック女子の皆様:表情が練習後すぎる、)

 

ここで、改めて、筑波大学陸上競技部の規約を確認します。

 

(目的)第2条

「本競技部は、陸上競技の技能の向上を図り、学生競技者精神の高揚と、部員相互の親睦を深めることを目的とする。」

(活動)第3条 第7項

「その他、本競技部の目標達成に必要な一切の活動を行う。」

 

と明記されています。

もちろん解釈は様々ですが、まず、「陸上競技の技能の向上を図」ることを目的としており、競技部を構成する私たち一人ひとりが、部の目標達成に必要な「一切の活動」を担う義務があるということです。

 

私はこの4年間、8回のインカレで「応援、選手の付き添い、研究撮影、救護、運営執行部、主事、選手」と、様々な立場で大会を迎えました。ほかにもたくさんの役割があって大会が成り立っていますが、いろんな目線で関わることができ、いろんな経験ができました。インカレを見るとわかりやすいように、部への貢献の仕方は競技力だけではなく、ブロックの仕事、委員会活動、名前のない全ての活動の中に無数にあります。(自分のレースから離れたあと積極的にペースメーカーをしていたのはこの考えから。)

部員全員が何らかの形で部の目標達成に貢献し、部員全員がそのメリットを享受できる組織こそ、目指すべき強い組織の姿だと感じました。

 

今思っていること

私は、より強い組織を作るために、と主事を引き受けましたが、大きな組織を変革させるには1年という期間は十分ではありませんでした。この役割の奥行きに気づき、もっと早く、深く、長期的な視点で関わることができていれば、という思いすらあります。

 

しかし、主事として活動したこの1年間は、多くの部員と関わり、素晴らしい景色を見せていただき、たくさん学ばせていただいた、とても充実した期間でした。

全体の前でまともに話せないような未熟な私を支え、共に活動してくださった全ての部員、スタッフの方々、外部の皆様に心より感謝を申し上げます。1年間、本当にありがとうございました。

 

この経験と学びを、次期主事や運営執行部、そして部員に引き継いで参ります。

引き続き、筑波大学陸上競技部へのご声援をよろしくお願いいたします。

 

筑波大学陸上競技部 主事

増田里菜

 

(日本インカレ女子総合優勝 祝勝会の様子)

(1年で一番楽しみにしている学年会)

(中長距離ブロックの同期の皆様)