【十人桐色】#51 強豪校出身者対談

今回の十人桐色は、強豪校出身の選手たちの特集です!

高校時代から高いレベルで競技を続けてきた選手たちは、筑波大学で何を考え感じて行動しているのか。必見です。

今回も新型コロナウイルスの状況を考慮してオンライン上で対談を行いました。

今回の担当はF班の矢ヶ部(人文4)、西永(体育3)、池田(体育2)の3人でした。

 

(上)矢ヶ部、(左下)西永、(右下)池田

 

「強豪校から筑波大学陸上競技部へ」

ハードル 小林歩未× 長距離 松村匡悟     インタビュアー 池田涼香

 

          

(①出身高校、②幸せを感じる瞬間、③好きなタイプ)

Q.高校の時と今の練習の違いはある?

小林:高校は先生がメニューを出して、その通りに練習してた。自分主体ではなく先生主体だった。まだ知識もないから基礎から教えてもらうという感じ。今は、その応用バージョン!高校の知識を発展させて、自分でメニューを立ててる。

松村:駅伝校だったから、先生が絶対だった。メニューを出されたらそれ通りに行わないといけないという感じで少しビクビクしながら練習していた。大学だと、設定タイムも自由で、自分で考えながら練習できている。

小:でも私もタイム設定は絶対だった。つくばに来たばっかりの時は、口出しされないのが逆に不安だったもん。自分あってるのかな?って。

 

Q.具体的に練習メニューで変化はあった?

小:量より質になった。年齢も上がって肉体的に変化もある中で、がむしゃらにメニューをこなすというよりは、タイムを上げて、強度が高い練習をするようになった。

松:高校の時は、5000mまでだったから今よりも設定タイムは速くて、厳しいなと思う設定タイムでも練習していた。大学はハーフマラソンまで伸びるから、距離走とか集中して淡々とやらないといけない練習が増えた。

池田:高校と大学ではメニューの変化は絶対あるよね。

 

Q.高校で陸上をやめたいと思ったことはあった?

小:高校でやめる予定だった。高3は勝ち続けて、ダイヤモンドアスリートにもなって、そのプレッシャーに耐えたくなかった。中学までは陸上は楽しいものだった。でも、練習の苦しさから楽しいものではなくなってた。でも、日常生活で気づいたら陸上のことを考えてて、自分には陸上しかないと思った。やるんだったら自分で考えれる筑波大が良かった。

松:毎日やめたかった。笑

中学はサッカー部で、たまたま出た大会で結果が良くて陸上を始めたけど高2までなかなか結果が出なくて、燃え尽きちゃった。でも、高3の北関東大会で大会新で優勝できて、続けてみようと思った。

池:結果が出て、それがモチベーションになるかプレッシャーになるか難しいよね。

小:勝つことが当たり前になられるのはしんどい。

池:たくさんのものを背負って頑張ってるもんね。

 

Q.陸上への考え方の変化はあった?

小:自分で考えることが多くなった。技術、コンディショニングについても考えるようになった。一人暮らしになって全部自分でやらないといけなくて、自己責任になったという感じ。

松:高校は感覚で走ってて、今みたいな専門的な動き作りはしていなかった。走れるから、走ってるという感じだった。大学に入って、監督・コーチから教えてもらって、接地の仕方一つでもタイムに関係してくるということを改めて学んだ。

小:同じ!全部感覚だった。走りの部分について大学になって教えてもらって、感覚が全てじゃないって学んだ。

 

Q.今年の目標は?

松:まずは全カレ出場が決まったから頑張ることと、箱根駅伝の予選会に向けて合宿も続くから、怪我しないで継続した練習をしていきたいな。

小:状況は変わったけど、全カレ優勝の目標は変えない。タイムは去年の記録を超えたい。あとは、実践可能な細かい目標を立てて確実に達成していきたい。

 

小林は高校時代からたくさんの期待を背負って活躍する選手。

それでも、いつも前向きに取り組み、周りを笑顔にする彼女。その人柄に、私はもちろんチームメイトは励まされています。タイムや結果では測れない、陸上に対するまっすぐな気持ち、真剣だからこその不安やプレッシャー、全てを含めて強くあろうとする彼女に納得できる未来があってほしいと改めて感じました。松村は天性の高いポテンシャルと、底抜けの自信に満ちた選手。大学に入学し考え方も変わり、さらに進化していると感じました。やればなんでもすんなりとこなしてしまう高い運動神経に、知識や走りへの学びを得た彼にはこれから成長しか待っていないんではないかと思わされます。これからどんな走りを魅してくれるのか楽しみです。今回のインタビューを通して、改めて魅力溢れる二人だと感じました。今、厳しい状況ではありますが、筑波大学陸上競技部、そして二人にとって良いシーズンになってほしいと思います。

 

 

 

中長距離 幟立晃汰 × 幅跳び 吉岡美玲  インタビュアー 西永菜津

 

   

Q.二人とも強豪校出身だけど、どういったところが強かったと思う?

幟立:寮生だったから管理されていて間食とかもできないという食事面や、練習も駅伝に向けてまとまっていたところかな。

吉岡:私も、みんなでまとまってやるっていう面が強くなったところかな。落ち込んだときもやる気がないときも、みんなと一緒にやるから頑張れたっていうのが多い。

西永:私も!!

 

Q.筑波大学は自由な部分が多くて、みんなでまとまってやるっていう感じではないけど、なんで進学したの?

幟:やっぱり弘山先生が声をかけてくださったからだな~。それから筑波大について調べてどんどん筑波の良さを知っていった感じ。そして相馬さんみたいな強い人に自分もなりたい!って思った。

吉:私は、高校の先生が木越先生と仲良かったっていうのと、木越先生は私の考えもしっかり尊重してくれる先生だって感じたからかな。

西:どういった考えを持っていたの?

吉:やっぱり、陸上だから走る面も大事で、幅跳び選手でもリレーやマイルも走れることが大事っていう考えだった。今は変わっちゃって、そんな体力ないから技術面を高めていこうと思ってる(笑)

西:変わったのね!!(笑)いや~技術面とかすごいね

幟:それな(笑)

吉:強豪校の人って、先生がしっかりついている元で練習していたから、やる気なくなったら、サボってしまったり、どうすればいいかわからなくなったり、落ち込んだらそのまんまになるよね。一人でも練習できる人はいると思うけど。

幟:俺も、寮生だったからその反動が大きかったかも。はじめにいったように管理されていたから。

西:そういうのあるよね。

 

Q.高校の時の先生とは連絡取り合ってる?

吉:とってるよ!体重のこと気にされる(笑)

西:わかる(笑)

幟:俺はとっていない(笑)

吉&西:とったほうが元気出るよ、応援されてるんだなって。

 

Q.自粛期間はどんな感じだった?

幟:元から俺は2年間ぐらい怪我をしていたから、ちょうど休めて良くなったよ!今はリハビリな感じで練習できてきてるって感じ。

西:プラスになって良かったね!!

吉:私は、競技面のこと考えると苦しくなるから、ダイエットしてる!って思って、太ったなって思うときに走ったりしてた(笑)

幟:わかる(笑)

西:ほんとなんで走ってるのかとか考えたらしんどくなるから私もよくダイエットって思ってた(笑)

 

Q.これからの目標とかはある?

幟:とりあえず1500mや5000mで関東インカレに出場できたらいいな。

吉:私は、とりあえず痩せたい。そしてかわいくなりたい。

西:わかる。

幟:あ~俺も、陸上を楽しめたらいいなって思う。

(もちろん3人とも陸上頑張ろうと思っていますよ)

西:陸上は続ける予定?

幟:おれは続けないかな。

吉:私は続ける予定だよ~。なんだかんだ陸上は楽しい。

 

Q.強豪校での経験をいかして、これからどうしたいとかある?

吉:高校の時は、先生や仲間がいて一緒に頑張っていくっていう感じが楽しかったけど、大学ではそうはいかないから、そういった環境でも陸上を楽しめたいいなって思う。

西:うんうん。私も、すぐ怠ける人だったから弱い自分を変えたいと思ってる。ところが、もう3年目。早い。笑

幟:強豪校だからこそ悩むことは多いかもしれないけど、陸上の楽しさを忘れたらだめだね。

 

 

陸上に対する意欲は入ってきた当時に比べたら悩むことも多くなって、低下しているような感じもありますが、自分の選んだ環境でどうしたらいいか、それぞれしっかり考えていることがわかりました。高校時代に先生から教えてもらったことは、とてもいい経験だと思うし、これを生かすか殺すかは自分次第であり、筑波大学はそういった面で、自分でしっかり考えることができる素晴らしい環境だと思います。成功より失敗の方が多い分、沢山悩んで、ちょっとずつでも成長していけたらいいなと思いました。

 

 

投擲 池川博史×中長距離 狩野早耶   インタビュアー 矢ヶ部晃大

 

 

      

 

Q.大学に進学して自由に使える時間が増えたわけやけど、1 番大変やったことはなに?

池川:部活に関してやと「選択すること」やな。高校時代に色んな練習のバリエーションを 教えてもらったんやけど、自分に合うものは何かを考えるのは難しかった。かと言って練習 時間を長くしすぎたらオーバートレーニングに繋がるし。

狩野:私は自己管理かな。自分で生活するための資金を作りつつ、高校の時みたいに自己管理をしながら競技力を維持するのは難しいよね。
 
矢:高校の話やけど、自分の高校でおもろかった練習とかキツかったトレーニングとかあっ た?

池:練習メニューやったら…俺らの高校はダウンなくて、代わりに 400m を 2 本走ってた わ。俺は女子のやつらと毎回競ってたわ(笑)最近練習参加した時は、最後 100m のリレーを 何本も続けてたわ。「最後全員でやって終わる」ってのが先生の方針らしくて。全員で和気 藹々とやってることが滝二のよさと思うわ。

矢:ちなみに滝二スポーツ校やろ?部活以外でもおもろいことありそうよな。

池:色々あるで(笑)部活以外やと、体育に仮装していくとか。

矢:は、どゆこと?(笑)

池:おれ佐川急便の服着てサッカーやってたわ(笑)

狩:やからどういうこと?(笑)

池:滝二は体操服って概念ないねんな。まじで自由。

矢:それいいな(笑)それに部活強い学校やと授業もクラスマッチもバチバチで勝負してそう。

池:そうそう。週5で体育あったし、サッカーとかバレーとかゴルフとか、かなりハイレベ ルやったわ。施設もかなり整備されてるしな。

狩:すご(笑)

矢:さすが有名選手が OB の学校は違うな。

池:岡崎(岡崎慎司:サッカー選手・現 SD ウエスカ)とか結構きてくれるし。

矢:さやちゃんどう?

狩:名物メニューはね…冬だと雪の上をとにかく走りこむ。4 分/km のペースで 20km と か。

矢:それはかなりきついな(笑)

狩:それを走るのにも色んなコースがあるんよね。立命館慶祥知ってる?

池:短距離強いとこよな。

狩:そこのコースは「リッツ」って言われてて。他にも「ホクセイ」とか、学校の名前を 取ったコースを毎日走ってたな。あとは…距離走はかなりしてたかな。腰まで雪積もった 時も走ってたくらい(笑)

矢:雪の中走るとか相当負荷高い環境だよな、地面も滑りやすそうやし。体幹とか鍛えら れそうやね。

狩:あー確かに。風の日とかもあんまブレなかったかも。吹雪の中も走ってたくらいだか ら(笑)

矢:それは北海道の高校あるあるかもね。

狩:あとは、言葉かな。

矢:というと?

狩:例えば長距離走る時に先頭走る人を「ラビット」って呼んでた。

池:ペースメーカーな。

狩:そうそう。やから筑波きたときにラビットで伝わらんくてびっくりした(笑)
 
矢:じゃあ最後に後輩のみんなに一言。自粛が続いて俺たち 4 年生が伝えられる機会ってどんどん少なくなると思うし。

狩:熱中症に気をつけてください。

矢:はや(笑)

狩:後は、指導してくださる方の話をきちんと聞くことかな。

矢:ほうほう。

狩:練習に限らず、自分が毎日を過ごしていく上でのヒントを掴むことも多いし、何よりここでやってくって自分で決めたんだし。しっかり指導者の言葉に耳を傾けて欲しいなと 思う。

池:1 年はとりあえず俺のとこに自己紹介しにきてください。

矢&狩:(笑)

池:もっとみんなのこと知りたいしな。まあ後は、コツコツ毎日積み重ねるのは自分が思 ってるより自分の力になるってことかな。こういう状況だからこそ、地道な努力は大事やで。

 

強豪校ならではの呼び名や慣習がとても面白かったです。後輩たちへのアドバイスもぜひ参考にしてみてください!