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【十人桐色】#60 筑波大学というチーム

十人桐色の第27弾です。今回は「筑波大学陸上競技部というチーム」をテーマに対談をしました。それぞれ立場から見る筑波大学陸上競技部はどのようなものなのか。学年、役職、所属ブロックといった一人一人のフィルターを通してどのように捉えているのか。普段はあまり語らないチームへの想いも垣間見える対談になりました。

 

また、今回も新型コロナウイルスの状況に配慮してオンラインツールzoomを利用して対談を行いました。

今回の対談はF班の矢ヶ部(人文4)、西永(体育3)、池田(体育2)が担当しました。

 

『筑波大学陸上競技部というチームとは?』


伊藤海斗×辰巳新×池田涼香

Q.筑波大学陸上競技部はどんなチームだと思いますか?
伊藤:練習中も笑顔が絶えず、学年問わず仲が良く応援しあえるチーム。そこが強さの秘訣だと思う。
辰巳:ブロックごとの仲が良く、その中で上下関係なくしっかり連携が取れているチーム。
池田:二人から仲がいいチームという言葉が出たけど、競技の面ではどう?
伊藤:メニューは基本的には先生が考えてくださる。冬季練は毎年二年生が中心になって、コーチの方々と相談しながら決めるかな。

Q.個人競技の陸上でチームが持つ意味は何だと思いますか?
辰巳:個人的に一年生の時は、チームという意識が薄かった。でも、試合に出る中でトレーナーや執行部、応援してくださる人を眼の前にして、支えられていると思った。筑波大に来てチームであることの力を感じた。
伊藤:みんながいてこその練習で、みんながいてこその競技力向上。継続力や力の発揮とか何に関しても、一人の力より皆の力の方が大きいと思う。
辰巳:確かに自粛期間に一人で練習していても、なかなか身にならなかった。競技場で皆と練習してると改めて環境の素晴らしさを感じるよね。
伊藤:やっぱりみんながいてくれることで全然違う。

Q.筑波大陸上競技部で良かったと思った瞬間はありますか?
伊藤:俺は怪我が多くて、モチベーションを保つのがきつい時もある。なげやりになって、態度に出てしまったりするんだよね。怒られて当然の態度なのにそんな時でも、谷川先生や前村先生は決して突きはなさずに一人一人を大切にしてくださった。そういう時に筑波に来て良かったなと思った。いい人達に恵まれていると思う瞬間だった。
辰巳:相談できる相手が筑波大にはたくさんいる。陸上競技部は一般で入ってきた人も多いし、委員会とかもあって自分で学ぶ機会が多くある。先生やアシスタントコーチの方はもちろん、先輩や身近な友達や後輩でも自分の知らないことを知っている人がいてくださる。筑波だからこそ、悩みや疑問を解決する手段が見えてくると感じる。

Q.このチームで果たしたい役割やなりたい存在はどういうものですか?
伊藤:去年の全カレで前主将の山下潤さんがマイルでチームのために死に物狂いで走っている姿を見て、こういう存在になりたいと思った。いつかチームの柱として、人に影響を与えられるようになりたい。
池田:確かにリレーはチーム全体が盛り上がって鼓舞される!
辰巳:一年を通してチームの大切さがわかった今、やっぱりこのチームに貢献したいと思う。みんなに相談される存在になって、トレーナー委員としても身体のことの知識をつけていきたい。試合でも周りにこんな風に走りたいと思ってもらえるような選手になりたい。それが筑波大学のチームの一人としてできれば一番いいのかなと思う。

Q.今シーズンの目標は?
伊藤:全カレではまずはチームとしての活躍を!あとは、怪我から学んで自己マネジメント能力を高めていきたい。
辰巳:10秒4ぐらいを今年中に出したい!そのために、怪我の予防をしっかりして、対処だけじゃなくて自分なりの継続的な予防をしていきたい。

難しいテーマでありながら真剣に真摯に答えてくれた二人でした。
伊藤は学年のムードメーカーで周りにはいつも笑顔が絶えません。怪我と向き合いながらその中でもチームに何か貢献できないかと考える姿勢には感動しました。周りへの感謝を忘れず、正面から陸上競技に向き合う姿は素晴らしく、伊藤の走りは筑波大学陸上競技部の追い風になってくれると思います。辰巳は優しさの中に信念があり、考え探求していくことを惜しまない選手だと思います。選手としてだけでなく、多方面でチームの中で頼られる存在になってくれると感じました。チームの力を知ったと言った辰巳がこれからどのように、チームに勢いをもたらしてくれるのか期待でいっぱいです。(池田)

 

 

児玉直之×平賀勇輝×西永菜津

Q.筑波大学生活が3年経ちましたが振り返ってみて、筑波大学とはどういうチームだと思いますか?
平賀:一言で言えば「自由」かな。中学や高校の時は、みんなで決められたことをやるといった感じだけど、筑波大学は、それぞれの目標をもちながら、一緒に練習をしたり、課題が別の時は個別でやったり、いい意味で自由なのかなって思う。
児玉:俺も同じで、誰かに決められたことをやるというよりかは自分で考えてやっていくから、自分で考えて取り入れるのがいいと思った。

Q.筑波大学陸上部の合言葉は「1人一役」ですが、実際それはどういう考えだと思いますか?
児玉:陸上競技はやっぱり記録で絶対的な評価があるから、記録を出すというのも重要な役割だと思う。でも、一人だけで頑張るのは難しいと思うから、チームのみんなと一緒に練習したりすることで色んな知識を得ることができるから、自分を磨くためにも、チームは大事になってくるなって思った。
平賀:陸上は個人競技だから、それだけに目をやると自分のために頑張ろうってなってしまうけど、1人一役となると、選手だけでなくサポーターとしても自分がいて、誰かのためになにかをやろうという姿勢が身につくと思う。自分はサブマネをやっているから、今回全カレでの仕事も、自分に利益があるかといったら直接利益をもらっているわけじゃないけど、「ありがとう」という一言があるだけで、役になっているんだなって思った。

Q.自分は筑波大学陸上競技部でどういう存在になっていきたいですか?
児玉:「インカレで点数をとる」というのが一番明確なことかなって思う。
平賀:俺も抽象的に言えば、何かしらの形で「役に立ちたい」って思う。さっきもいったけど、ありがとうとか、人間は言葉がないと進化してこなかったわけだから、そういう言葉を自分から言えるようなコミュニケーションの始まりになれたらいいなって思う。
西永:いいね。もっとみんなと関わっていきたいよね。
平賀:うんうん。俺こういう対談もいいなって思ってたから、ありがとう!!
西永:こちらこそありがとう!今年コロナで関わる機会がなかったしね。
平賀&児玉:俺たちも同じ跳躍なのにタイミング合わなくて、久しぶりの顔合わせだよね笑

Q.陸上は個人競技ですが、筑波大学はどういった時チーム感が強くなると思いますか?
平賀:さっきの出来事なんだけど、みんなで手を振って、全カレ選手を見送った時「ああ、チームだな」って思った。お互いに励まし合えるのがいいなって。
西永:自分の競技だけじゃなくて、みんなの競技も応援してるのがいいよね
平賀:陸上競技部でも、色んな競技があるから、お互い結果とか知っていきたいよね
児玉:筑波は強制されるっていうのがないからこそ、応援とかも自主的になるよね。箱根駅伝の時も、帰省期間中だけど応援しにいきたいって思えるのは、結束の固さを感じるよね。直接応援に行けないとしてもテレビの向こうで応援してたり、そういうのがチームだなって思う。
西永:なんとも思ってなかったら、応援しようとかならないよね。

Q.最後に、これからの目標をお願いします。
平賀:何かしらの成長ができたらいいなって思うし、今回のチームについて改めて考えたら、チーム全体を見られるようになりたい。誰が何をやってくれているかとか、そういうのが知れてこそありがとうとか言えるし、より良いチームになると思う。一言でいうと「チーム全体を俯瞰したい」
児玉:自分は、陸上部にあまり貢献できてないように感じるんだよね。自分自身コミュニケーションも得意なわけじゃないから、今回1人一役というテーマだけど、もっと競技部に積極的に関わっていきたいな。練習でも、喋りというよりかは行動で示したい。きつい練習でも、自分は折れないようにするとか、そういった感じでみんなを引っ張っていきたいな。

今回のテーマは自分のことだけでなく、周りのことも考える内容でしたが、二人とも自分のことはもちろん、チーム全体のことも考えられてるなと感じました。私たちは来年最上級生になるため、改めて私たちがこれからどういう存在になっていくべきか話し合うことができ、とてもいい機会となりました。(西永)

 

十人桐色:筑波大学陸上部ブログ「筑波大学陸上競技部とは」

矢ヶ部×高橋優作(4年・短距離ブロック)
矢ヶ部:一人一役って、この陸上部の中で色んな解釈をされてると思うんやけど、選手としてインカレに何度か出た立場として、優作はどんな解釈をしてるん?
高橋:うーん、難しい(笑)。選手として、委員会として、サポーターとして、自分の仕事に全うするっていうイメージは持ってるんだけど。
矢ヶ部:例えば、優作が選手としてインカレに出た時、「一人一役」があって良かったなって思えた瞬間ってどんな時やった?
高橋:選手としてだと、サブマネと応援の存在かな。自分から主体的に選手に関わってきてくれてたことにすごく感謝してる。例え結果が悪かったとしても、暖かく選手を迎え入れてくれた時は、本当に支えになったね。
矢ヶ部:前に後輩と話してたことで共感した内容そのままだわ。250人くらいの陸上競技部の中で、「自分が貢献できる場所」を探して、主体的に関わってくれる人が増えてくれればいいよね。
高橋:インカレの応援でも、熱量のある人とない人の差がすごくあるなって感じてる。笑
矢ヶ部:そうだよね。じゃあ、優作のこれまでの経験をもとに、「主体的なチーム」になるためのヒントやアドバイスがあればぜひ教えてほしい!
高橋:相手の視点を持つことじゃない?
矢ヶ部:おお、これって実はめっちゃ難しいことよな。ありきたりな言葉やけど体現する人は少ないと俺も思ってる。
高橋:我が強いことって、自分の軸をしっかり持ってるという意味ではすごいことだと思う。けど、「陸上部」っていう集団に所属する以上そこだけで終わっちゃいけないのかなって。
矢ヶ部:なるほど。
高橋:仲間に支えられたって話だと、俺は社交的じゃなくて、大学1年の時は交友関係広くなかったのね。けど、投擲の関口さん(2020年3月卒:専門はハンマー投)と仲良くさせてもらって、競技場で話をしてるとすごく元気になった。陸上って、きついことの方が多かったから、辛い時に仲間の存在は大きいと思う。
矢ヶ部:初めから「チームのために」って形から入ると、途中で面倒臭いやってなると思うんだよね。優作みたいにその輪を少しずつ広げていくことが大事かもね。

矢ヶ部×谷村陸(4年・短距離ブロック)
矢ヶ部:筑波大学だからこそできる理想のチームってどんなチームやと思う?「一人一役」とか「国立」ってのがキーワードなんだろうけど。
谷村:これって自分の希望でいい?(笑)
矢ヶ部:もちろん。参考にしてくれる人いると思うよ。
谷村:一言で言うと「多様性」を認め合える状態かな。
矢ヶ部:ほうほう。自分の居場所を誰もが持ってると言うニュアンスかな。
谷村:それもそうだし、具体的に言うと、必ずしも選手である必要はないのかなって。入学の時に「頑張りたい」って思ってた選手が、大きな怪我でその道を断念する人もいるわけで。そういった人たちが居場所をなくすようなことはあってはならないと思う。
矢ヶ部:俺もそう言うことで悩んでた時期あったからわかるわ。ぶっちゃけさ、そう言う人たちが居づらい雰囲気はあるよね。
谷村:そうだね。俺だって去年の8月から選手としては活動してないし。けど今まで部に所属してきて、貢献できてる部分はあったと自分では思ってる。
矢ヶ部:それは俺もそう思うよ。陸は広報委員長としても1年みんなをまとめてたしな。
谷村:去年は強化練とかで肩身の狭い思いをすることはあったけど、今は自分で居場所を作れたと思ってる。
矢ヶ部:なるほどね、自分の居場所を作る時に、どんなこと考えてたか教えて。
谷村:自分は委員長って言う立場を与えられたから、まずはその部分で貢献してみようかなって思った。
矢ヶ部:自分が組織に貢献できることを探すって、大きな組織であればあるほど難しいよね。けど、そこを自分の力で見つけられると、自分の軸ができてくるよね。

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矢ヶ部:日本インカレも終わってもう俺らは実質引退なわけだけど、改めて来年はどんなチームになってほしい?
谷村:仲間の考えや生き方を応援したり助言する義務はあるけど、バカにしたり、根拠のない否定をする権利は誰も持ってないんだってことを理解しなきゃいけないと思ってる。そういう考えを基に愛の溢れるチームになってほしい!

皆さんいかがでしたでしょうか。色んなバックグラウンドを持つ選手が織りなす「筑波大学陸上競技部」を感じていただけたでしょうか。かく言う私は、競技レベルは決して褒められたものではなく、現在に至るまでに「引退」の2文字が何度も何度も浮かびました。けれどそれを選択しなかったのは、間違いなく「同期」の存在です。限られた時間の中で、彼らに、今まで受けた分の感謝を返せるかどうかわかりませんが、少しずつ、その思いを伝え、後輩にも託したいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。(矢ヶ部)

 

普段話さないような真面目なチームのことを聞くことができて新鮮でしたし、多様性を持つ筑波大学陸上競技部ならではの視点を感じました。これからも多くの意見を広く受け止められるようなチームであって欲しいと思いました。

今回の対談は以上になります。次回の対談もお楽しみに!