【十人桐色】#21 『筑波大学陸上競技部に所属すること』関口清乃

『筑波大学陸上競技部に所属すること』

 

こんにちは。今回コラムを担当させていただきます、投擲ブロック・ハンマー投パート4年の関口清乃です。

卒業を目前にこのような機会をいただけましたので、私が執筆した卒業論文の結果についてこの場をお借りして一部ですが共有させていただきたいと思います。

 

『大学陸上競技部員におけるインカレに対する意識調査』

このテーマで卒論を執筆しようと思ったのは、大学2年の関東インカレでのことでした。私はこの大会で大学生のカテゴリーで初めて優勝しましたが、どこか喜びきれませんでした。それは、チームが総合優勝を逃し、連覇が24でストップしてしまったことが引っかかったからです。

陸上競技は個人競技、自分が良い結果を出せればいいはずです。

でも、なんでしょうこの気持ちは。自分が最高の順位をとっても喜びきれない。

これはチームで戦っているからこそ抱けた感情でした。

個人戦だけど団体戦、インカレはそのような側面があると思います。

個人種目である陸上競技部員がどのような意識をもってインカレを戦っているのかを知りたいと思い、それをテーマに調査を行いました。

 

調査の結果から、多くの部員がインカレを重要であると考えており、また、「チームを意識して戦っている」、「筑波大学というチームで勝利することは自分にとって大きな喜びである」、「チームとしての勝利がとても重要であると思う」などといったチームに対する意識のみられる質問項目では、部員の多くがチームを意識してインカレに臨んでいるということが分かりました。

一方で、「個人としての目標を達成することが大切である」、「自分の勝利が一番大切だ」といった質問項目では、半数以上の部員が個人の目標や結果が重要であると考えていることもわかりました。これは陸上競技のような個人競技特有のものであると考えられます。

また、インカレ出場者のみに回答していただいた、インカレの結果満足度と目標達成度の割合をみると、個人成績は良好であったにもかかわらず、結果満足度、目標達成度ともに7割以上の部員が満足していない、よくなかったと回答していました。これは皆さんのモチベーションや目標の高さを表していると考えられます。

約半数の部員がインカレに出場(全カレか関カレどちらか、またはどちらも)しており、また全国大会レベル以上の大会で活躍している部員も半数以上を占め、インカレに対する意識の高さや、個人成績への満足度の低さには、競技力や競技に対する意識が非常に高いレベルの陸上競技部であったことが要因であると考えられました。

 

と、ここまで私の卒論の結果の一部について述べてきました。筑波大学陸上競技部はこれまで『インカレ男女アベック優勝』という目標掲げて戦っているチームであるため、多くの選手がチームを意識して個人でも団体でもよい成績を残したいと考えていました。そうであれば今回私の行った調査は当然の結果なのではないかと思います。

しかし、これだけ多くの部員がいるのだから、目指しているところが違うということも事実です。すべての部員が同じ目標に向かっていくのはどんな集団であっても難しいことだと思います。それが私たちのやっている陸上競技であれば尚更でしょう。

 

筑波大学陸上競技部は強いチームだと思います。インカレ総合優勝=競技力が高いチームと思われてもおかしくありません。でも、私たちは競技力が高いだけのチームなのでしょうか競技力が高い人の集団でいいのでしょうか。といいつつ、最終的には結果を求められてしまうのが現実です。評価するのに手っ取り早いのが結果をみることだからだと思います。私もそれは感じています。でも、大事なのは、その結果が出るまでの過程だということを皆さん今までの経験で感じているのではないでしょうか。皆さんには競技力だけでなく、他にも様々な力があると思います。

だから、目指すところがひとりひとり違くて当たり前です。自分とは違うものを持っている人が沢山いるからこそ面白い、様々な意見があるからこそより良いものを作り出そうとする。それができる、筑波大学陸上競技部はそんなチームだと思います。

 

この集団に所属する時間は人生のほんの一部のことでしかありません。でも、私にとって競技部に所属していた4年間がかけがえのない経験となったのは確かです。私の人生にこの経験が活きているということをあと40年後くらいに証明出来たらいいなあ。

 

沢山の団体がある中で、皆さんがこの『筑波大学陸上競技部』という集団を選び、所属している意味を今回改めて考えていただければ嬉しいです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

〇今日のコラム〇

関口 清乃(せきぐち きよの)

体育専門学群 4年

埼玉県出身

埼玉県立進修館高等学校

投擲ブロック・ハンマー投パート

競技会委員会