今回の十人桐色は「筑波大学陸上競技部とは」です。
他大学から入学した選手や、今年から陸上競技部に入部した選手達との対談でした。陸上競技部の印象を新しい視点から語ってくれています。
ぜひ最後までお読みください!
新城雄基
好きな芸能人:永野芽郁
つくばでよく行くお店:プリムローズ
中西慧太
好きな芸能人:あばれる君
つくばでよく行くお店:とんとことん
今までいた環境と比べてどう思いますか。
中西 立命館大学男子陸上競技部と違うところはコーチと選手の関係かな。選手の指導の仕方が大きく違うと思う。立命館ではコーチ陣は練習を見ている感じ。そこに選手が自らアドバイスを求めに行くことが多かった。筑波大学の陸上部は先生側から話しかけてくれ、寄り添って練習をしてくれる。その分、練習が長いとも感じたかな。立命館では2時間半くらいで練習が終わるが、筑波はアップがとても長い。技術面を自らで試行錯誤していきながら練習するため、長くなるのは仕方ないと思うが、その分疲労が蓄積し、怪我してしまわないか心配ではあるかな。立命館は練習メニューをブロック長などの選手が決めたメニューをこなしてそこにコーチが練習中にアドバイスをする感じだけど、筑波大学は短距離の代表がメニューを練って先生に見せるシステムだと聞いている。練習に打ち込めることは良いが、量や時間が長い分、ケアをしっかりしてるのかなって心配になる。
新城 同志社大学の時は指導者がいなかったので、学生で話し合って練習をこなしていた。その分、考える力はとてもついたと思う。筑波大学に来て思うことはとても高いレベルで技術指導を行ってもらえることが良いと思う。かなり高いレベルで指導を行ってもらえるから学ぶことがすごく多くて筑波大学に来てよかったと思う。しかし、技術指導が良すぎる分、学生が受け身になってしまうのではないかなと思う。指導をただ受け身になって聞くのではなく、そこに自分で何かプラスのアクションを起こせる人が強くなっていくのではないかと感じる。でも、練習のレベルの高さには本当に驚いたね。
環境が変わったことで何か自分の中で変化がありましたか。
新城 筑波大学に来て、技術指導を人生で初めてしてもらった。やっぱり短距離の走りを本当の意味で知れたことが一番大きいかなと思う。去年は怪我などもあり苦しんだ時期もあったが、新しい技術を学び挑戦できた一年だった。理解が難しかった技術も太田(短距離コーチアシスタント)などが技術を細かく解説してくれて理解することができた。そういった意味でもとても充実した一年だったと思う。
中西 今までは技術をおおまかに捉える感じだったが、より細かいところを意識して練習するようになった。この前は走りの際に使いたい筋肉を使うようなエクササイズをしただけで、走った際にその筋肉を意識でき、技術も変わっちゃったことがあった。筋肉の使い方などの細かい動きに視点を置くようになったのは大きな変化だと思う。
小林 筑波大学に来て、様々なことを学ぶからこそ、筋肉の意識などの技術的なものにこだわりすぎてしまうことがあると思うのですが、どうでしょうか。
中西 それは最終ゴールを明確にしてそのための手段として技術や体力があるという考え方にしないとよくある手段の目的化になってしまう。「パフォーマンスを高めるために」という前提を意識するかしないかで結果が大きく変わってくると思う。薬師寺亮さん(現短距離ブロック6年)が一年生にそう話してるのを聞いて、やっぱり当然のことかもしれないけど、忘れがちになることでもあって、結果を残してる人は違うなと感じた。
新城 やっぱり目標の立て方も俺はインカレ何位だけではなくて、何秒、何メートルが良いと思う。インカレ何位は他人に左右されるものだから、他人に左右されない目標を置いて自分軸をしっかり持って練習することが大切だと思う。
これからの目標について教えてください。
新城 一応あと一年筑波大学でやろうと思ってて。出させていただけるのであれば、インカレ優勝したいと思う。筑波で学んだことを活かして結果を残したいね。
中西 高校生から陸上をしているけど、個人で全国大会で戦えるようになりたいという思いを持つようになったが達成できず、大学でリベンジしようと誓った。だから、まずは個人で全日本インカレに出場できるように、その先の目標として点を取って筑波大学に貢献したいと思う。
金光春香
好きな芸能人:中村智也
つくばでよく行くお店:イーアスの手芸屋さん
マイブーム:イアリング作り
小山水晶
好きな芸能人:大山先生(怒ったところ見たことない、尊敬)
つくばでよく行くお店:丸長
マイブーム:で部活
金光さんは、なぜ医学の5年目である今年入部されたのですか?
個人的に実習とかで忙しくなる時期なのかなと思っていて…
金光 2、3年悩んでいていて、
というのも、途中から入って、競技力がそこまで高いとは言えない私が受け入れてもらえるのかとか、そういう点が大きくて。
入ってみるとみんな本当にフレンドリーで、暖かくてほっとしているな。
医学同期も後輩もいて、それも大きいかもしれない。
医学陸上部(以下医陸)4年生の9月で一段落って感じで、そこからは続けるもやめるも自由なんだけれど、私は部で会計の仕事を任されていたこともあって、仕事に縛られることなく自由にできるようになったとき、思い切って競技部に入部しようとなったかな。
4年生の10月から半年やってきて実習をやりながら練習を詰めてリズムをつかめてきていたから、実習で練習ができないというような不安はない状態でだったよ。
野狩 すごい、本当尊敬です///
小山は他学からの入部だけれど、どうしてその道を選んだの?
小山 ずっと生き物が好きだったから今の学部で勉強したかった。
高校から始めた陸上競技は自分のアイデンティティだと思っているから大学でも競技部に入部した。
狩野 なるほど。でも大学院は体育学で受けるんだよね?
専攻分野を変える理由は?
小山 生物って基礎的なところがあって、「生物での学びを活かして、応用がしたい」と思って。
「生物での学びを運動生理に活かす。それをさらに陸上に活かす。」という考えかな。
狩野 生物と運動生理って別物のようでつながるんだ。納得。
金光さんは、医陸の良さと競技部の良さのようなものを感じたりしますか?
金光 良さか~…
まず医陸は陸上同好会と週4回活動していて、
医学は運動部入る風潮があって、やってこなかった人もたくさんいるんだよね。
私は中学で始めたから、上級者のような感じで、医学の試合では色々な種目に出たりする(笑)医学対抗戦では筑波は力を入れているし、強いほうで、1年の時から中心でマネジメントに関わってきたことは大きな経験になったかな。
競技部は、これまで指導者なしで4年間やってきたから、指導経験豊富な指導者の方や選手たちにアドバイスもらえることは本当に嬉しいことだなぁ
狩野 なるほど、指導者居られないんですね
小山は他学にいて苦労してきたこととかある?
小山 ある(笑)
競技部って他のブロックと集合が別だからほとんど他のブロックの人と関わらないじゃん。同学年でも人間関係作ることができなくて苦労したよ…
狩野 あ、確かに!
私たちも話すの初めてレベルだもんね(笑)
金光 あと、多すぎて学年とか分かってなかったりするよね。
競技部と医陸で練習時間被った時先輩だと思われて挨拶されてた(笑)
狩野 とりあえず挨拶しておくってあるあるでした(笑)
自分の中で大事にしていることはありますか?
金光 私は、「変えられないことに文句を言わないこと」かな。
例えば勉強が大変、実習が忙しいとか。そこは何を言っても変わらないんだから、じゃあ自由な時間をどうするかってことを一番に考えてる。
狩野 説得力あります
小山 俺は、文武両道という言葉が大嫌いなんだよね。
両道って道が二つってことだから、分けて考えるのが違うと思ってる。
片方上手くいけば片方も気持ちが乗っていくだろうし、どっちもうまくいくと思う。
同じ道だよね。
金光 私も同じ考えだな~両輪を回すという意識。
高校の顧問に言ったら、できる人ばかりじゃないぞってと言われてた(笑)
だから、実習してた方がいい。(笑)
小山 なんもない日は時間があるのになんもしなくなるんですよ。
狩野 めっちゃわかるわ(笑)
最後に今後の目標をお願いします!
金光 1番はインカレに出たい。
実習一年目を終えて、2年目に入るんだけど、好きな科を組み合わせたら忙しくなってしまったの(笑) だから実習も陸上も正念場! 気持ち入れ直して、コツコツ努力して、くすぐった自分を打破したい。
小山 俺は、大山先生に3年から勝負と言われていたんだけれど、4年間インカレに出られずに終わってしまった。インカレで勝負すること、最終目標は70m投げることだな!
吉成祐人
好きな芸能人:呂布カルマ
つくばで行きつけの店:チムニー
マイブーム:半沢直樹
今までいた環境と比べて、筑波大学の環境はどうですか?
吉成 筑波大に来る前と言ったら佐野日大で、10年前とかの話になっちゃうんだけど、あそこは駅伝校で、長距離以外の人は全然いなくて長距離だけがやっているような部活だった。それが大学に来たら短距離も跳躍も投擲もみんな強くて雑誌とかで見るような人たちもいっぱいいた。そういう人たちと同じ場で練習して、憧れになる選手がいたり、ウエイトとか補強とかで質問ができるっていうのは筑波のすごくいいところの一つなんじゃないかな。
笹野 吉成さんが筑波に来た当時と今を比べての変化もありましたか?
吉:先生が変わって指導方針が変わることもあったし、学生主体だからこそキャプテンや上級生によって運営方針が変わることもあったね。この学生主体っていうのも筑波の魅力の一つだと思う。競技の面で言えば、昔は中長距離ブロックが一点も取れないなんてことも続いていたんだけど、最近は点を取れるようになってきた。伸び悩むブロックやパートが出てきたりしても、お互いのブロック同士が支え合っている。こういうところも少しずつ変わってきたところだと思うな。
笹野 他に筑波大のいいところだと思うことはありますか?
吉:コロナの自粛期間中部員は個々人で運動をしていて、どうなるのかなと思っていたんだけど、そんな中でも女子は全カレで優勝したし、男子も点取る人は取って活躍していて、やっぱり普段から自分で考えて動こうとしている人はこういう時に強いなと思った。そういうところはみんな一人一人が成長している部分だと思う。自分で考えて行動するっていうのは、今後の人生にも支えになる筑波大の良いところで、もっともっと伸びていけるところなんじゃないかと思うな。
筑波大で過ごす中で自分の中で変化はありましたか?
吉:僕は箱根駅伝を走りたくて筑波大に入ってきたんだけど、今思えば僕が下級生のころは特に、チームで箱根を目指すことができるようなチームじゃなかったと思う。チームで出るとは言いながらも、個人で学連選抜で走ればいいな、みたいな。いざ4年生で学連選抜に選ばれたは良いものの、結局メンバーには選ばれなかった。でもそのあとの世代になって、今の長距離の子たちはすごく強くなって、去年はチームで箱根を走れたし、今年も箱根を十分狙えるチームになっていると思う。この部活に9年間いる中で、一人で狙うようなものだった箱根駅伝が今では、みんなで行くぞ、っていう風に一丸になって向かっていくように変わっていった。それは院生の僕にとっても感動するほどの成長だと思っているし、その中で自分もすごく成長させてもらっている部分があるなと思うので、筑波大学の陸上部にはすごく感謝しています。
これからの目標について教えてください。
吉:来年は卒業して学生ではなくなるから部活には参加できなくなるんだけど、この陸上部に所属していた以上は、一生筑波大陸上部ファミリーだと思うな。先生方も、生涯にわたってスポーツや陸上に携わることがどれだけ大切かよくおっしゃっていると思う。卒業しても市民ランナーとして走り続けるし、いろんな大会で結果を残せるように努力するのは勿論のことだし、筑波大陸上部を応援しつつ、今盛り上がっている日本の陸上界を周りの人たちも巻き込みながら盛り上げていけるようにしたいと思っています。
あとは研究でご飯を食べられるようにすることかな。(笑) 自分が面白いと思うこと、周りの人に役立てるようなこと、興味を持ってもらえるような研究をしていきたいと思います。
以上となります。
今回は院生や体育専門学群以外の選手からお話を聞かせていただき、競技や競技部に対して新しい視点で語っていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!