【十人桐色2026】#21「リザルト画面の話」山田駿佑

跳躍・混成ブロック4年の山田駿佑です。

インカレ出場経験もなく、競技を引退してあと一か月もすればつくばを離れてしまう身ですので、自己紹介は省き、本題に入らせていただきます。

いきなりですが、僕は飲み会が大好きです。陸上競技選手らしからぬ、そして歴史ある十人桐色の一文目にはふさわしくない発言かもしれません。大変申し訳ございません。
もちろんお酒も好きなのですが、それ以上に飲み会での「会話」が大好きです。「自分の結婚式に誰を呼びたいか」「卒業までにやりたいこと」「浮気のラインはどこか」といった、時には生産性のない、けれど熱のこもった対話の時間が1番好きなのです。

その中で、最近ひときわ盛り上がったトークテーマについて、この場を借りて書いてみようと思います。

そのテーマとは、「自分が死んだ時、リザルト画面で何を見たいか」です。
ゲームをクリアしたり、あるいはゲームオーバーになったりした時、最後にリザルト画面が出てきますよね。総獲得コイン数、倒した敵の数、クリアタイムなど。あれの人生版があったら、もし人生の答え合わせができるなら、皆さんは何の項目を見てみたいですか?

「歩いた総距離(km)」
「実は、自分のことを好きだった人(〇〇ちゃん)」
「“ポイントカード作りますか?”を断り続けて失った累計ポイント」

友人たちと話し始めると、次から次へと項目が出てきて大いに盛り上がりました。そんな中で、ふと芯を食ったテーマが出てきました。

それが、
「自分が常に最適な選択をし続けた場合の、自分の最高到達地点」です。

もし、自分の才能、知能、環境を100%使い切り、一つの選択も間違えず、一ミリも妥協せず、100点満点の努力をし続けたら、今の自分はどこまで行けたのだろうか?

三段跳でインカレ入賞、あるいは優勝できていたのか。
あるいは、別の種目やスポーツに転向して、そこで才能が開花していたのか。
はたまた、アーティストや政治家として歴史に名を残していたのか。
考えだしたら止まりませんが、それと同時に「その最高地点を見たくない」という怖さも込み上げてきました。

話を陸上に絞ります。
僕の4年間を振り返れば、自分の手で「最高地点へのルート」を消してしまった瞬間や、その積み重ねがいくつも浮かんできます。

一つは、大学2年の春季オープンです。合宿の疲労が残る中、気温も低く雨も降っているというコンディション。当時の最善の選択は「棄権」だったはずです。しかし僕は、「国立で跳べる!」「合宿の感覚を忘れたくない!」という目先の欲に負け、結果、右足首を骨折してしまいました。もしあの日に冷静な判断ができていたら、今頃どうなっていたのだろうと考えずにはいられません。

その他にも、体専の授業での学びを競技に活かせなかった事、活かそうとしなかった事、バイトや就活を理由にして食事や練習をこだわりきれなかった事など、挙げればきりがありません。情けない話ですが、僕がインカレに出られなかったのは、こうした最善の選択を逃し続けた結果なのだと思います。

だから、これから皆さんが練習から逃げたくなった時や、目標が曖昧になった時、怪我をしてしまった時などに少しだけ想像してみてほしいのです。
今からする選択によって、自分の最高地点に到達できなくなってしまうかもしれない」
「死ぬ時のリザルト画面に、『あの時、あの選択をしていれば、日本一になれるルートがあったんだよ』と表示されるかもしれない」

筑波大学陸上競技部には、確固たる目標を持ち、当たり前のように自分を律して結果を出す人たちが山ほどいます。
そんな中で、僕のように自分を甘やかしてしまいがちな人間が踏みとどまるために、このマインドセットが一助になればと願っています。

さて、ここまで後悔ばかりを書き連ねましたが、僕の4年間が苦いだけだったかと言えば、全くそんなことはありません。
人生のリザルト画面を見ずとも、「これだけは最高の選択だった」と自信を持って言えることがあります。
それは、「筑波大学陸上競技部に所属し、4年間戦い抜いたこと」です。
特に跳躍・混成ブロックは、僕にとって最高に居心地の良い場所でした。

学年、パート関係なく、ひたすら盛り上げてくれる暖かい雰囲気で練習、ウエイト、試技ができました。また、競技力が高いのは言わずもがなですが、それ以上に人として尊敬できる人が沢山いました。同じ年齢になっても到底追いつけないくらいカッコいい先輩、いつも尻を叩いてくれる生意気で頼もしい後輩、そして、本当に大学から知り合ったっけ?これからも当たり前のように集まるんだろうなと思える同期。このメンバーに囲まれて過ごせた僕は、本当に幸せ者です。

そして、僕のいた男子TJは、常に関カレ枠(あれ、全カレは?)を7人ほどで争う状況でした。普段はあんなに仲が良いのに、選考会が近づくとピリピリした緊張感が漂い、余裕そうな顔している人が1番緊張していたあの独特の空気の中で、真剣勝負ができた事は、僕の人生にとってかけがえのない財産です。

さて、そろそろお開きにしましょうか。もしどこかの飲み屋で僕を見かけたら、ぜひ皆さんの「見たいリザルト項目」を教えてください。その時は、美味いお酒を酌み交わしましょう。

4年間、本当にありがとう