副主将ブログをご覧の皆さま、こんにちは。
男子副主将の川村です。
遅くなりましたが先日、全日本大学駅伝予選会が行われ、猛暑と強い風の中、川瀬率いる長距離パートが挑みました。私個人としても大変悔しい結果となりました。
しかし、結果報告の際の選手たちの顔はもうすでに次の箱根駅伝予選会を見据えており、筑波大学陸上競技部の選手の強い心と高い志を感じ、私も改めて全日本インカレに向けて、気を引き締めました。
応援していただいた皆様、本当にありがとうございました。
さて、今回の副主将ブログはまたまたまた「Pick Up」選手です。。。!
Pick Up選手第3弾はこの人!
跳躍ブロック走り幅跳びパート4年の銭場望美をPick Upです!
今回の銭場も体育専門学群ではなく、「理工学群 工学システム学類」でありながら体育会陸上部に所属する文武両道ガールです!(体専はもちろんなんですが、それ以外に両道で頑張ってる人も知ってほしいんです。。。!)
パラリンピックを目指す義足ジャンパーの銭場。小柄な体に秘められた大きなエネルギーと、熱き思いを聞くことができました。
ということで、以下インタビュー内容です。どうぞ!
<プロフィール>
名前:銭場 望美(せんば のぞみ)
所属:理工学群 工学システム学類
出身:神奈川県・厚木高校
専門種目:走り幅跳び
自己ベスト:3m11cm
関東パラとジャパンパラを終えて
川村
「関東パラとジャパンパラおつかれさまでした! Facebookでも感想読ませてもらったけど、その2大会含めて、今季のこれまでの感想を教えて」
銭場
「今期のシーズンベストは2m74cm。自己ベストが3m11cm ってことを考えると、まだまだだね。実測は悪くないんだけど。。。今季はとにかく脚が合わなくてファールすることが多くて、あんまり記録が残ってないんだよね。。。」
「関東パラは、2m65cmでかなり悪かった。普段の練習での課題を修正しながらやろうと思ってたけど、緊張もあって最後まで修正できなかったんだよ。メンタル的にかなり来る記録だった。『合わないとはいえ、ここまで記録が悪いとは。。。』って(笑)」
川村
「最後まで修正できず納得できない試合やと、記録以上にメンタル来るよな(笑)」
銭場
「そうそう(笑) でも、その1週間後のジャパンパラでは、記録は悪かったんだけど、今年の課題が少し改善できたからその点では良かったと思ってる!関東パラは記録も感覚も悪くて精神的に辛かったから、今は心身ともにいい状態にはなってきたかな。評価しすぎたらだめだけどね(笑)」
川村
「何か手ごたえのある試合ができると、その手ごたえを頼りに前向きに取り組めるやんな(笑) 多少思い込みでも、いい精神状態で練習できたほうがいいよな。」
「次の目標大会は何になるん?」
銭場
「次は、日本選手権(9/1,2 香川)だね! 目標はジャパンパラのリベンジってことで、『3m31cm(育成選手標準記録)』にした!かつ、8/2,3の筑大競で自己ベストを出して挑みたい。夏の強化練でスプリント中心にうまく積めたから、このままいければ達成できると思う!」
川村
「それは楽しみ!是非、目標達成して、全カレ(9/6~9)に向けてチームの士気を高めてくれ!」
パラアスリートとしての歩み
川村
「今回実は、銭場にパラアスリートになった経緯とパラスポーツそのものについてどう思ってるかを聞かせてもらいたくて。銭場の経験とか考えを色んな人に知ってもらうことは、パラスポーツの発展に寄与する1つの視座になると思うから。」
銭場
「隠してるわけじゃないんだけど、あんまり話す機会ないからね(笑) じゃあまず、私が義足になった経緯から話すと、小学5年生の12月に義足になったんだ。その後、治療とリハビリが始まって、完全退院までは1年くらいかかったかな。」
「スポーツを再開したのは、中学2年のときに東京にあるヘルスエンジェルスっていう義足の陸上チームに入ったことがきっかけだね。練習は月1回なんだけど、楽しかったな」
「それで、高校で陸上部に入って、本格的にやり始めたって感じ。」
川村
「義足アスリートの団体があるんやな。知らんかったわ。。。!」
「退院後、中学2年までスポーツを再開できなかったのは、やっぱり怖さとかあったん?
答えたくないなら、全然言ってね」
銭場
「いや、自分でもなんでスポーツ再開しなかったのかはよくわかんないんだよね。(笑)退院後に限らず入院中もそんな暗い感じにはなってなかったし、入院ライフも楽しんでたよ。友達とゲームしたり、片足でリフティングしたりね(笑)」
川村
「すごい!メンタル強い!」
「ちなみに、陸上始めたときは最初から幅跳びやってたの?」
銭場
「最初は100m,200mやってたんだ。それで、高2の時にアジアパラユースっていう大きな大会に100と200と幅跳びでも出場できそうで、その大会をきっかけに幅跳びを始めたんだよね。でも、今考えると200mとか良く走ってたなぁって感じだよ(笑)」
川村
「アジアパラユース!日本代表じゃないですか。。。!握手してください(笑)」
パラスポーツについて
川村
「じゃあ、次にパラスポーツについての銭場の思いを聞かせてもらっていい? 例えば、義足はせこいとかって意見もあると思うんだけど」
銭場
「うーん、思いはあるんだけど、パラスポーツって難しいよね。。。笑」
「でも、マルクス選手とかはすごいよね。こないだも世界記録(8m47cm)跳んだし!でも、マルクス選手みたいな人はほとんどいないから、義足使ったら跳べるっていうのは違うと思うけど。。。義足が有利とかずるいとか思う健常者の気持ちも分かる。」
川村
「確かに、みんながみんな跳べてるわけじゃないもんね。」
銭場
「後は、パラスポーツを『知ってもらう機会』がもっと増えればいいなぁと思う。例えば、人それぞれ興味ないスポーツってあるじゃん?でも、それってきっとルールとかを知ったうえで、自分には合わないって判断してると思うんだ。でも、パラスポーツはルールとかも知らないままに、見ないって判断されちゃってる気がする。だから、知ったうえで見る、見ないの判断をしてもらえると嬉しいなぁ。。。「知らない」と「興味ない」は違うからさ。ジャパンパラですらガラガラだからね(笑) だから、遠いものだと思わずに、とりあえず『1度知ってもらう機会』があると嬉しい。」
川村
「確かに俺も、野球のルールとか選手は知ってて見いひんけど、パラスポーツはそもそも競技すら知らないかも。。。なんか損してる気がしてきた。。。!」
銭場
「6月の日本選手権(山口)でも、エキシビションでパラ選手のレースがあったんだけど、みんな知ってるのかな。。。(笑) でも、こんな感じでスポーツに関わる人が大勢見に来ていただける大会で、パラ選手のレースをすることが大切なんじゃないかな。競技運営が難しいけど、インカレとか(笑)」
川村
「俺は知ってたよ!昔はなかった気がするから、パラ選手にとっては、嬉しい機会やな!」
「今、自分がやるべきことを見失わない」
川村
「最後に、大切にしてる考え方を教えてください!」
銭場
「『今、自分がやるべき事を見失わない』ってことかな。今は『競技者』である前に、『学生』だから、前提として勉強はしなきゃいけない。それをないがしろにしてまで他の事をやることにどれだけの価値があるのかは、よく考えないといけないと思う」
「私のために、お金を払ってくれる人がいて、知識を教えてくれる人がいる。だからやりたいことだけやってたらいけないなと思う。」
「後は、自分で何かを選ばなきゃいけなくなったときに、こういう指針があることはすごく大切だと思う。」
川村
「確かに、自分が今本当は何をすべきか、誰に支えてもらってるのか、をよく考えることで自分の居場所とか大学に来た目的とかを見失わずに頑張れるもんな。」
「後半シーズン始まるけど、頑張っていこう!」
実は、4年生にもなって銭場とまともに話したことがなかったのですが、今回のインタビューを通じて、すごく明るくて芯の強い人だなぁと思いました!筑波に来る人は芯が強いというか、腰が据わっているというか。。。見習うべき方はたくさんいます。。。笑
こういう機会を作らせてもらえる副主将に選んでいただいて、改めて陸上部の皆様に感謝すると同時に、より良い部にするための責任を感じました。。。!頑張ろう!(笑)
銭場さんへのインタビューを通じて、僕自身パラスポーツを『知る機会』になりました。800m以降はパラ陸上のが世界記録が早いだとか、マラソンの世界記録に関しては1時間20分14秒(健常者は2時間2分57秒)だとか。。。マルクス選手の世界記録の動画も見せていただき、度肝抜かれました。興味がある人は是非見せてもらいに、銭場さんのところへ。。。(本当にすごいです(笑))
今回の記事が、皆さまのパラスポーツを『知る機会』になればいいなぁと思いつつ、これにて筆を置かせていただきます。
ご拝読ありがとうございました。
川村