今回の対談を担当させていただきます、B班の狩野(体育3)、小林(体育2)、笹野(体育1)です。
二回目の十人桐色では「動物」をキーワードにピックアップメンバ―を選出しました。集まった五人の名前には動物の名前が含まれているのでぜひ確認してみてください。
今回は院生から大学一年生まで幅広い部員から、人生で一番うれしかったことから苦しかったことをメインにお話をお聞きしました。
「後悔してる暇があったら前進んだほうがいいから」これは今回の対談中に出た言葉ですが、このほかにも今苦しんでいる人にほんの少し、やる気と勇気をくれる内容になっていると思います。
ぜひ最後までお読みください。
今回のピックアップ選手
犬井亮介(M1 ) ↓
猿渡 裕貴(M1) ↓
相馬崇史(体育3) ↓
生亀幸輝(体育2) ↓
大熊建(体育1) ↓
以下対談スタートです↓
まずは人生で一番うれしかったことは?
生亀 中学校三年生の時にバスケをやってたんですけど、陸上の大会に出て、400mで全国大会を狙えそうな記録が出たんですよ。それで1か月ぐらい位本気で練習したら、県中総体で標準記録を切って、全国大会に出場できたのが一番うれしかったですね。これがきっかけで陸上を高校から本格的に始めました。
大熊は何かあった?陸上以外でもいいんだけど
大熊 陸上以外で嬉しかったことはないですね。(笑)陸上ではやっぱり自己ベストを更新したり、記録が出た時は嬉しかったです。
相馬 やっぱり箱根駅伝にチームで出場できたこと。去年は個人でしか出ることができなかったけど、チームで出られたのは嬉しさが全然違ったかなあ。
犬井 今のところ暫定一位としては、高校三年の時にインターハイで総合二連覇したこと。その時は自分もちゃんと活躍して、点入れて総合優勝したっていうのがうれしかった。二年生の時も総合優勝したけど、あんまり活躍することもなく一点だけしか入れられなかったから。
猿渡 俺は夏に姉が結婚したのがうれしかったかな。始まる前から泣いてしまって。カメラ係で姉の写真とか撮ってたんだけど、動画とか自分の泣きじゃくってる声がえげつなくて。(笑)四人兄弟で一番仲良くしてたからこそ相当嬉しかったんやな。
―では逆に、人生で後悔してること、つらかったことなど、負の経験はありますか?
相馬 一年の時に関東学生連合のメンバーとして箱根に出れるってところまで来て、直前でケガしたのはすごいつらかったかな。しかも決まってたけど(出走できないことが)、チーム事情的に周りには言えなくて。頑張ってね、とも言われたけど、走れないしなあ、っていう。何も言えなかったっていうのが本当に申し訳なかった。
小林 今その経験は活きてますか?
相馬 その時はつらかったけど、その経験があったから大抵の大きい大会では変にプレッシャーは感じなくなった。それにその時は一人だったけど、今はみんなで頑張ろうっていう、周りの支えを感じてる。純粋にチームスポーツを楽しめてるかな。長距離のメンバーだけじゃなく他の競技部の人や近所の人たちが声をかけてくれて。一人での戦いを経験したからこそ、その嬉しさや支えのありがたさを感じられているかな。
小林 亀は高校の時に怪我してそこから苦しい思いを経験してきたイメージがあるんだけどどう?
生亀 高二の時に怪我して、モチベーションも落ちて練習さぼりまくりでしたね。怪我後高校で出た試合は最後のU20日本選手権だけです。
でも、今は走れているし、その時はできるなりに頑張ってたので後悔しているわけではないです。
狩野 どうやってそこまで戻したの?心も体も。
生亀 高三の夏に筑波大の練習見学に来たんですよ、そこで入学するために頑張ろうとなりました。その成果があって、U20日本選手権で49秒を出すことができた。その後も、着々と練習を積めていると思う。
大熊 高三の絶好調の時に息抜きで出た大会で足首を怪我してしまったことですね。やろうってなったときに怪我をしてしまうことが結構多くて、今は怪我も治ったと思うんですけど、やり始めるっていうのが自分の中でなかなか整理がつかなくて。今からやってもチームメイトや他大のライバルに追いつけないんじゃないか、ベストも出せないんじゃないかっていうのもあって、競技に熱を入れることができずにいます。
狩野 すごく他人を意識して、勝ちにこだわっていることを感じる。私はそれもそうだけど自分の記録更新も目標としてるからそんなに他人を意識しすぎなくてもいいんじゃないかな
犬井 俺も大熊と同じで記録を伸ばすよりこの勝負の世界は勝たないと意味がないと思ってやっているかな。
俺が主将やってた時は、関東インカレの女子の二十四連覇が途絶えてしまって、男女合わせて総合優勝が無しっていう異例の年で。勝たないと意味ないって思ってやってきたのにそうなっちゃって。
そんな時に陸上部のある先生から、「ずっといい調子が続くチームっていうのは一個もないから、そういう時があって当たり前だ」「負けることでさらに勝ちへの意識を強くすることができるから、このあとはいい時代が続くんじゃないか」というふうに言ってもらって。
次の年では女子は関カレも全カレも優勝して、男子も結構良くなった。俺は負けにあまり意味はないと思ってるけど、人っていうのは誰しも勝ち続ける中で負けることもあるから、負けた時にどうするかっていうのには意味があると思う。
猿渡 俺はあの高校に入学したことが一番の後悔かな。真面目にスポーツやってへん奴とは絡むなみたいな雰囲気で、高校入った瞬間にそういうもんや、って思ってしまってたから。すごく狭まってしまって。ある意味そこから学んだことはあるけど。高校時代は日常生活から全部縛られてたから、筑波大に来てからは、スポーツやってない人たちと絡むの楽しいなあ、こんなにのびのびできるんや、って。
笹野 その環境から筑波大に来ると自由すぎるとか、ギャップを感じませんか?
猿渡 自由っていう認識はよくないんかなって。自律して行動できる。自由やから何してもいいじゃなくて、自分を律しないと駄目なのかなって。そういう認識で活動すれば良いなというふうには思ってる。だから自分的にはやりやすいな。
―今後こうなりたいとか、周りに伝えたいこととか、ありますか?
生亀 きついときでも楽しそうにしてられる人になりたい。怪我したときにモチベーションも保てなかったし、続ける意味も分からなかったんですけど、やっぱり続けてると楽しい面も見えてきて。楽しいからやろう、っていう気持ちで陸上に取り組めるかなって思います。きついことでも楽しめたらな、って思います。
大熊 筑波大に来て、陸上を好きでやってる人が多いなと思って。僕は言われてやっていたので、陸上を好きでやりたいなって思います。やっぱり夢中で努力を感じないでやってたほうが生活が楽しくなるし、スランプがあったとしてもどうしたら良いか真剣に考えられると思うので。陸上を好きになりたいですね。
犬井 無理すんなよ。好きにならなあかんって思ってやってたらまた苦しいだろうし。強制じゃないんやから。まあやったるかー、くらいでいったら良いし、その中でやっぱ頑張ろうと思えるものが見つかるならそれで良いし。
猿渡 色んなものさし持たなあかんな、って。高校時代は競技力、っていうものさししかなかった。その一つのベクトルでしか物事を見れへんから、いろんなものさしを持ったら競技力低くてもほかの分野で頑張ってるから、素晴らしいなって思える。
特に陸上って絶対値で出てくるやんか。競技になるとそこしか見えへんわけで。その人のことを知らんかったら競技力だけでその人を判断する。特に一般人がスポーツ見てるとそういうの起こりがちやから。それってすごいまずいなっていうか、怖いことやなって自分は思ってる。「競技力ある=人間として素晴らしい」じゃないし。いろんなものさし持ってれば、競技力以外も伸ばして、自分の価値高めるっていうことに繋がると思う。
自分が怪我をして、やり投げ出来んくなって、「やり投げれへんしどうしたらいいんやろう」っていうことになったから、他のものさしがあったら違うところでも頑張ろうと思えたと思う。これは陸上だけじゃなくて、いろんなものさしを持たなあかんな、っていうのを最近はすごい思うかな。
犬井 強いて言うなら、猫になりたいな。(笑)
あかんときにちゃんとした行動をとれるというか。いい時っていうのは、大体何しててもいい方向に行くし、うまいこと事は運ぶんやけど、追い込まれたときの行動こそほんまに大事やと思う。追い込まれたときの行動ってその後に響くっていうか、そっから良くなることもあると思うし、悪くなることもあると思うんやけど、悪いときにちゃんとした行動をせえへんと、悪いまま、もしくはもっと悪くなってしまうから。
猫の話に戻すと、猫って犬とかより車に轢かれることが多いらしいんやけど、あれって、猫は車が来てるってなった時に一回止まっちゃうんやって。止まったり、引き返そうとしたりするらしくて。犬はバッと行っちゃうんよ。だから猫は車に轢かれやすいって話を聞いたことがあんねんけど、追い込まれたときに後戻りしたり、後悔してる暇があったら前進んだほうがいいから。あかんかった部分に何をしたら良くなんねや、って考えて次進んだ方が賢い判断で。へこたれる暇があったら次のことを考えて生きていけるような人になりたい。なので猫になりたいって言ったけど犬でありたいです。(笑)
お跡がよろしいようで。
以上になります。
最後にプロジェクトメンバーが彼らに抱いていたイメージと今回の対談を行ってわかった新たな印象を掲載します。
(左から笹野、狩野、小林)
狩野→大熊
あまり自分の考えとか話さなそうて思ってたけどしっかり話してくれた
狩野→犬井
少し恐れ多かったけど聞くところは頷きながら聞いてくれるし述べるところは述べてくれて雰囲気作りをしてくれた
小林→相馬
物静かで競技に対しても人としても強いイメージがあったが不安も抱くことがあると知った。その強さの秘密を知ることができた。
笹野→生亀
明るく前向きなイメージがあった。
挫折を乗り越えてきた経緯を聞けてそのイメージがより強くなった。
笹野→猿渡
院生で指導もされているということで緊張したが、陸上だけでなく人生においても大事な事をたくさん聞けて良い機会になった。
最後までご覧いただきありがとうございました!