【十人桐色】#08 『桐萠塾』大土手嵩

『桐萠塾』

こんにちは。筑波大学体育専門学群3年の大土手嵩(おおどてしゅう)です。陸上競技部では中長距離ブロック・長距離パートに所属し、長距離パート長と駅伝主将をさせていただいております。今回は、LINEグループで、「部員コラムを書きたい人いますか?」という話があったので、「是非とも書きたい!」と伝え、書かせていただくことになりました。大変ありがたく思っております。拙い文章ですが、暇なときにでも読んでいただければと思います。

さて、いきなりですが、タイトルにもある『桐萠塾』とは皆さん何のことかわかるでしょうか?「知らないし、まずなんて読むのかも分からない」という人も多いのではないでしょうか。当の私も初めて見たときは読めませんでした。

では、答え合わせです。『桐萠塾』は『とうほうじゅく』と読み、長距離パートの寮であり、食堂なのです。長距離パート以外の人にとっては馴染みのないものだと思いますので、今回はこの『桐萠塾』について書きたいと思います。私たちは基本的に略して『塾』と呼んでいるので、以後『塾』と書きます。

《 塾のシンボル的な看板 》

『塾』の構造について説明すると、二階建て、各4部屋ずつ、1部屋の中に6畳の空間が2つと共同スペース、ユニットバスがあり、1部屋に2人で生活しています。アパートを丸々一つ長距離パートで借り上げているといったイメージです。一階の1.5部屋を食堂兼荷物置き場として使っており、実質住める部屋は13人分なので、現在は13人が『塾』に住んでいます(内訳:4年生2人、3年生4人、2年生 3 人、1年生4人)。


まずは寮としての『塾』ですが、現在長距離パートが 34 人(1~3 年生)なので、3分の2の人は『塾』に住んでいません。この時点で「それって寮なの?」と感じたかもしれませんが、私の認識では、『塾』=「一軍寮」なのです。私が入学する前は少し違っていたそうなのですが、今は卒業された4年生の分の空き部屋に推薦で入学した1年生に入ってもらうという形をとっています。『塾』に住んでおらず、チームの主力として活躍している選手も多いので、完全な「一軍寮」というわけでは決してないのですが、私も『塾』に住んでいる一人として、そのプライドは忘れないようにしないといけないなとは常々感じています。

『塾』に住むメリットは、①大家さんのご厚意で家賃がとても安い(金額を知りたい方は私のところまで)、②食堂が近い(詳しくは後述)の大きく2点だと思っています。デメリットは特に思い浮かびません。2人部屋が嫌だという人もいますが、高校時代も寮生活で2人、3人部屋が当たり前だった私にとっては何の苦痛でもなく、むしろ2人部屋とは言いつつも各空間は完全に壁で仕切られていてプライベートは保証されているので、入寮するときは「めっちゃいいじゃん」とさえ思っていました。

『塾』に住んでいない人はどうしているのかというと、『塾』周辺にアパートを借りています。なぜ『塾』周辺にアパートを借りるのかは食堂としての『塾』に大きく関わってきます。長距離パートでは火曜~土曜の朝食・夕食、日曜の朝食を『塾』の食堂で食べています。 図は基本的な各食事時間です。

《 塾での食事風景 》

長距離パートは朝練が7時20分ごろに終わり、『塾』周辺から大学までは自転車で20分程度かかるので、図を見て分かる通り、朝食はかなりバタバタします。また、雨が降ったりすると食事をとるために食堂に行くだけで、結構濡れます(雨の時は本当に『塾』に住んでいてよかったなと思います)。『塾』から遠いところに住んでいる人ほど大変なイメージです。こういった理由で、長距離パートの人は『塾』周辺にアパートを借ります。

食堂では、食事のほかにミーティングも行っています。月二回の定期ミーティングだけではなく、その都度、学年ミーティングやスタッフ陣を交えたミーティングも行います。食堂が長距離パート内のコミュニケーションを深める場となっているのです。

 

『塾』の場所について説明していませんでしたが、千現2丁目にあります。競技部でも天久保や春日に住んでいる人が大多数なので、

A君:「『塾』ってどこにあるの?」

私:「千現だよ」

A君:「千現ってどこ?」

私:「洞峰公園の近くかな」

A君:「え、めっちゃ遠くない?」

私:「そうなんだよね~」

という会話をこれまで数えきれないくらいしてきました(笑)。千現には皆さんあまり来ないと思うので、来てみてはどうでしょう?おすすめは、「ラージャ」というカレー屋さんです。授業がない日の昼食や日曜の夜によく行きます。サービスでマンゴーラッシーもらえたりします。大好きです。

最後に話がそれてしまいましたが(笑)、『塾』について皆さん少しは知っていただけたでしょうか?『塾』の存在が長距離パートの基礎となっているといっても過言ではありません。みんなで楽しく食事をとって、配膳して、朝食を作って、ミーティングもしてという生活の中で得るものはとても多いです。競技部の他パートとも他大学の駅伝チームとも違うかなり異質な集団生活は、何十年も前の先輩方からその時代の最善の環境を目指して脈々と受け継がれてきたものです。これからもその伝統を引き継ぎながら、アップデートしていくことが私たちの使命だと思っています。

 

《 塾の前で撮った長距離パート3年生の写真 》

ということで、ここまで読んでいただきありがとうございました。ここから少しでも競技部や長距離パートに興味を持っていただければなと思います。

おまけで、長距離パート長兼駅伝主将として一言。昨年度は、26 年ぶりに箱根駅伝に出場することができ、長距離パートとして競技部に貢献できたのではないかと思います。ただ、競技部の最大目標は両インカレアベック優勝なので、そこに貢献できてこそだと思っています。今年度は昨年度以上に、「長距離パートここにあり!」という結果を残していけるように精進していきます。一緒に頑張っていきましょう!

 


〇今日のコラム〇

大土手嵩(おおどてしゅう)

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体育専門学群 3年

熊本県出身

宮崎県立小林高等学校

中長距離ブロック ・長距離パート

5000m~

トレーナー委員会