十人桐色、第4弾は『浪人経験者対談』の様子をお届けします!!
部員それぞれの考えにふれることの出来る内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください!
◇今回のピックアップ選手◇
安田駿(体育3)
矢ヶ部晃大(人文3)
木塚宙敬(体育2)
吉川右門(体育2)
小丸未来(体育1)
選手の詳しいプロフィールは対談記事とともに掲載。
以下、本編スタートです。
安田駿(やすだしゅん)
体育専門学群3年/短距離障害/愛知・岡崎北高校
薄田)安田が陸上競技を始めたきっかけは?
安田)走るのが好きで小学生3年生の時に始めたんだけど脚が速かったってのが一番大きい理由かな。小学校6年生の時はリレーで全国大会に出て、全国大会で8番だった。今のところそれが一番輝かしい成績(笑)。実はその大会に矢ヶ部も出ていて運命を感じてる。
薄田)今の種目を専門にした理由は?
安田)他の競技をやってみたい気持ちもあったけど他の種目には踏み出せなかったからかな。あとは他の種目をやる環境がなかったのもあるかも。環境のせいみたいになっちゃうけど…。自分自身もやる気なかったし。長距離はしんどい、跳躍は楽しそうだけどなんとなく合わない気がした。
薄田)大学4年間の目標は?
安田)愛知県選手権の標準と関東インカレの標準を切りたいという気持ちがある。現状からすると厳しいものがあるけど目指すだけ目指したい。記録だけがすべてではないから自分が納得の行く形で陸上競技を終わりたい。
薄田)尊敬している先輩、期待している後輩はいる?
安田)先輩なら柴崎さん(柴崎琢哉・OB/M2)。自分が1年生の時の4年生の先輩で、研究室も同じ。研究内容も引き継ぐんだよね。ハイスペックだから100mのベストくらいは勝てるように頑張りたいな。
後輩は藤内(藤内雄大・体育2)。陸上部の後輩かつ最近になって研究室の後輩になった。バイト先の後輩にも。だから陸上だけでなく、研究、バイトすべてにおいて期待してるよ。
薄田)今、陸上以外で頑張っていることは?
安田)研究かな。(同じ研究室に)陸上部の先輩がいるんだけど、とっても偉大な先輩で。その方々に追いつくための練習をしながら、ラットを使って研究をしてる。新しいことが分かっていくようになるのが楽しいね。
あとは遊び。遊びも含めて何でも全力でやることが大事だと思う。
薄田)将来の夢は?
安田)研究を始めたのもそうなんだけど日常生活や陸上競技のトレーニングでもエビデンスを知ることができると凄く面白いと感じる。それを人にも教えたいと思ってる。
具体的にそういうことを突き詰めたいと考えたら研究職かなって。その中でも、自分の日常生活と密接に関係している食品メーカーで研究をやりたい。自分の提供するものに根拠を持てるように仕事をしていきたいかな。
矢ヶ部晃大(やかべあきひろ)
人文・文化学群3年/投擲・やり投/山口・下関西高校
薄田)陸上競技を始めたきっかけは何?
矢ヶ部)小学校4年生の時に父親が教えていた陸上クラブに行っていたのが始まりかな。最初は100mと走り幅跳びをやっていて、走り幅跳びで全国出場を目指していたんだけど、出場が叶わなかった。でもたまたま出場していたソフトボール投げで全国大会に出場できたのが嬉しかった。
薄田)なんで今の種目をやっているの?
矢ヶ部)中学生の時に軟式野球をやっていて、軟式野球は中学3年生で辞めたんだよね。高校に入学したときに投げるという経験を活かせるやり投げを知って高校から始めたんだ。やり投げの、まっすぐにすーっと飛んでいくところや迫力があるところに魅力を感じてる。
薄田)大学での目標は?
矢ヶ部)大学4年間での目標は高校2年生の時に出した自己ベストを更新すること。自己ベストを出して、お世話になった高校の頃の顧問の先生に恩返しをしたいんだ。というのも高校三年生の時の総体で先生とインターハイに行きたかったんだけど、自己ベストまであと1cmの記録でインターハイに行けなくて。そのときにこの記録に運命のようなものを感じて、その記録を超えられるように努力していきたいと思ってる。
薄田)尊敬している先輩、期待している後輩は?
尊敬しているのは猿渡先輩(猿渡裕貴・M2)。本質を見抜く力が凄い。ウエイトトレーニングなんかをしているときに、その種目の本質を見抜いてトレーニングをしていたり、自分にも教えてくれるんだ。
期待している1年生は高橋(高橋秀徳・体育1)。気持ちの強さが凄い。自分には持っていないものなので後輩ながら尊敬している。高橋、俺が褒めたからって調子に乗らないように(笑)
2年生は兵藤(兵藤秋穂・体育2)。競技の面もそうだけど、陸上競技部全体を良くしようと考えていて、そのために行動できるのが凄い。恵まれた環境に甘えていないのがリスペクトできる。
薄田)陸上競技以外で頑張っていることは?
矢ヶ部)今は就活。就活をやっていても陸上競技を真剣に取り組んだことがとても生きていると感じる。陸上でも何でも目の前の事を全力で取り組んで来たことがすごく良かったと思っている。だから後輩のみんなには今やっていることを全力でやって欲しい。
1,2年生の時だと栄養学とか運動学を学んで自分の競技に落とし込んでいった。戦略立てて、陸上競技に取り組めるようになっていくのが楽しかった。そう思うと俺って大学生活のほとんどをやり投げのために費やしてる。(笑)
薄田)将来の夢は?
矢ヶ部)俺は自分の知らないことを知れた時にすごく達成感を感じるから、多様な人がいる中でたくさんの人とコミュニケーションをとりながら自分を成長させられるような環境がある仕事をしたいと思っている。
今は外資系の企業と商社に興味を持っているかな。
木塚宙敬(きづかひろたか)
体育専門学群2年/中距離/茨城・竹園高校
松尾)まずは陸上競技を始めたきっかけについて教えて!
木塚)小学校の時はサッカーしてたんだけど、集団競技が嫌に感じて。正直運動能力も高いほうじゃなかったし、消去法で選んでいってかな。その時は走るくらいって感じで陸上競技をなめてたし(笑)
松尾)尊敬している先輩、期待している後輩はいる?
木塚)大橋凱さん(体育4)と宮下哲(体育4)さん!もちろんいい影響もあったし、この二人を見て自分はこうしようと思ったこともある。いっぱい食事にもつれて行ってもらって、いろんな話もしてくれて。俺はこう思ってるんだってストレートに言ってもらった。でもね、お前はこうしろとは絶対に言われなかった。絶対におれの人生に関わってくることはなかった。
松尾)自分が思っていることを言って、それを聞いて木塚がどう思うかってことだよね。
木塚)そう。その時におれはこう思うって答えられなかったから、「ああ、まだ勉強不足だな」って思って。もっと色んなことを知らないといけないし、陸上部のことについても考えないといけないって考え直すきっかけになったから。
あと、大蘆さん(大蘆友介・体育4)ともよく話をして、この3人はおれの中で陸上部に入ってよかったなって思える存在だったね。まあ、あの3人は(この記事を)読まないと思うけど(笑)でも、読んでくれたらすごい嬉しいし、あの人たちに会えてよかったなって思ってる。
期待している後輩は、全員かな。別に競技面だけで活躍しようとしなくてもいいと思うし。もし行き詰るようなことが起こった時は、一緒にその壁を登ってあげるよみたいな感じかな。
松尾)陸上競技以外で頑張っていることはある?
木塚)研究室の勉強かな。体育とか部活とかを見直したくて体育科教育学研究室に入ったんだ。2020年が終わったら体育界はすごい厳しくなってくるだろうし、そこで生き残るための武器を作ろうと思って、今その活動を頑張ってる。
大学の教授になって体育の授業はこうしたほうがいいって教えるってなった時のためにも、今のうちに現場を経験しておこうと思って。自分が必要だって思うことはお金と時間を惜しまずにやりたいって思ってる。競技部で培った経験とかも「おれはこうやったよ、お前ならどうする?」って言うこともできるだろうし、動ける今のうちに競技のほうも頑張ろうと思ってる。
吉川右門(よしかわうもん)
体育専門学群2年/中距離/神奈川・逗子開成高校
松尾)陸上競技を始めたきっかけは?
吉川)小学校の時はサッカーをしてたんだけど、入った中学校のサッカー部が弱くて。5月くらいまでどこにも入ってなかったんだけど、体育祭のリレーで1走を走ったんだよね。で、その時の走りを陸上部の顧問の先生が見てて声かけてもらって、、、
松尾)じゃあ、スカウト!?
吉川)まあ、そんな感じかな?あとはお兄ちゃんが陸上してたのも後押しになって。
松尾)尊敬している先輩はいる?
吉川)才記壮人さん(OB・2019卒)かな。いろんな選択を自分で決めて、その通りに成し遂げて。大学院2年の時に全カレで2番に入ったんだけど、将来のことについてもどんどん時間が無くなっていく中で、学業もちゃんとやって自分の将来の道筋を作っておきながら、陸上のほうでも練習してしっかり結果を出してる姿はすごいなって思った。競技者としてすごく尊敬する。
松尾)期待している後輩は?
吉川)小丸未来(体育1)だね。いやあ、いい子なんだよね。芯があるし、競技とかの面で期待しているってのとはまた別で、自分の好きなことや嫌いに思っていることをしっかり言える。受け身だけじゃなくて良くも悪くも自分の意見を出してくれる。自分があまり先輩感を出せないから、親しみやすいってのもあるし。
松尾)陸上以外で頑張っていること、将来の夢について教えて!
吉川)抽象的な夢はあって、具体的に自分が何をすればいいのかってのをめちゃくちゃ模索してるかな。その幅を広げるためにいろんなことに挑戦している途中だね。いろんな人のいろんな行動は見たりしてる。選択肢が広がった瞬間ってのがすごい幸せに感じれて、具体的に言ったら貧困地域の人とか、戦争している地域の人とか定められた運命に従っている子たちの視野を広げてあげたいなって思う。留学もしたりしていろんな人と出会って視野を広げたりは絶対にしたいなって思うから、今その準備をしてる感じだね。
小丸未来(こまるみらい)
体育専門学群1年/中距離/兵庫・淡路三原高校
小松)陸上を始めたきっかけは?
小丸)え、ダイエット(笑)。(陸上競技を)始めたのは中学。小学校四年生までサッカーをしてて、辞めてめっちゃ太ってぽっちゃりになっちゃって。痩せようと思って駅伝をして、そこまで速くなかったけどダイエットの為やったらいけるかなって(笑)。それで中学校入って長距離やって、楽しくなってきたって感じかな。
小松)なぜ今の種目(1500m)をやっているの?
小丸)高校の時に1500mと5000mをしてて、どっちもレベル的には変わらんかったけど1500mの方が好きやったし、長い距離走るの嫌いやから。5000mだったら15分走らなあかんやん。しかも練習も長いんよ。だから、ロードとか駅伝に入る手もあったし箱根目指したりとかそっちを選ぶ選択肢もあったけど、トラックが好きやったからトラックを専門にしたいと思って。
小松)1500mの魅力ってどんなところ?
小丸)レース展開があって、レース中に考えるとこ。レース前からも考えるけど、走りながらも考えて、臨機応変に(レースプランを)変えたりとか。試合によってはペースがスローやったり、速かったりするから、スローやったら自分が飛び出して仕掛けるのもありだし、相手に合わせてラスト勝つ自信あったらラストまで待つ、みたいな。抜けるとこまで行って最後の直線とかで抜くとか考えられるからその辺楽しいよ!
小松)尊敬している先輩はいる?
小丸)三津家さん(三津家貴也・M2)かな。ストイックやし、強度とか量とかをめっちゃ考えて調整して自分で練習組んでて。めちゃめちゃ考えてやってるなって。
小松)今、陸上以外で頑張っていることはある?
小丸)(将来は)ボートレーサー、競艇選手なりたいんよ。それの試験の為の対策はしてる。
小松)なんで目指すようになったの?
小丸)親の影響かな。親が好きで小さい時から競艇に連れていかれることが多くて。年収も良いし、プロスポーツ選手になりたい思いがあったから。(プロとして)生計たてられるし、試験受かって1年学校入ったらもうプロになれるんよ。だから目指すようになったかな。友達が(競艇の)学校に受かって。その子に刺激されたのもある。陸上をやってるのは、ボートレーサーになるために体力をつけたいっていう理由もあるんだよね。
正直、元々大学に進学することは考えてなくて。競艇の学校目指してたけど、急に高3の9月位から大学行きたいなって思ったんよね。
小松)なんでまた急に?
小丸)競艇の学校は30歳まで入学できるんよ。だから、やりたいことやってからでもいいかなって。陸上をやりたいっていう気持ちもあったし、体育の勉強もしたかったから大学に入ろうって決めたかな。競艇しながら大学は絶対無理やから勉強するなら今のうちやなって。
最後に今回のピックアップ選手5人での対談の様子をお届けします。
―浪人してまで筑波大に入ろうと思った理由は?
小丸)体育の1番上を目指したかったんです。中途半端したくなかった。現役で受験した時は合格まで9点足りなくて、浪人したら合格できる自信がありました
吉川)現役の時は箱根駅伝を走りたくて、早稲田大を目指していました。でもいろいろ考えて、国立で本腰を入れてる筑波大に魅力を感じて。神奈川県総体の1500mで争った健太郎さんが筑波大で活躍した姿を見て、一緒にやっていきたいと思いました。
矢ヶ部)大学を選ぶにあたって先輩の影響って大きいと思ってて。俺も井口さん(矢ヶ部の高校の先輩・筑波大OB)をカッコいいと思って筑波大を知った。
吉川)そうですね。健太郎さんは元同期でめちゃめちゃ競り合ってて、そのレースを見ると今でも面白いです。
木塚)父が筑波大の教授なので、筑波大しかないと思っていました。教員を目指していたので教育大という選択もよぎりましたが、体育学を学びたかったので体育学日本一の筑波大を目指すことにしたんです。
矢ヶ部)最後の中国総体まで筑波大に来る気は全然なかったけどその試合で自己ベストまであと1センチっていう運命を感じる記録になったのと、高校の先生をインターハイに連れて行けなかったから大学でも陸上を本気でやろうと思ったのが理由かな。社会と英語の先生になろうと思って筑波大に来た。今は目指してないけど(笑)
吉川)先生を目指すのを辞めた理由はなんだったんですか?
矢ヶ部)教えるのが好きだけど、教員になったら自分が影響を与えられる人数が少ないことに納得がいかなくて。もっとたくさんの人に影響を与えられるようになりたかったんだよね。直接的な影響より、間接的な関わりの中で影響を与えることに興味持ってて。
安田)体育の教員を目指してて、筑波大か教育大を考えてた。でも教育大は教員になる人が多いイメージがあるから、多様な価値観を持っている人が多いイメージのある筑波大にした。筑波大の方が厚みがあって面白い人間になれると思ったんだよね。
―実際に筑波大に来て良かった?
小丸)部活で言うとレベルが高い環境で、自分がやりたかった科学的なアプローチができているのは良かったです!でも学業面で言うとまだ基礎的なことしかやってないのもあって、本当にやりたかったことはできていません。
木塚)筑波大に入ってみて、正直イメージと現状は少し違ってて。今はその状況を変えたいというモチベーションができた。そのモチベーションのおかげで主体的に動けるようになったのは良かったかな。
吉川)競技部では今までやって来た環境とは違って、自分が考える時間が増えました。陸上に関しては来て良かったと思っています。どのブロックを見ても自分より強い選手ばっかりで良い環境だなぁと。勉学に関しては体育に関する職業に就こうとは思っていなくて。でも今はおぼろげだけど留学して、資格取得を目指して頑張っていきたいと思っています。
矢ヶ部)てことは英語の勉強をしないとだよね?
吉川)そうですね。今はその準備をしています。僕は選択肢が広がる瞬間が幸せだと思っているけれど、選択肢が少ない人達がいるのも現実だからそういう人たちを救いたいと考えています。
木塚)選択肢の話は筑波大に入ったからこそできたこともいっぱいあって、その状況を作り出せたことは幸せだなって思います。
矢ヶ部)陸上の面から言うとすごく良かったね。ハイレベルな人の考え方を肌で感じられたり、神みたいなイメージがあった選手も(一緒にいると)普通の大学生でおもしろかった。引き出しの数が多くて学ぶことが多いし、いろいろ吸収できる。学業についても、勉強をする本質は「興味を持ったことに全力で集中してそこに注力すること」だと思ってるから、自分の学部の勉強だけでなく体育の授業も積極的に取ってる。体育の勉強って楽しいんだよね(笑)
安田)筑波大に来てすごく成長できていると思う。浪人を経験したからこそ来れて良かった思うし、浪人時代の苦しい経験が筑波大での学びにもつながっているかな。
【一旦対談終了】
松尾・小松)シンプルにすごい。
松尾)(僕は)競技をメインでやってるけどいろんな考え方を持っている人の話が聞けて良かったです!
矢ヶ部)競技力がある人が浪人経験者のような考え方をできたら最強だよ!
木塚)僕は競技を全力でできている人が羨ましい。自分なりに全力で頑張っている人をサポートしたいと思っています。
吉川)僕は今の競技力に限界を感じてないから、もっと上を目指したいかな〜
薄田)最後に浪人をしながら筑波大を目指している人に一言お願いします!
木塚)二度とやりたくないけど後悔はしてないです。自分の中で気付きがいっぱいあったので。
吉川)現役生に劣等感を持つ必要は全くない。現役生が経験できてないことをできているわけだから前向きに考えて欲しい。あとは親への感謝をより感じると思うな。
矢ヶ部)親へのありがたみが分かるよな。
小丸)後悔しないような選択をして欲しいですね。
薄田)今日で浪人生に対するイメージがかなり変わった。
木塚)あと、浪人中は彼女がいたので辛くなかったですね(笑)
吉川)それはある!
木塚・吉川)浪人中は彼女を作れ!!
対談記事は以上になります。
今回の対談は以下のメンバー(D班)が担当させていただきました。
左から、
薄田健太郎(体育3)
【個人ページはこちらから】
小松真琴(体育1)
【個人ページはこちらから】
松尾脩平(体育2)
【個人ページはこちらから】
次回以降の記事にもぜひご期待ください!!