皆さんこんにちは。筑波大学4年、専門種目砲丸投の羽生田智です。これまで広報委員として何度かブログを書かせていただきましたが、今回このような機会を頂き、大変ありがたく、光栄に思います。自分の拙い文章で皆様に何をお伝えできるか分かりませんが、最後までお付き合いくださると幸いです。
まず自分の競技力についてです。今でこそ自己ベストは16m61で日本選手権に出場できるレベルですが、大学入学当初は推薦入学の同期や先輩たちの強さに圧倒され、関東インカレに出場することもままなりませんでした。しかし、筑波大学という環境と、回転投法の可能性(高校まではグライドで、腰を痛めたりしていました)を信じて頑張り続け、突発的なものから慢性的なものまでたくさんの怪我を越え、たくさんの技術的・体力的課題を克服し、なんとかここまで来ることができました。
ですが、自分は卒業後地元の消防に就職が決まっており、持久力が必要な消防職と砲丸投との両立は困難であるため、残念ながら引退を決めました。
ここからが本題なのですが、引退したはずの自分は何故か今現在(2021年2月)も競技場にて練習を積んでいます。笑
それどころか、ウエイトトレーニングやジャンプなど、自己ベストをグングン更新しています。引退とは???と、みなさんのツッコミが聞こえて来るようですが、同期の皆が引退した後にも自分が競技を続けている理由は3つあります。
一つ目
シーズンオフ時に16m11とかなり記録が戻り、あと少しで自己ベストが出せそうだから。実際に新しい気づきも多くあり、冬にも関わらず最近は好調。
二つ目
後輩に発破をかけるため。
今の筑波には才能を燻らせている後輩が多いと思います。しかも、最近飛ばないからなどのメンタル面が原因で。口惜しい。これは弱者の言い訳かもしれませんが、陸上競技では他人はあまり関係ないため、自分が自分のペースで成長を感じながら楽しく練習ができれば、ベストなんて出せなくてもいいと自分は思っています。
来年度以降、競技を継続せず、例え今記録を出しても全く無意味な自分が競技場にいる姿、一般入学で高くない競技力から始まり、ハムや臀筋の肉離れ、前腕の腱鞘炎、捻挫等々の怪我、さらにはコロナも越えて練習を積み重ね、今もパフォーマンスを上げている自分の姿を見て、少しでも気楽に・楽しく競技に打ち込んでくれればと思っています。(中にはこの自分の好調さが逆にプレッシャーになってしまっている後輩もいるようなので、この場で自分の想いを話しました。)
三つ目
コロナで逃げた自分が許せないから。
自分は身体が元から大きく・強いというわけではなく、正直なところ記録の伸びの楽しさより、身体的・精神的なしんどさが勝っていました。いつかのブログでも語りましたが、それでも今まで馬鹿みたいにつらい練習を毎日のようにできたのは、同期や、競技部の皆と一緒に、競技場で、トレーニング場で、切磋琢磨し合ってきたからでした。もちろんある程度は、砲丸は自分に向いているし楽しいと思います。それでも、それだけならとうに陸上をやめていました。個人競技であるからこそ、周囲のライバル・仲間の存在が、自分にとってはとても大きかったのです。
そんな、みんなで頑張る「部活」という環境がコロナで無くなった時、自分は宙ぶらりんになってしまいました。自粛への同調圧力が強く、練習をしようと自分から周りに働きかける気力すらなくなってしまいました。
しかし、これは言い訳です。自分はコロナを言い訳に砲丸投から逃げました。自分が砲丸投を大好きなら何としてでも練習をする努力をしていたはずです。それをしなかったのは自分が好きなのは砲丸投より部活だからなのだと気づきました。今の競技力でも頑張れば実業団の道もありましたが、このことに気づいたためその道は諦めました。
ただ、やはり試合に出て負けると悔しい。笑
インカレに通年出場する他の大学はコロナ禍でも活動できていたり、再開が早かったりしたと風の噂で聞いていたこともあり、今シーズンは本当に悔しかったです。だから今は、自分ならもっとできたはずなのだとライバルたちに証明するため、なによりも自分自身に証明するために、頑張っています。自分が今頑張ることで、競技部に何か恩返しができればと、そう思っています。
追記:おかげさまで、2月14日(2021)に筑波大学で行われた投擲競技会におきまして16m79を記録し、自己記録を少しだけ更新することができました。上述の通り、自分は競技を継続しないのでこの記録自体には何の価値も意味もありませんが、これからの投擲ブロックの後輩達が、競技部員の皆が、価値を生み出してくれると、そう確信しています。今後とも、我々筑波大学陸上競技部の活動を温かい目でお見守りください。
◇今日のコラム◇
羽生田 智(はにゅうだ さとし)
体育専門学群 4年
埼玉県出身
山村学園高校
投擲ブロック・砲丸投
広報委員会