皆さんこんにちは。跳躍混成ブロック2年の髙良彩花です。
暖かい日が増え、より一層春を感じられる季節となりましたが、皆さん花粉症は大丈夫でしょうか?
今回は、卒業・修了された進路先の異なる3名の方に取材をさせていただきました。
就職は山中翔平さん(短距離)、教職は若園茜さん(跳躍)、大学院進学は竹入聡一郎さん(跳躍)です。
それぞれの進路先らしい、学び多きお話をたくさんしていただきました!
是非、最後までご覧ください!
山中翔平(やまなかしょうへい)
所属:体育専門学群 4年
出身:静岡県・浜松市立高校
専門:100m、200m
進路:双日株式会社
山中さんにはQ&Aに加え、執筆もしていただきました。「挑戦なくして変化なし」という言葉をまさに体現された山中さんの言葉は、一つひとつが心に響きました。
髙良彩花×山中翔平
Q:双日株式会社さんを目指したきっかけを教えてください。
A:双日株式会社という総合商社に行きたいと思ったきっかけは、大学2年生の時に経験したタイへの約半年間の留学です。
体専では、陸上競技やスポーツをすることが当たり前の世界だった一方、人生初海外だった留学中は、今まで自分が感じていた当たり前の世界がむしろマイノリティーだったことに気付けました。そして「自分が陸上競技を続けていた理由」を深く考えたとき、私は、「自分の人生を豊かにするための1つの手段だ」という結論に行き着くことができたんです。
その中で、タイでボランティアをしていた際、現地のある部分ではライフラインが当たり前には使えない状況や彼らの心情を知り、現地の人にとっては、「ライフラインを使えること」が豊かさなのだと気づくことができました。「人生を豊かにすべく、何かの物事に取り組む」点が、形は違えど自分が陸上を続けてきた理由と重なりました。その時から、陸上では叶えることができなかった「日本代表」として、世界を舞台に、人々の生活を豊かにするビジネスを手掛けたいと思い、総合商社を目指しました。
Q:今までの競技経験が生きた場面や、競技から学んだことはありますか?
A:一番は準備力かな。就活で体育会系の人が強いと言われる理由の1つだとも考えています。
就活は1年間しましたが、面接は30分間なので、短い時間で自分を表現しなければならない。それって陸上に似ていると思います。
私は100mを専門としていたので、たった10秒という一瞬のために何十時間もの練習や多くの準備を重ねて、ピーキングをするということを小学生からやってきました。そのため、面接に向けても本番にこういう状況であれば、自分は自信が持てる、じゃあ今こう言ったことをしっかりと準備しようということが出来たからこそ行きたかったところに内定をもらえたと思っています。
Q:在学中にしておくべきことやアドバイスはありますか?
A:何かを全力で頑張る経験をすることかな。
全力で何かを頑張ることがいつどこでつながって、いつ自分の人生に影響を与えるかはわからないけど、わからないからこそ、今目の前にあることや、わくわくすることを全力ですることが、もっと自分の人生を楽しくする方法の一つだと思います。
Q:留学を決めた(挑戦した)当時と現在を比較して変わった部分や成長を感じた部分はありますか?
A:人と比べすぎるのをやめたことです。
他人と比較するときつかった陸上競技は、大学で一番になっても日本があって、日本で一番になっても世界があって、ウサイン・ボルト選手に勝つまでこの劣等感を抱え続けるのか、他人と比較し続けるのかって考えたときに、自分の内側から出てくるわくわくする気持ちや好きな気持ち、ドキドキ感など自分の心に目を向けて、自分の好きなことを自分らしくやろうと思えたことが留学を通しての変化だと思います。
2021年3月某日。陸上競技部副主将だった川村直也さんが、最後の日本ICで谷川先生から言われた言葉を、Twitterで綴っていました。
「お金が発生する訳ではないのに、ここまで真剣に打ち込める人が集まる素晴らしい環境は今後無い」と。
この言葉が自分の目に飛び込んできた時、私はひどく心を震わせたのを覚えています。もしかしたら、うすうすと、自分なりに感じつつあるからなのかもしれません。
「お金が発生する」とは、自分と相手がいて初めて成立することです。いわばその環境は、「誰かのために頑張らなきゃいけない環境」とも言えるかもしれません。しかし僕達は、「お金が発生しない」筑波大学陸上競技部で、「頑張らなくても誰にも迷惑をかけず、誰かのために頑張る必要もない環境」で、「自分のために」頑張ることを選び続け、その楽しさや喜びを享受してきました。
自分の中で「やる」と決めて、目標を定めて、頑張り続ける。
生半可な気持ちでは決して続けられないこの力は、とても素敵で尊く、自信を持つべきものだと私は思います。しかしながら、この陸上競技部にいると、周囲の競技レベルが高く、自分に自信が持てなくなってしまう時もあるかもしれません。
ただ、この貴重な大学生活の大半を費やして、あえて厳しい環境に飛び込み、自分のために頑張り続ける自分を、まずは素直に褒めてほしいと思うのです。それは、「自分のために頑張り続ける自分はすごい!」と、あえて自分に酔うことで、いつどんな状況に、どんな立場に置かれたとしても、自分を見失わず、自信を持ち続けて前を向くことができると、この筑波大学陸上競技部で私が学ばせてもらったからです。
末筆ながら、今回依頼をしてくれた十人桐色メンバーの方々、そしてここまで読んでくださった方々への感謝と、筑波大学陸上競技部のますますの活躍を期待し、締めの言葉とさせていただきます。
竹入聡一郎(たけいりそういちろう)
所属:理工学群応用理工学類 4年
出身:長野県・伊那北高校
専門種目:走幅跳
進路:筑波大学大学院
皆さん初めまして、中長距離ブロック1年の南田航希です。
僕は、跳躍混成ブロック4年の竹入聡一郎さんに大学院進学について取材をさせていただきました!
是非ご覧ください!
南田航希×竹入聡一郎
Q:筑波大学大学院を目指したきっかけを教えてください。
A:僕は体育専門学群ではなく、理工学群応用理工学類に所属しています。そこでは8割ぐらいの人が大学院に進学します。入学した時から大学院も含めて一連の教育だと言われていたので、大学院進学が当たり前のように頭にありました。
また、僕のところだと研究室に入るのが4年生からなので、1年だけでは満足に研究する時間もありませんし、4年生の春には進路についてある程度決めておかないといけません。研究というものを十分に理解できていなかったこともあり、せっかく理系に進んだので研究というものをしようと思い大学院に進学することを決めました。
Q:大学院に進学するにあたって今までの競技経験が活きた場面や、競技から学んだことはありますか?
A:そうですね、、、陸上とは全く違うことをやっているので難しい質問ですね(笑)
大学院進学より研究について考えてみると、研究では実験をしても思うような結果が出ないことが多く、思い通りにいくことは少ないです。このことが少し陸上に似ているなと感じていて、自分で試行錯誤しながら解決策を見つけたり、手法を考えたり、そういった考え方を陸上から学び、研究に活かせると思います。また、大学まで陸上をやっていると、結果が出なかったり、怪我をしてしまったりと思い通りにいかないことだらけだと思います。そういった失敗をすることに対しての経験値が積まれて、研究で少々失敗してもへこたれないかなと感じます。
日頃の練習とかも研究だと思います。こんな練習がいいんじゃないか、こんな動きしたらもっと記録が出るんじゃないかなど、そういった経験があったから研究してみたいという気持ちにもなりました。
Q:大学院を目指す選手にアドバイスはありますか?
A:日頃の陸上競技の練習は、試行錯誤の「研究」といってもいいものだと思うので、その陸上競技の「研究」が楽しいと感じるのであれば、研究者になるための場所だと言える大学院に進学することもいい選択だと思います。
大学院というものがあることを知ったのが高校入学したぐらいのときで、その時から何となく自分は理系だと感じて、理系の場合は盛んに大学院進学することも知りましたが、何をする場所かは正直あまりわからなかったです。そこから大学を目指す中で、大学院は研究をする場所だということを知りました。大学院そのものにあまり特別な意識を置く必要はなく、研究する場所だと理解し、研究したいことがあれば硬くならず気楽に大学院を視野に入れてもいいと思います。
南田あとがき
僕も大学に進学してから、トレッドミルを使っての最大酸素摂取量の測定をしていただいたときに、自分の体力が数字で表させることに面白さを感じ、研究って面白いなと感じました。また同じパートで同じ種目の先輩が大学院に進学することもあり、大学院に憧れと興味が湧き、今回のインタビューでさらに大学院への興味が湧きました。竹入さん、貴重なお話ありがとうございました。
竹入さんは大学院で半導体に関する研究をしながら、昨シーズン、コロナウイルスの影響で試合に出ることができなかった悔いを晴らすべく、まずは1年間競技を続ける予定でいます。今後のご活躍を応援しています!
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若園茜(わかぞのあかね)
<プロフィール>
名前:若園 茜(わかぞの あかね)
出身:岐阜県・県立岐阜商業
専門種目:棒高跳
進路:岐阜県高等学校教員
皆さんはじめまして、投擲ブロック⼀年の内⽥萌奈です。
私は、跳躍混成ブロックの若園さんに進路について取材させていただきました!
若園茜×内⽥萌奈
Q: 教員を⽬指した理由やきっかけについて教えて下さい。
A:理由は3つあるかな。1つ目は、スポーツに携わる仕事をしたいというのが軸にあった。 その中で、アスリートとしてスポーツに関わることも考えたし、競技をやめて支える側から スポーツに関わることも考えたし、保健体育の教員になってスポーツに関わることも考え た。色々な選択肢があってどれも譲れなかったけど、人に教える立場、人を育てる職に魅力 を感じていたから教員になろうと思いました。
2つ目は、小さい頃からの夢だったこと、二分の一成人式のときに書いた「十歳から二十歳 の自分へ」ていう手紙を成人式のときに貰ったんだけど、そこに体育の教員になれてますか と書かれてたの、教員になるために筑波に来たけど、授業などで現場のリアルも知ったから 自分の理想とはかけ離れていったり、葛藤もあったけど、小さいときからの夢だったしやっ ぱり教員やりたいなと思いました。
3つ目はお世話になった岐阜県に恩返しをしたいっていう気持ちもあります。
Q:陸上の経験から学んだことや経験が⽣きたことはありますか。
A:まずは、⼈との出会いが⼀番⼤きかった。特に⾃分の指導者からの影響が⼤きいかな。⾼校の顧問の先⽣は怖かったの(笑)でも厳しい中にも愛情があったり、⾃分のために指導してくれているというのはあったから、指導者は怒るだけじゃなくて、⼈を育てる上でこうゆう指導者になりたいなとかこんな指導がしたいなと魅⼒を感じていた。
あと、⾃分の中で、陸上や棒⾼跳びを教えたり、スポーツの楽しさを教えたいていうのがあって、陸上をしていたからこそ知った陸上の楽しさやスポーツの楽しさがあって、でもこの楽しさは、⼀⼈じゃわからなかったと思うの、先⽣とか仲間とかと出会えたからこそわかったから、だからスポーツを楽しいと思ってもらえるきっかけに⼀⼈の指導者としてなりたいと思った。
Q:部活と教員採⽤試験に向けての両⽴で⼯夫したことなどはありますか。
A:もともと教職の授業が好きで、授業中に真剣に聞いていたし、憲法とかも楽しかったから、授業中にメモを取ったりしてきたから、学⽣⽣活を通した蓄積があったことかな。もう⼀つは、授業のメモが⼤事で、教科書とかももちろん⼤事だけど、先⽣が話した⼩ネタとかをメモしてて、それが出たりもした。いろんなことをノートにメモしてたから、採⽤試験の前に⾒直したりもできた。あと、⾯接は得意だったからとにかく元気良くできたかな!
〈内田あとがき〉
春から地元の岐⾩で教員となる若園さん。「⾼校での三年間が、⾃分の中ではすごく⼤きく⼈⽣が変わった三年間だったから、教員として関わる⼦たちの⼀⽣に携われる機会があるのはいい仕事だなと感じた。先⽣だけが全てではないけど、なにかその⼦たちの⼀助になれたらいいなと思う。」という⾔葉のように若園さんらしい素敵な先⽣になってスポーツの楽しさを広めてもらいたいと思います!応援しています!
【令和2年度卒業・修了生 進路情報(一部抜粋)】
◇進学
・筑波大学大学院
-人間総合科学研究群 体育学学位プログラム
-数理物質科学研究群 応用理工学学位プログラム物性分子サブプログラム
-システム情報工学研究群 社会工学学位プログラム
◇公務員・教職
・茨城西南医療センター病院
・三重県高等学校教員
・岐阜県高等学校教員
・市役所
◇一般企業
・株式会社オービック
・株式会社ソニー・ミュージックグループ
・宝印刷
・双日株式会社
・三菱地所
・NTTドコモ
・株式会社イツザツ
・オープンハウスグループ
卒業生・修了生の皆さんの新天地でのご活躍を心よりお祈りいたします!
ありがとうございました!
担当:髙良彩花(跳躍2年)
南田航希(中距離1年)
内田萌奈(投擲1年)