【十人桐色】#15『Do Racewalkers Dream of Hakone Road?』 山本隼汰

 

 

こんにちは。中長距離ブロック4年の山本隼汰です。まずは、記事のリンクをクリックしてくださり、ありがとうございます。もし、タイトル名で興味を持って下さった方がいたら今一度ありがとうございます。熟考した甲斐がありました(笑)。

さて、今回コラムの依頼を受けどんな内容にしようかと考えたときに、チョコレートについて書くことを真面目に検討しました。好きな食べ物はチョコレートです。研究対象もカカオポリフェノールです。オススメのブランドはeskoyama, PatrickRoger, CacaoHuntersです。そもそもチョコレートとは古代m…

 

────仕切り直し────

 

皆さん競歩はご存じでしょうか?競技人口も少なく、身近にやっている人がいなければ中々目にする機会もないのではないでしょうか?実際に筑波大学陸上競技部で競歩を専門とする部員は、自分を含め2人という少数です。指導者もいませんが元気にやっています。\競歩選手募集しています/

また、競歩といえば長距離選手が伸び悩みや故障で転向するといったイメージもあるのではないでしょうか?─Exactlyそのとおりでございます(私の場合は)。

今回はそんな競歩を専門としている私について綴りました。私の物語など物語るほどのものではないですが、少しでも皆様の暇つぶしにでもなれば幸いです。拙文ですが、よろしくお願いします。

 

 私の陸上競技は中学から始まり、現在で10年目になります。最初の半分が長距離で、もう半分が競歩を専門にしていました。長距離を専門としていたときは多くの選手と同じように都大路・箱根駅伝に憧れ、目標として走っていました。競歩に種目変更した理由は単純です。長距離よりも競歩での方が結果を残せたからです。

高校の時、故障ばかりで長距離で結果が残せませんでした。しかし、故障時にリハビリとしてやっていた競歩で「あれ?これ得意かも知れないぞ!」と手応えがあったため、高3の総体から競歩のレースに出るようになりました。競歩のレースに出るようになってからも都大路で走るという目標は変らなかったため、走りと歩きの二足のわらじでやっていましたが、走りでは駅伝メンバーに入れず高校生活は終わりました。

大学では長距離(駅伝)をやるか競歩をやるかを悩みましたが、競歩を選び競歩一筋でやっています。指導者がいない環境ではありましたが、先輩に恵まれ19年ぶりの男子競歩で全カレ出場などそれなりの結果を残すことができました。目標達成とまではいかず満足はできていませんが「まぁ、とりあえずはこんなもんだろう」とは思っています。(笑)

 

専門種目を変えることについてですが、陸連ではタレントトランスファーというものを推進しています。タレントトランスファーとは、様々な競技や種目を経験しながら、最終的に自分の最適な種目を探し出すプロセスのことです。(詳しくは「タレントトレンスファー」で検索してみてください!)私にとっての最適な種目とは競歩だったのでしょう。結果が残せそうな種目に変更し、新たな夢・目標にチャレンジする事は正しい選択の一つだと思います。

自分でも競歩をするというのは悪くない選択だったとは思っています。

ただ、未だに夢を見るのです──

箱根路を。都大路を。

(上のタイトルではracewalkersと複数形にしていますが、なるべく元ネタの形を崩したくなかっただけで、一人の競歩選手の話です!) 

競歩歴5年目となった今でも駅伝に目指して走っていない自分に対し、引け目に感じます。自分にとっては、競歩をやっていることは走ることから逃げたという風に思えてしまいます。達成したかった目標から言い訳を作って逃げた・諦めた自分。走りで結果を残せなかったことは悔いしかありません。また、高校の顧問から「走りで伸ばしてやれず、すまない。」と言われた事もある意味、呪縛となっているのかもしれません。結果を残せなかったのは自分の責任なので。顧問にこう言わせてしまった自分が恥ずかしいです。

 

しかし、そう思っているからこそ、今競歩を頑張れている自分がいると思っています。

「競歩で結果を出すことで駅伝を諦めた自分を見返してやる。」

「得意なはずの競歩を選んだから走りでは残せなかっただろうすごい結果を残す。」

そんな思いで私は競技をやっています。

幼き日々に憧憬したようにはいかないこともあります。しかしたとえ夢やぶれても、その経験を糧にして新しい夢・目標に向かって挑戦していくプロセスにスポーツの価値があるのではないかと思っています。

そこにスポーツの価値があるのではないかと思っています。

 

 

最後に、新型コロナウイルスによる自粛や怪我で競技ができず心が折れそうなときに、ハッとさせられた一文があるので、それで締めたいと思います。

おめでとう。もう、やめていいのです。あなたは。

──この苦しい旅路に飽きて、さらに先の光景を見たいのでなければ。

小川一水『天冥の標Ⅹ 青葉よ、豊かなれPART3』作者あとがきより

 

◇今日のコラム◇

山本隼汰(やまもと はやた)

体育専門学群4年

香川県・小豆島高校

中長距離ブロック・10000m競歩

トレーナー委員会