【十人桐色】#37 『私にできるレガシー』幟立晃汰

失礼します。中長距離ブロック中距離パート4年の幟立晃汰です。

僭越ながら今回コラムを書かせていただくことになりました。というよりも、恥ずかしながら自分で「書かせてほしい」とお願いしました。

 

私は現在4年生となり、残る競技生活もわずかとなりました。というよりも元々全カレ選考会で落選したため引退のつもりでしたが、代替試合が決まったためもう少しだけ競技続行することにしました(笑)

 

そんな延長戦真っただ中の私ですが、授業もほとんどなく時間にも心にも比較的余裕ができた今年度、私はとあることが頭に残り続けました。それは

 

「筑波大に何か残したい!!!!」

 

です。

私自身、筑波大学には推薦生として入学させていただきました。しかし、この4年間では故障が多発したこともあり青桐を着て、筑波大学の代表として走ることは叶っていません。私はそれが並々ならぬ努力で勉強し入学した一般生に申し訳なく、推薦生として4年間心苦しく感じてきました。

 

今回はそんな私の4年間の行ってきたことや思いについて綴らせていただきます。稚拙な文章ですが、最後までご拝読いただければ幸いです。

 

 

私は高校までは5000m~10kmの長距離を行っていて、現在は800m~1500mの中距離に種目変更しました。高校時代は全国高校駅伝で入賞する等、決して種目変更するほど悪くはない成績でした。

 

しかし、私は入学直後から長い距離に適応できず、2年間ずっと慢性的な故障を繰り返してレースに出場できなかったことから専門種目を転向しました。

 

箱根駅伝は陸上にすべてをかけてきた人たちが集まる場であり、そんな努力が求められる場での大学2年間を失ったことはかなりの痛手でした。特に競技的にも20㎞以上を走ることには、とにかく高校時代より距離を伸ばして身体をつくる練習の要素が強く、2年失ってむしろ身体が退化した状態からでは、長距離種目でインカレを戦ったり、箱根予選、本戦を私が走ったりする姿をどうしてもイメージできずにいました。また、試合に出られずモチベーションが大きく低下したことから陸上が嫌いになっていきました。

 

そこで、2年時年度末に転換期がありました。故障歴が長くなり体重(筋肉だと信じたい)が増え、3月の体力テストでは4種目(立幅跳、メディシン投等)で長距離1位になった私は、まだポテンシャルは残っているのではと諦めかけた可能性を感じてきました。5000mや1500mの方が体格的にも合い、故障を防ぎつつ練習が十分に行える距離という点でもインカレで戦うイメージができ、中距離への転向を決意しました。箱根駅伝という長距離ランナーにとっての夢を完全に諦めることの悔しさ、自分の結果を求めて長距離チームのサポートをやめてしまうことの申し訳なさがあり、やはり後ろめたい気持ちもありました。

 

 

転向後の結果は冒頭で述べた通りインカレには出場さえ叶いませんでした。

 

しかし、その過程は競技転向による初めての挑戦ばかりであり、私にとって非常にやりがいのあるものでした。試合があるというモチベーションが大きく、私にはそれだけで陸上競技に楽しく本気で取り組むことができました。進路では絶対に陸上にかかわりたく無い思いから2年時に教員の道を断った私は今では逆に陸上が大好きで、就職先は陸上関係に決まりました。私の当時の行動は、セカンドキャリアにも影響があったと言えます。

 

また、記録は4年目で800m、1500mともに関東インカレのB標準を切ることができました。当然満足とは言えない結果ですが、転向の際に「インカレで戦う」というイメージだったため、標準を切っただけでも最低限自分の中でのプライドは保ったかなと思います。

 

 

もし同じように故障が多発している方、伸び悩んでいる方は人によっては大学後まで影響することですので、その場で足踏みするよりは他競技を試してみたり、何か新しい行動を起こしたりすることをお勧めします。これは主観だけではなく、大学期に体格が変わり競技適性が変わる人もいるという記事(論文かサイトかうろ覚えだけど…)を転向後に見たことがあったことからも、こだわりがなければ挑戦する価値があると考えます。

 

また、お試しで別パート、別ブロックの練習に参加することは、競技適性を試すことだけはありません。細かな分野(スプリント、スタミナ等)において他種目には師となる同期がいるため、得意を伸ばし不得意を改善するためにも良いと考えます。そんな他種目を試そうとして練習に参加しやすく、レベルの高いアスリートやコーチに見てもらえることができることが筑波大の強みだと思います。

 

 

部員が多い筑波大学ではあまり私のことを知らない方も多いと思いますが、こんな人もいるんだということを知っていただけたら幸いです。もしこれを読んで少しでも興味を示していただけたならば私の「筑波大学に何かを残したい」ことが達成でき、本当に書いてよかったです。

 

最後に、この記事を書けることを、この場をお借りして感謝の気持ちを述べさせていただきます。ありがとうございました。

 

 

◇今日のコラム◇

幟立晃汰(のぼりたて こうた)

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体育専門学群 4年

広島県・世羅高校

中長距離ブロック・1500m

ユニフォーム委員会