【リレーブログ】#1 『努力って?』今泉堅貴

こんにちは。
筑波大学陸上競技部主将、筑波大学短距離障害ブロック長を務めております、今泉堅貴と申します。
記念すべきリレーブログ第1号を担当させていただき光栄です。このコンテンツは個性豊かな部員の魅力を発信していくだけでなく、280人近い部員同士の相互理解にも大きく貢献してくれることを期待しています。だからこそ自分の好きなこと考えていること、何ならハイパー自分語りタイムでも、なんでもOKです。今回はこれまでのつくばでの競技生活を簡単に振り返りながら、どのようなことを考えて競技に臨んできたかを話していければと思います。競技部の皆さんにとっても「主将ってこんな奴なんやな」くらいに見てもらえると嬉しいです。

 

私は大変に怠惰な人間でした。私たちが筑波大学に入学したのは2020年の春。ご存知の通りコロナウイルスがこれでもかと言わんばかりに猛威を振るっていた時代です。当時の先輩方、先生方には練習のことだけでなく生活のことまで本当に色々な事をお気遣いいただき、新生活への不安は限りなく抑えられていました。しかし私は本当に本当にダメな奴で、全くと言っていいほど練習に対して前向きになることができませんでした。競技場も封鎖され、ウエイト場利用も当然NG。先生に虚偽のトレーニング状況を報告し(時効…?)、基本的に一日中パソコンとにらめっこ、やる気がある時は自転車でどこかフラフラと出かけていました。そんな自堕落な生活を送っていれば足は面白いぐらいに遅くなります。9月のインカレは当然予選落ち、そこそこ速い持ちタイムを持っていながらマイルメンバーにさえ入れませんでした。しかし練習してないから仕方ないと自分の中で割り切り、その後行われた秋のU20日本選手権はたまたま4位になることができ、シーズンを終えました。そこで自分の才能を過信し、「練習すれば勝てるし」とか言うダサすぎる負け惜しみを拭えないまま冬季練習に臨みました。

(大学1年時の日本インカレ)

ひと冬越えて驚きました。大学2年目、全くタイムが高校時代の水準に戻りません。与えられたメニューをこなし、ある程度食事やケアも頑張っているつもりでした。しかし結果に結びつかず、追い討ちをかけるように、シーズンを通して何度も肉離れを起こしました。リハビリして、試合に出て、怪我して、またリハビリして、走って、怪我をして、それを繰り返している内にシーズンが終わり、終わってみると何の成果も得られませんでした。

さて、いよいよ後がない状況です。当時私だけでなく短距離障害ブロック全体で見ても上手くいっていない現状でした。冬季練習のメニューはパートごとに2年生が主体となって作成する伝統があり、私が所属する短長ブロックとしても再起をかけた戦いが始まりました。当時の私たちは”陸上競技を学問していた“と思います。強くなるために何が必要か、今の自分達に足りていないものは何か、それらを徹底的に洗い出すため、多くの文献や先人の残した知見を読み漁り自分たちの取り組みの最適化を図りました。これまでメニューを自分で立てる経験がなく不安はありましたが、陸上に対してのめり込めばのめり込むほど、どんどん楽しくなっていき、冬季練習はこれまでの競技生活の中で一番早く過ぎ去っていきました。
大学3年目にしてようやくトンネルを抜けられました。高校以来の自己ベストを更新し、チームとしてもリレーで日本一を勝ち取ることが叶いました。そこに至るまでの全ての取り組みが正しかったとは限りませんが、積み上げられた努力がしっかりと実を結んだことにこの上ない喜びを感じました。

かのダルビッシュ有さんが以前(2010年)、このような言葉をツイートされていました。「努力は嘘をつかないって言葉があるけど、頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ」という言葉です。このツイートをどういう訳か大学2年の冬に目の当たりにし、大きな衝撃を覚えました。この言葉は私にとっての信条となり、大学2年の冬から常に「考えろ考えろ」と自分に言い聞かせて練習に励んでいます。
そして遂に大学最終学年となりました。優秀な後輩たち作成の練習の甲斐もあって、幸い今のところ怪我もなく順調に記録を伸ばして来れています。しかしある程度記録が伸びて行った先に、いつか自身のトレーニングスタイルにも限界を感じる日が来るとも考えています。そんな時に対処するための術の一つとして、「考える」ことを筑波に来て学ぶことができました。この先、競技の世界でどこまで行けるか分かりませんが、筑波で培ったスキルの全てを総動員して戦って行きたいと思っています。

(大学4年時の日本選手権) 写真提供:髙木千紗子様

次は副主将の樫原にバトンタッチします。樫原は中学の時に日本一を取っていながら、今もトップを走り続けている超人です。どうしても試合での走りといった表面的な部分に目が行きがちかも知れませんが、彼女の勝負強さを裏付ける気持ちの強さや日々の練習の取り組みなど、競技者として見習うものが本当に多く尊敬しています。そんな超人樫原のリレーブログ、個人的にとても楽しみにしています。
次回はよろしく!!!

 

今泉堅貴(いまいずみ けんき)

【個人ページはこちらから】

体育専門学群 4年

福岡県/福岡大学附属大濠高校

短距離障害ブロック/400m

短距離障害ブロック長

競技会委員会・2022-23年度主将