【リレーブログ】#46 『海風吹雪に耐えて咲く』深澤南

リレーブログをご覧になっているみなさんこんにちは。新巻美樹ちゃんからバトンを受け取りました、跳躍混成ブロック4年の深澤南です。

頼れる先輩、と紹介を受けましたが、いえいえ、委員会活動を通じて美樹ちゃんこそ非常に頼れる存在だなあと思っています。4年生になって初めて人に仕事をお願いする立場になったのですが、美樹ちゃんはクリエイトの仕事(画像編集や動画編集)やインカレ中の仕事をいつも快く引き受けてくれました。本当に感謝しています。そして、練習中や筑大競などで美樹ちゃんを見て、「走りがパワフルでめちゃくちゃかっこいい…!」とひそかに思っていたことはここだけのお話です。筑⑦でのベスト更新おめでとう!

(そしてこの場を借りて、他の広報委員会のメンバーで仕事を引き受けてくれた方々、本当にありがとうございました。非常に助かりました。)

 

(前回担当、新巻のブログはこちら

 

さて、このブログを読んでくださっている方の中には、私のことを知らない方もいらっしゃると思うので、まずは少し自己紹介をしたいと思います。
専門種目は走高跳です。好きなものは、ディズニー(憧れのバイト先)、阪神タイガース(38年ぶりの日本一!!最高です!)、読書(おすすめの本は『チョコレートコスモス』)、手芸(自分で作ったブックカバーを愛用中)です。大学では社会学を専攻しています。

(AREの立役者とともに)

では、本題に入ります。先日、友達と「みんなの過去って案外知らないよね」という話をしました。確かに、一緒に練習し、オフを過ごす跳躍の同期でさえも、大学入学以前に陸上以外で何をしていたのか詳しくは知りません。そこで、今回「私はなぜ筑波大学陸上競技部跳躍混成ブロック走高跳パートに所属しているのか?」ということについて書こうと思います。私がしてきた様々な選択の経緯について少しの間お付き合いください。

小学生→中学生

私は小学生の時、学校のヤートセ(よさこい)クラブに所属していました。大会で賞を取って仙台で行われる大会に出たい!という思いで、1日2回の休み時間はもちろん、家に帰ってからも、風除室(玄関を囲むガラス張りの空間)や夜の窓を鏡替わりして踊っていました。高学年しか練習に参加できない時、友達とドアの外から覗いて新曲の振付を覚えたという門前の小僧エピソードもあります。

(踊り狂う小6の私)

しかし、こんなに楽しいヤートセも小学校を卒業したらできなくなってしまいます。地域のクラブに入ることも考えましたが、踊ることを一旦諦めることにしました。そうなると「どの部活に入ろう」問題が発生します。

そこで1つ目の選択です。「陸上部に入りますか?

 ▶はい

 ▷いいえ

小学校の時に周りよりも少しだけ足が速かった、兄も所属している、球技ができない、などが理由です。

《種目変更》

ついに中学校での部活がスタートします。種目を長距離にすることに決め(これも兄や父の影響)、大会では1500mに出場していました。

しかし、練習中、長い距離を走っていると、異常にペースダウンしてしまう、休憩後立ち上がるとひどい立ちくらみがする、など「あれ?」と思うことが増えてきました。体力がないせいだと思っていたのですが、念のため病院に行ってみると、貧血であることが判明しました(ヘモグロビンが基準値の半分)。ドクターストップがかかり、夏休みの間は部活に行くことが出来ませんでした。

そこで2つ目の選択です。「長距離を続けますか?

 ▷はい

 ▶いいえ

では、何を専門にしますか?

 ▶100m

部活動に行けるようになってからも貧血から完全に回復したわけではなかったので、このまま長距離を続けるのは無理だと判断しました。そこで、1年生の秋の新人戦を機に、短距離種目に変更しました。距離は一気に1/15です。

「え、走高跳は?」と思った方、まあそう焦らないでください。

《中学校→高校》

こうして短距離に種目変更した後は、残りの大会ではほぼ100mに出場して自己ベスト更新をひたすら狙う、という中学校生活でした。人数が少なかったので、秋には駅伝も走りました。

そして高校進学を機に、また「どの部活に入ろう」問題が発生します。特に「絶対に陸上を続けたい!」という気持ちはありませんでした。しかし、中学校のコーチを通じて、高校の顧問の先生から部活動を見学してみないか、と春休みに誘われたので、見学に行ってみることにしました。

そこで3つ目の選択です。「陸上部に入りますか?

 ▶はい

 ▷いいえ

中学生の頃の私は県大会に出ることはすごい、と思っているくらいの競技レベルだったので、陸上で主だった成績は残していませんでした。見学に行った時は、決勝によく残っているメンバーがいるのを見て内心かなりビビっていたことを覚えています。それでも、「12秒台で走ろう」という目標を掲げて入部することを決めました。

《種目変更②》

しかし、またここで問題が発生します。入部直後、受験期のブランクもあってか足を怪我しました。これに加え、先輩や同期のタイムが速すぎて、短距離種目に出場できないという事実に直面します。県大会で総合優勝を目指すような高校だったので、レベルが高い人達が集まっていて当然です。そこで私は考えました。

短距離を続けますか?

 ▷はい

 ▶いいえ

では、何を専門にしますか?

 ▶走高跳

走幅跳や三段跳の可能性も考えましたが、これも私が入り込む隙間がないほど強い部員がいたので、専門にしている人が誰もいなかった走高跳を選びました。必ず試合に出れる、小学校の時少しだけやったことがある、という理由です。走る距離はさらに短くなりました。

はじめは全く跳べませんでしたが、3年生の時に何とか東北大会に出場することができました。東北選手権まで出場して引退しました(記録はNM)。余談ですが、この大会に一緒に出場していた澄佳は、今ではかわいい後輩です。

高校→大学?

こうして高校時代が終わり、次は大学編…と行きたいところですが、高校3年生の3月の私はどん底でした。第一志望だった筑波大学の社会学類の受験に失敗したのです。

そこで5つ目の選択です。「浪人しますか?

 ▶はい

 ▷いいえ

併願で出願した私立大学には合格していたため、浪人しない、という選択もできましたが、どうしても社会学類で学ぶことを諦めきれず、もう1年頑張ることにしました。今思い返しても本当につらい1年でした。

晴れて大学に入学!

そんな受験期が終わり、大学に入学したものの、世間はコロナ禍、入学式も無ければ授業は全てオンラインになってしまいました。そして3度目の「どの部活に入ろう」問題です。

この決断には一番時間がかかりました。なぜなら、大学には今までやりたかったけど環境がなく諦めてきた踊るための環境が整っているからです。よさこいサークルか、ダブルダッチサークルか、はたまた挑戦してみたかったラートを体操部でやるか。それともやっぱり陸上部に入って高校の時に成し遂げられなかった記録に挑むか。

春休みに一度陸上部へ見学にも行きました。それでも悩みます。「ブランクが長すぎる上に競技成績は何もない私が、こんなにレベルの高い環境でやっていけるのか」という不安があったからです。毎日のように兄から陸上部入部の誘いを受けていましたが、なぜか抵抗して「やらない!!!」と跳ね返し、喧嘩っぽくなっていたこともあります(ごめんなさい)。

そんなこんなで、最後の選択です。「陸上部に入りますか?

    ▶はい

 ▷いいえ

最終的に私の背中を押したのは、当時4年生だった浅井さくらさんの全カレ優勝でした。「こんなにレベルの高い集団で競技できる機会は今しかない!ここで私も強くなりたい!」と思い、入部を決断しました。目標は「自己ベストの更新と頭上越え」です。1年生の夏休みの終わりごろのことです。

入部前にさんざん悩んだものの、いざ入部してからはそんな心配は杞憂でした。あたたかく迎え入れてくれた跳躍の同期や先輩方のおかげです。これまでの選択で後悔していることは、これをもっと早く決断すべきだったということくらいです。

 

このような決断を経て、私は今ここにいます。

決して前向きな選択ばかりではありませんが、これまでにしてきた選択は間違ってなかったと自信を持って言うことができます。中学校からの陸上人生は、周りの部員と比べて、練習の時点で実力の差を感じたり、記録がなかなか伸びなかったりと悔しい思いをすることが多かったです。それでも、自分の頭で考えて行動する力や、自己ベストを更新した喜びといった陸上で得た経験は大きな財産です。

さらに、偶然選択した時期と内容が同じだったことで、陸上やそれ以外の場面において自分の成長を刺激してくれるような、たくさんの素敵な人たちに出会うことができました。井の中の蛙、大海を知りました。これまで関わってくれた皆さん、そして現在関わってくれている皆さん、本当にありがとうございます。そして、各選択の際に背中を押して応援してくれた家族にも感謝しています。

(私の毎日を彩る素敵な仲間たち)

そして最後に、このブログのタイトルは小学校のよさこいで踊っていたオリジナル曲の歌詞からとったものです。この歌詞には「海風吹雪に耐えて咲く 桜吹雪のあでやかさ」という続きがあります。

まだ、陸上における目標(走高跳:頭上越え、100m:12秒台)を達成しきってはいませんし、自信を持って花を咲かせることができたとはいえませんが、この先も目標を掲げることを忘れずに、時に慎重に、時に大胆に自分の道を選んでいきたいと思います。

長くなってしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。こんな選択をしてきた人も陸上を続けているんだなぁ、と誰かの背中を押す小さなきっかけになれば嬉しいです。

 

次は走高跳パートの後輩、チュクネレジョエル優人(通称ジョジョ)にバトンを渡したいと思います。彼は、怖いもの知らずで、ガンガン上級生にも絡んできます。彼が初めて練習に来た時、私に跳躍のアドバイスをくれました。一言でコミュニケーション能力が高い、といってしまっていいのか分かりませんが、とにかく、私にはない関係性の構築手段を持ち合わせていることは間違いありません。

走高跳パートの未来を担う(!?)ジョジョはいったい何を語ってくれるのか、次回のブログをお楽しみに!

 

深澤南(ふかさわ みなみ

【個人ページはこちらから】

社会国際学群・社会学類 4年

秋田県/秋田高校

跳躍混成ブロック/走高跳

広報委員会