中距離ブロックの上原由己からバトンをもらいました、短距離障害ブロック4年の吉川崚です。上原とは高校が同じで、今も定期的にゲームをする腐れ縁?です。
彼は静かそうに見えますが、実は熱い男です。高校の引退レースで彼が悔しくて泣いていた光景は今でも鮮明に覚えています。大学に入り、悔しさをバネにしたのかどうかは分かりませんが、自己ベストを大幅に更新しました。本当に素晴らしいことだと思います。熱が入ったことに対する、彼の突き詰める力はエグいです。陸上に限らず。彼のこれからに期待します。
(前回担当、上原のブログはこちら)
9月に行われた全日本インカレ中に、予選敗退してしまった後輩の一人から「立ち直り方を教えてください。」と質問されました。その後輩には自分がよく負けてる先輩に見えたのかもしれません笑。書くことないなーと思っていたら、そのことを思い出したので今回は自分なりの立ち直り方というか、それに近いものを書けたらなと思います。
かなり個人的な考えや偏見を書いているのでご了承ください。真剣に受け止めず、流し見程度で見てください笑。
立ち直り方を考える前にまず、挫折やしんどい思いというのはスポーツをやっている以上、皆が確実に経験するでしょう。そして、自分が一番しんどいと思うことも少なくないのではないでしょうか。自分もそうです。なんてしんどい陸上人生なんだと感じることが少なくないです。報われないなと思います。リレーでは貴重な経験をさせていただいていますが、個人がないと、ですね。
「世界で戦うぞ!」と息巻いて始まった大学陸上ですが、実際はどうだったでしょうか。
大学4年間でインカレでの入賞を果たせなかったです。入学時の目標からかなり離れた位置にいることに何度も絶望しました。そして、自分には同期で種目も同じである主将の今泉堅貴がいます。高校の時に戦ってきた彼が1年生の頃からU20の大会で入賞し、3年次からはインカレ入賞、今年は世界の舞台で戦っています。自分と比べてきた対象があまりにも遠くに行きすぎて、焦りや絶望感に拍車をかけた時もありました。しんどいのは自分だけではないと分かってはいるのですが、どうしてもきついと思ってしまいますね笑。
他人ではなく、過去と今の自分を比べなきゃいけないのは分かるのですが、自分は割り切れるほど単純では無かったです。
「今泉堅貴と自分が映っていた唯一の高校時代の写真」
さて、そろそろ本題に入ろうと思います。私がしんどい時に立ち直るために考えていることは「自分はこんなものではない」です。ちょっと抽象的かもしれません。少し具体的にすると、「自分の限界を考えること」です。なんだ、そんなことかと思うかもしれませんが、意外とこれって奥が深いものであると思います。「自分はこんなものではない。」これは何も根性論で言っているわけではありません。皆さんは自分の競技力の限界を考えたことがありますか?私は負けた時にいつも考えます。「自分ってこんなものなのか?」何本走っても49秒台や48秒台の時は「そろそろ限界でこのまま陸上終わるのか?」と。ですが、この時にいつも思うのが、「そんなはずはない。」ということです。それはそうなんですよね。
私が感じていることは才能の限界は自分が思うよりもずっとずっと先にあるということです。才能の引き出し方が下手なだけで、もし仮に自分の身体特性を100%活かせたら自分は、めっちゃ速いだろうと思います。そして、レベルはそれぞれだと思いますが、これはほとんどの人に言えると思います。
指導者が引き出す自分の才能と今の自分が引き出す自分の才能の程度は明らかに前者の方が高いレベルにあると思います。鬼滅の刃で言う「透き通る世界」的な感じで、同じものを見ていても実際に見えているものは違うからです。つまり、今は途中の段階にあり、指導者と同じものが見えるようになれば、もっと才能が引き出せるようになり、強くなれるということです。学生レベルの自分が限界を計り知れるわけないんです。よく漫画とかで「自分の限界を自分で決めるな!」と根性論で語られますが、今はそれがしっくりきます。怪我をしている時などは特に自分のことや練習のことも分からなくなるのですが、自分の限界を考えることで何が足りないか、何をすれば良いかが明確になり、頭が晴れることもあります。
ただ一方で、当たり前ですが、自分の限界を知ることや才能を引き出すことは簡単ではないです。自分の話にはなりますが、自分には陸上のセンスが全然ありません。陸上偏差値が低いです!感覚が鈍いことだったり、頭の使い方が下手だったり、、、などなど。だからこそ、とりあえず考えるようにしています。才能を引き出す上で大切なのは練習量もですが、それよりもどうやって練習するかだと思います。これは方向性や思考の巡らせ方な気がします。センスがなかったのでそれに気づくまで時間がかかりました。ずっと考えてる風でやってました笑。今は分かっているかと言われれば色々と疑問が残りますが、、、。
陸上に限らずですが、成長するには視野を広げることが何よりも重要だと思います。経験則から物事を捉えることだったり、経験から得たものを理論や知識によって答え合わせをしてみたり、そんなことをして、視野を広げてきたかなと思います。例を挙げるならば、あの頃の自分は尖っていたなーとか、高校生は幼いなーとかです。あの頃の自分や高校生の時の自分が尖ってたとか幼いとか当時は分かりません。ですが、今はそう感じる。これは経験等によって物事を俯瞰的に捉えられるようになるからですが、陸上競技の中にも同じようなことが言える気がします。競技に対する考え方や走りとは何かを知ることなど。無能に練習するのか、理論を知って練習するのか、そこに自分を上乗せして練習できるか。その時は自覚できないんですけど、その時に見えてないものはたくさんあって、個々の要素的にしか見れていないと思います。今でもそうです。全部を知ることは不可能なので、だからこそ、それを一つでも気づくために頑張ってみる。そうしていけば、才能を引き出していけるのでは無いでしょうか。
「今見たらめっちゃ幼い写真」
陸上をやっていると、圧倒的な才能を前にして、「陸上、才能だなー」とか思います。そういう選手が才能をマックスまで高めてきたら負けます。ですが、その選手が才能を70%までしか高められていなくて、自分が自身の才能を90%まで高めることができたらもしかしたら勝てるかもしれません。そういうマインドでやってます。こう考えると、しんどい時に少しだけ楽になります。もちろん、しんどいはしんどいのでしんどいです。1日は病みます。ですが、「自分の限界を考える。」これをすることで次に向けて歩みを進めるようにしています。
これまで長々と書かせていただきましたが、「当たり前のことを言ってるだけだ」とか「こいつ、語ってやがる」と思う方も多いと思います。ご容赦ください。まとまりの無く、大した内容ではないですが、今の自分が考えていることの記録として、書いてみました。
さて、次にバトンを渡すのは同じブロックの池田成諒です。
彼は陸上に対する考え方がとてつもなく深く、自分には見えていないものが色々と見えているんだろうなーといつも思っています。まさに「透き通る世界」的に見えているものが違うんでしょう。彼に何が見えてて、何を考えて陸上をしているのか知りたいところです。
ただ、めちゃめちゃふざけるところもあるので、次回のブログがどのような内容になるのか分かりません笑。どちらにせよ、面白いと思います。楽しみですね。
ありがとうございました。
吉川崚(よしかわ りょう)
体育専門学群 4年
千葉県/千葉東高校
短距離障害ブロック/400m
トレーナー委員会