【リレーブログ】#65 『君たちはどう生きるか』今泉堅貴

お世話になっております。

樫原より引き継ぎました、筑波大学陸上競技部  “前”主将の今泉堅貴です。樫原には副主将として一年間支えて貰い本当に感謝しています。しかし主要大会で大体自分より良い結果を残してくるものですから、俺の立場無くなるわ~止めてくれ~という思いもあったり無かったり。お互いアイデンティティがひとつ抜け落ちてしまった身ですが、また新しく自分を肯定できる何かを探していきたいものですね。

さて現在の私はというと、卒業論文の執筆に追われる日々を過ごしています。新開ほか(2023)は、「本当の問題は、土日に研究室に行くことではなく、研究室に行く以外やることがないことである 」と報告しており、世の卒論に勤しむ4年生の皆様に置かれましても私と同様に灰色の日々を送っているのではないでしょうか。人生の夏休みのラストスパート、共に頑張りましょう。

(12/10時点 その後無事に提出出来ました。)

 

図1)筑波山神社参拝の時にノリで山頂行ったやつ

 

(前回担当、樫原のブログはこちら

 

さて前置きはこのくらいにして、光栄なことに今回2度目のリレーブログ担当を仰せつかりました。前回は自分語りに傾倒しましたが、今回は4年生らしく達観した文章を書いていければと思います。

君たちはどう生きるか

別に宮崎駿監督の信奉者でも熱狂的なジブリファンでもありませんが、今回のブログのタイトルはこれに決めました。人生を語れるほど経験を積んでいない青二才の独り言ではありますが、どうかサラッと流し読んでいただければと思います。

さてどう生きていくのかを考えていく上では、ありとあらゆる場面で選択が迫られます。どこに身を置き、どのような学問を選択し、どのような職に就くのか、などなど、当たり前と言えば当たり前のことですね。しかし20年ちょっと生きてみて感じることは、そのような選択に迫られた時、思ったよりも環境の持つ影響力は大きいんじゃないか?ということです。これはある人の受け売りですが、高校生の時に

環境→生活→性格→人生   と連鎖するから特に環境は大切に選びなさい

という言葉をいただき、今でも強く印象に残っています。なぜなら私が中学生の頃、軽い気持ちで陸上部に入部していなければ、ほぼ間違いなく筑波大学の門は叩いていなかったからです。陸上部に身を置くということは、日常の小さな選択に、いつも陸上選手という肩書きが付き纏います。勿論放課後の時間の使い方も大きく変わりますし、お菓子も食べるに食べられません。そういった陸上が常に頭の片隅にいる状態での小さな選択を積み重ねていくと、気付いた頃には生活はガラリと変わっています。ではその生活を何年も何年も続けた私の性格を説明するとしたら…?きっと”真面目”だとか”忍耐強い”といった言葉がくっ付いてくることは容易に想像がつくことでしょう。そして忍耐強く陸上を続け、向上心を持ち続けた結果、いつしか自分と同じような人が集う場所を求めるようになりました。私の場合、大学選びという人生を左右する選択にも、気付けば陸上が中心に居座っていたのです。これは環境が巡り巡って人生にリンクした最たる例ではないでしょうか。説明(と言うより自分史)がかなり長くなってしまいましたが、要約すると、環境の力ってすごい!だから環境選び大事だよね!ってことを伝えたかった次第です。

(図2)陸上は中学生までと思っていた中学2年生の今泉少年

(図3)人生変わってブダペスト世界陸上に行けた今泉青年

 

さて環境活動家もビックリするぐらい環境という言葉を多用しましたが、果たして私の環境選びは正しかったのでしょうか。

高校生の頃に進路選択に迷った末、私は筑波大学陸上競技部という環境に身を置くことを選びました。その結果として、ある程度まとまった競技成績を残すことができた上、競技部の主将という立場を経験させていただき、陸上を通して人間的にも大きく成長をさせてもらえた4年間になりました。大袈裟に言えば、環境選びに成功して人生が変わったとさえ思っています。しかしそのような経験を享受することができた要因を考えた時、謙遜でも何でもなく、ただただ周りに恵まれたということに尽きるのではないかと感じています。かつて十人桐色を眺めていた頃、こんな言葉を目にしました。短距離障害ブロックコーチ谷川先生のお言葉です。

お金が発生する訳ではないのに、ここまで真剣に打ち込める人が集まる素晴らしい環境は今後無い。

競技部での生活の終わりをイメージすることは難しいからこそ、1,2年生ぐらいの頃は環境の有難みを感じることは少なかったです。しかし4年生にもなると、この言葉の意味がようやく分かってきた気がします。お金が発生するプロ選手と違い、私たちのスポーツ活動には努力する”義務”が課せられていません。だからこそ筑波大学陸上競技部は、他の誰でもない「自分のために」頑張ることを選び続けた人の集まりなのではないでしょうか。そういった人達と多くの時間を共にすることで、普段の生活の仕方や考え方に至るまで変化が起き、これまでと違った自分に出会うことが出来ました。日々の成長が促されるこの環境に身を置けたことは、本当に幸せなことだったと感じています。

(図4)愛すべき短距離障害ブロック同期たち

 

まとめます。

これから先、競技部に身を置く後輩たちに私から送る言葉は『君たちはどう生きるか』です。先述した通り自由意志に基づいて行われる我々のスポーツ活動に、努力する”義務”は介在していません。したがって全てを懸けて陸上に取り組もうが、他の活動の片手間に陸上を取り組もうがそれは個々の自由であるべきですし、そこに上も下もないと思います。しかしせっかく今素晴らしい環境を手にしているのならば、ぜひともその環境を存分に活かしてほしい、言ってしまえば“騙されたと思って”目標に向かって可能な限りの最大限の努力を注いでみて欲しいと私は思っています。それによって得られる経験や競技成績が、望み通りものになる保証は決してありません。しかし、全力で競技生活をやり切った先にいつか「この環境を選んで良かった」と心から思える時が来るのならば、その時はきっと人生を豊かにするために必要なことを既に得られているのではないでしょうか。この文章がその実現に向けて背中を押す言葉となることを切に願います。

これまで繋がれてきたリレーブログも今回で終了となります。一部の部員の掲載に留まりましたが、それぞれのパーソナリティに触れるきっかけとなったのならば、この企画は部の内外を問わず、誰かにとって意味のあるものになったのではないでしょうか。

末筆ながら、これまでリレーブログ作成に携わっていただいた方々、そしてここまで読んでくださった方々への感謝と、筑波大学陸上競技部のますますの活躍を祈念し、締めの言葉とさせていただきます。

 

 

今泉堅貴(いまいずみ けんき)

【個人ページはこちらから】

体育専門学群 4年

福岡県/福岡大学附属大濠高校

短距離障害ブロック/400m

短距離障害ブロック長

競技会委員会

2022-23年度主将