【十人桐色2024】#1 「僕が僕であるために」古澤慎也

短距離障害ブロック4年の古澤慎也と申します。
ブロック長や委員長ではないし、目立つ実績なども何もない自分が、僭越ながらトップバッターを務めさせていただくことになりました。

本題に入る前に、私の生い立ちについて少しお話しさせてください。
私には3つ上の兄がいます。陸上競技は未経験で大学も違う、今でこそ道は大きく分かれましたが、昔からいつも少し前に確かな足跡を残していく存在でした。思えば小さい頃から、その兄が残していった足跡を辿るようにして、これまでの人生を歩んできました。だからこそ、「古澤の弟」という扱いが多かったですし、ある時期まではそれを誇りに思っていました。

しかし中高のいつからか、人の付属品のような扱いがもどかしくて「自分らしい輝き」を求めていたように思います。ところが大学に入ってみると、筑波の古澤といえば棒高跳ですし、同じ出身高校の偉大な先輩や癖の強い同期がいて、自分はここまで競技で振るわず。やっぱり何かと「じゃない方」みたいな人生を歩んできた気がします。

千葉東高校の癖の強い同期と偉大な先輩と

 

 

 

それでも私は「自分らしい輝き」を生み出すため、自分の持つ力を活かすため、居場所を求めました。そのうちの大きなひとつが、この部での広報活動です。

長くなってしまいましたが、ここからが本題です。
なぜ、この陸上競技部は広報活動をするのでしょうか。というのもこの広報活動は、企業やプロスポーツチームのそれとは違い、直接的に収益に結びつきません。ほとんどの委員会は選手のみで構成されていますが、競技会運営委員会やトレーナー委員会などとも違って、競技活動に必要というわけでもありません。一体、何のための発信なのでしょうか。

私たちの活動を見守ってくださっているOB、保護者、そのほか筑波大学陸上競技部を応援してくださる方々への発信。これは紛れも無く重要な役割のひとつです。

もうひとつの大事な役割が、内部に向けた発信であると考えています。
正確な数はわかりませんが、今この競技部には300人弱の選手が所属しています。正直全員の名前を覚えることもできていないし、誰がどんな活躍をしたのかを逐一把握するのも難しいです。しかしこの競技部は、本気で日本インカレ男女アベック優勝を目指す組織です。

SNSなどの発信を通し、この競技部を構成する多くの人間が団結するひとつの場所を作り出すこと。それが、広報委員会としての在り方だと考えています。

それでもやはり、こういった委員会活動は競技者としてメインとなるものではありません。メインではない活動に力を入れることに対しては、さまざまな意見があると思います。
昨年のリレーブログでは、多くの部員が「自分らしさ」の一片を見せてくれました。アニメ・漫画、自身の研究、映画、バンド、男子校を語る人。全員が全員、24時間365日陸上競技だけの人間ではありません。社会に出ても陸上競技に関わる部員は、決して多くはないと思います。モデル活動やコーチング、外部団体での活動など、すでに競技以外の面で輝きを見せてくれている学生も多くいます。

今回再始動したプロジェクト「十人桐色」においても、様々な形で「自分らしい輝き」を見せる部員たちを取り上げ、応援していきたいと考えています。

それぞれの輝きを磨くこと。その営みを通して、筑波大学陸上競技部というチームの輝きが増すこと。広報活動が、その一助となることを願っています。

 


古澤慎也

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体育専門学群4年

千葉県/千葉東高校

短距離障害ブロック/400m

広報委員会