こんにちは。
このたび跳躍ブロック長を務めることになりました海道藍真(かいどうらんま)と申します。不特定多数の目に自分の文章を晒すなどという経験は初めてですので、不安で仕方ありませんが、温かく見守ってください。自分の生い立ちとブロック長を務めるにあたっての意気込みを少しばかり偉そうに書きたいと思います。
まずは軽く自己紹介をしておきます。
名前は海道藍真(かいどうらんま)、専門種目は三段跳です。
2003年6月16日生まれで、出身は兵庫県の淡路島というところです。
血液型はO型、MBTIはENTJ(指揮官)、特技は高速で右手が勝ち続けるじゃんけん。
利き手は右ですが、思想は右でも左でもありません。
このように何の変哲もないプロフィールを持つ私ですが、私にはされがちな二大質問というものがあります。
1つ目は「淡路島ってどこ?」です。これはもう大学に入ってから何回聞かれたかわかりません。「淡路島は兵庫県ではない」「たまねぎしかない」「帰省するときパスポートいるんでしょ?」などとまあ失礼なことを言う輩がたくさんいますが、とっても良いところです。
2つ目は、「名前の由来」です。これも何回説明したかわかりません。自他共に認めるかっこよさを持つ「海道藍真(かいどうらんま)」ですが、これは「快刀乱麻(かいとうらんま)」という四字熟語から取ってきた名前です。意味は、こじれた物事、紛糾している物事などをあざやかに処理することのたとえ(四字熟語を知る辞典)だそうです。
そんな私の人生は快刀乱麻といっても過言ではないほどの勢いでした。
学校の成績は常に学年上位、陸上競技も楽しくやっていたらそこそこの成果を収めることができました。友達にも家庭環境にも恵まれ、挙句の果てには筑波大学に合格。島というある種閉鎖的な環境に居た私は、自分のことを完全なる勝ち組だと思っていました。まさに井の中の蛙です。
そんな人間が日本で最も文武不岐を体現する大学に来た時、自分とは比べ物にならないほど勉強ができる人たち、身体能力が高い人たち、人間力の優れた人たちを目の当たりにしました。
井の中の蛙が大海を知った時、そこには絶望しかなかったのです。それまで他人と比較し、相対的な評価を軸に生きてきた私にとって、このハイレベルな環境はとても苦しいものでした。「自分が来るべき場所ではなかった」「自分は何の価値もない人間だ」と自己嫌悪に陥ることも多々ありました。
そんな私が少しずつ希望を持てるようになったのは、自らの絶対的な価値に目を向けることができるようになってからです。
人間は自らを見つめ、自分という存在を定義し続けることでアイデンティティを形成しているのだと思います。アスリートとして一定以上の成果を収めることでアイデンティティを形成してきた我々は、自らを定義する要素として「他人との比較」を多用しているような気がします。
それを決して悪いことだとは思わないですが、そのような判断基準に依存するのは非常に危険だと私は思います。他人と比較することに終わりはないですし、かえって自分を過小評価してしまうことに繋がるからです。
自分よりも優れた人がいることは紛れもない事実だと思いますが、いま自分という唯一無二の存在が目の前のそれに取り組んでいるということに価値があるのではないでしょうか。このハイレベルな環境でどこか虚しさを感じている人は一度自分という存在がこの環境に身を置くことの価値に目を向けてみてほしいと思います。
そんなことを考え出してからは少しずつですが、自分は自分のやり方で航海するべきだと思えるようになりました。私がかつて絶望したのはまだまだ岸辺の景色で、本当の大海は自分が想像しているよりもはるかに大きいものなのかもしれません。
ただ今この時に、自分が選んだ環境で、自分が取り組むことに価値を見出しながら航海を続けたいと思います。
そしてこのたびブロック長という大役を務める機会を頂きました。この与えてくださった船に乗り、自分自身の知らない景色を部員の皆さんと共に見てみたいと思います。
1年間よろしくお願いします。