【十人桐色】#33 『みんな今、楽しい?』松尾脩平

こんにちは!

今回コラムを担当させていただくことになりました、短距離障害ブロック4年の松尾脩平です。

 

まずはじめに、このような貴重な機会を頂き、ありがとうございます。なかなか自分の気持ちを言葉にして表すのが得意ではありませんが精一杯書かせていただきますのでお付き合いくださると幸いです。

あと、担当してくれた酒井くん。長々と待たせてしまってほんとに申し訳ない、、、

 

今回は、私が将来行っていきたいこと、それに関連して筑波の仲間や、私の友人などから受けた話をもとに考えてみたことを書かせていただければと思っています。なかなか自分の将来のことを話す機会もないので、こういうことがしたかったんだと思ってもらえると嬉しいです。

 

早速ですが皆さん、今、陸上競技を楽しいと思えていますか?自分のことを思って競技ができていますか?簡単な質問なようで、実際に考えてみると少し難しいのではないでしょうか。私は将来、競技を続けていきたい気持ちももちろんあります。ですがそれと同じくらい、指導する立場に立って子どもたちに陸上競技の面白さを知ってもらいたい思いが強くなってきており、地元である長崎県や九州でその活動をしていきたいと思っています。特に地元の長崎県では、島が多く、練習会などに参加することが困難な子たちに対してコーチとふれあい、陸上競技って楽しいんだ、もっと頑張ってみたいと思ってもらえるようなきっかけの一助となってほしい願いです。子どもたちに陸上競技を楽しいと思ってほしいのに、当の本人が陸上競技を楽しいって思えているのかなと考えたのが今回このコラムを書いている経緯です。

 

中学、高校までは身体の成長とともに記録も伸び、成績もどんどん良くなってきて順調そのものだったと感じています。しかし大学に入学してから、調子が上がってきたと感じたら怪我をし、記録も伸びず、成績も思うように出ない。そんな生活を過ごしてきました。リハビリや治療の時間も増え、正直大学3年の夏くらいまでは全然面白くないと思ったこともありました。大学に入って怪我が増えた人もいると思います。リハビリって辛いですよね。すぐ近くでみんな走っているのに、自分は走れないし、同じ競技場にいるはずなのに違う空間にいるみたいで。まったくそんなこともないのに普段より視線が気になったり、言葉や態度がいつもより冷たく感じたり。私だけかもしれないですが、、、

 

陸上もう楽しくないのかなと思う時もありましたが、リハビリを黙々としながら、みんなと走りたいなと思うたびに結局走ることは好きなんだなとも感じ、人生の一部として走ることがなくなるのは辛いなと。ましてや、走りながら勝負ができるのもあと何年かしかないと考えると深いことは考えず、走ること、そのためにできることすべてを楽しもうという考えに最近なっています。そう考えだしてから、競技者として陸上競技に向き合えていることがどれだけ幸せか実感することが出来、関東インカレ後にアキレス腱を少し痛めましたが、そこでのリハビリは、またリハビリかとも思いましたが、教えてもらったメニューが全くできず、できないことですら面白いなと。今回のリハビリに関しては、自分がずっと武器だと思っていたバネのある走りが出来なくなっていた一つの原因であったことにも気づきました。短所の克服より長所を伸ばしていくほうがいいという考えもよく聞きますが、何がきっかけで発見があるかも分からないので、できないことから逃げているほうが新たな発見がなく面白みがないというような気持ちの変化もありました。陸上を始めたての時はできなかったことのほうが多かったはずで、できるようになると楽しく、そのできないことが徐々に少なくなって未だにできないことがあることが恥ずかしいと思っていたのかもしれません。ですが、何も新たな発見がなかった時は切り捨てることももちろん大事です。

そういった気持ちの変化があってから、最近は陸上競技は楽しいなと思えています。もちろん冬期から怪我もなく、関東インカレまでそこそこ順調にいけたことも理由ではあります。ただ、関東インカレ後10日ほどあまり走らずにリハビリやバイクのメニューを多く行っていましたが、そこでも全く面白くないとならなかったのは気持ちの変化があったからで、以前までだと確実に拗ねて、ぼーってしてたと思います(笑)

人によって楽しいの基準は違うだろうし、この考えが、全ての人に刺さるとは思っていませんが、長い人生の中で、あとできても数年の陸上競技を楽しまないことは確実に損なので、できないことがあるまま本当に身体が限界を迎えて競技できなくなる前に、苦手意識があることもどんどんやっていこうと思っています。それが新たな発見につながれば成長で、これまで学んできた知識も活かしつつ考えながら挑戦できることは全部やったけど、全く成長を感じることが出来なくなった時が自分の競技者としての限界なのではないかと思います。

 

自分のことを思って競技ができているかとも問いましたが、筑波大学陸上競技部は強豪です。強豪ならではの見えないプレッシャーや、上には上がいるという劣等感から萎縮してしまい、自分を出せなかったりするとも思います。チームとしてはインカレの総合優勝を目標に掲げていますが、そこに加わることができなかった悔しさも相まって何か壁を感じてしまうような感覚もあるかもしれません。私もマイルリレーの決勝に出れなかった時はそう感じたこともありました。チームのことを意識することも大切だとは思います。チームのために何かしないといけない責任感を感じたり、時には頭を抱えることはこれだけ大人数のチームなので必然ではあるかもしれませんし、実際インカレなどで戦う時はチームのサポート無しでは選手は戦えません。本当に感謝しています。ですが、先ほども述べたように、全員が残り少ない陸上人生です。入学した時は競技者として強くなりたい一心でこの競技部に入ってきているはずです。実際に意気込んで入部してみて、ギャップを感じてしまったり、こんな感じなのかと幻滅してしまった人も少なからずいるでしょう。マネージャーなどもいない組織である以上、それぞれ受け持った仕事があるので我慢が必要な時もありますが、できるときには自分のことを最優先に考えてほしいです。競技とは関係ないところでストレスを感じてしまうことがあると思いますが、そんな時は一人で抱え込まないで信頼できる誰かに相談したり、思いっきり愚痴ってみたりして、競技者としての自分を労わってあげてください。たまには思い切って休んでみたり、遊んでみて、それが頑張る活力になるなら全然いいと思っています。羽目を外しすぎなければ(笑)

そういう意味での『自分のことを思って競技ができていますか?』という質問でした。

 

 

長々とまとまりのない文章になってしまいましたが、少しでも共感してくれたり抱えていた何かがほぐれるきっかけになってくれていれば幸いです!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

 

◇今日のコラム◇

松尾脩平(まつお しゅうへい)

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体育専門学群 4年

長崎県・長崎南山高校

短距離障害ブロック・400m

ユニフォーム委員会