「この経験があったからこそ」
こんにちは。副主将・投擲ブロック4年齋藤乃彩です。
今回は、部員総会を前に1年を振り返させていただく機会をいただけたので、副主将の齋藤乃彩として最後の執筆をさせていただきます。
この1年、一言で表すならば「感情がぐちゃぐちゃな1年」でした。
副主将の立場としては、最後の日本インカレで5年ぶりに女子総合優勝が勝ち取れた事、優勝する事で沢山の方から「ありがとう」という言葉をいただけた事、何より仲間の笑顔が見られて大会を終えられた事、こんなにも嬉しい事はないな、と思いました。
副主将として、本当に素晴らしい「経験」をさせていただきました。

(日本インカレで女子総合優勝し、人生で初めての胴上げをしてもらった写真)
しかし私自身「選手」としての立場では、どうだったかというと、言葉を選ばず言うのであれば、「最悪」でした。
日本インカレでの結果は10位で1点もチームに貢献できませんでした。
少し戻りますが、関東インカレでは4位で表彰台にすら上れませんでした。
大事なところで結果を残せなかった、自分の弱さがそのまま結果として表れたような1年になりました。
生まれて22年目、陸上競技を中学から始めて10年目になりますが、自分に失望するという瞬間を初めて経験しました。
選手としてチームの為に何もできていない自分が、副主将・女子主将という立場だけで沢山の方に感謝の言葉をいただくのは、とても申し訳なくて、逆に自分が一番良くない立場になっているんじゃないかと思いました。
なにかを失ってしまった日本インカレ後での練習では、いつも50mは普通に飛ぶやりが40mも飛ばなくなり、お腹があまり空かなくなり頑張って食べても体重が減っていき、何も上手くいかない、正直本当にきつい時間でした。
そんな時に、ふと高校3年生のインターハイがかかった中国総体の試合を思い出しました。その時は、自分の投げが全く出来ず3位で、大泣きしながら表彰台に上りました。
表彰式が終わった後、1つのLINEが入っており、それは7歳年上の兄からでした。
(私は兄2人の3兄弟で、7歳年上の兄は甲子園出場、大学日本一などを経験しており、もう1人の兄も野球をしていたので、野球一家?でした!)

(大学時の兄の写真でも載せておきます)
「何の為にやりを投げてる?それは自分の為だし、楽しいからだと思う。誰よりも楽しそうにやりを投げる選手を目指せ!そうすれば自然と結果もついてくる。」というメッセージでした。
この言葉を今年の1番苦しかった時期に思い出し、当たり前にできていた「競技を楽しむ事」ができていないなと、気づく事ができました。
その後の試合でも結果としては上手くいきませんでしたが、そんな時も楽しむ事を忘れずに競技をすることができました。
少し脱線しましたが、この1年間、副主将としての自分と選手としての自分、それぞれの立場から沢山の経験をさせていただくことができました。
よく大山先生が仰る言葉があります。
「経験をしたやつにしか分からないことがあるんや」と。
日本インカレの試合が終わり、顔を上げる事ができなかった自分にもこの言葉を伝えてくださいました。
それぞれの立場でないと、経験できない事がある。
そう思うと、私はこの1年間最高の喜びも最悪の苦しみも味わう事ができました。

この競技部の中には、試合で結果を残し活躍している選手もいれば、怪我に苦しんで1年間試合にすら出られなかった選手、活躍している選手の裏でサポートをしてくれている選手もいます。それぞれに感じる想いがあり、またその経験はその人にしかできない事です。
皆さんに伝えたい事として、「この経験があったからこそ」自分は強くなれた。と言い切れるような競技人生を送って欲しいと思います。
それまで取り組んできた事、努力してきた事が「経験」となり、どこかで自分の力へと変えてくれると思っています。
最後になりますが、この1年間チームの副主将•女子主将として歩ませていただいた事、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
最高の同期、優しい先輩、そして頼れる後輩、皆さんのおかげで1年間やり切れました。
来年は、競技力も人間性もとても強い3年生達を筆頭に、両インカレ男女総合優勝に向けて取り組んでいくと思います。
今年の「経験」を無駄にせず、チームとしても、そして1人の競技者としても強くなって欲しいと思います。
私も競技者として、そして人間としても強くなります。
本当に1年間ありがとうございました。
樋口、詢真、里奈、本当にありがとう!!

2024-2025年度 副主将・女子主将 齋藤乃彩