
今回執筆の機会をいただきました。投擲ブロック4年、松井俊之佑です。11月の競技会をもって競技を引退し、来年以降はイベント・エンタメに関わる一般企業に就職予定です。日本選手権やアジア選手権などに出場される方は現地でお会いするかもしれません。

(引退試合、同期との一枚)
本題に入る前に、簡単に私の4年間を振り返りたいと思います。大学一年、一般入学で入部した私は、男女を含めた投擲の中で最も細いといっても過言ではなく、競技力の面でも両インカレの出場にははるか遠い位置にいました。二年では、関東インカレ選考会で自己ベストを更新するもB標準まで3cm足りず出場できませんでした。三年では初めて関東インカレに出場できたものの9位、日本インカレ選考会では17㎝足りず出場が叶いませんでした。四年では関東インカレで初めて入賞圏内にいながらも入賞を逃しました。日本インカレ選考会で何とかA標準を突破し、初めて日本インカレに出場したものの入賞は叶いませんでした。
このように私は4年間をかけて成長はできたものの、筑波大学陸上競技部に得点で貢献することができないまま競技を引退しました。
そんな私だからこそ皆さんにお話ししたいことがあります。少々踏み込んだ話ですが、一部員の意見だということを踏まえながら、それでもなにか皆さんのエネルギーになればと思います。

(全カレ選考、ともに出場を決めた橋本さんと)
では、本題に入ります。皆さんは筑波大学陸上競技部の「部員」です。「部員」であることはすなわち「両インカレ総合アベック優勝を目標として活動する者」だと考えます。これは私が入部説明会でその時の主将であった高良彩香さんが話されていたことです。今の筑波大学陸上競技部は全員がこの「部員」としての自覚を持ち活動することを大切にしています。選手として、はたまた委員会、運営執行部などの支える役割として部に貢献しようとしている人が大半でしょう。
ですが、私は筑波大学陸上競技部の強みはそこではなく、全員が「競技者」であることだと考えています。そして筑波大学陸上競技部の「競技者」とは「両インカレで入賞することを目標とする者」だと考えます。なぜならこの集団の目標は両インカレ総合アベック優勝であり、その集団で競技をする以上、その集団が掲げる目標に直接的に貢献しようと志すことが最低条件だと考えるからです。ここで誤解してほしくないのは、両インカレで入賞できない人は競技者ではないということではなく、目標に掲げてその目標に向かって努力し続けるべきだということです。現時点の競技力は私がそうであったように全く関係ありません。ただ、現時点での競技力だけを見て「自分には選手としては貢献できないから、サポートとして貢献しよう」というのはいささか早計であろうという気がしてならないのです。最後のインカレ選考会が終わるその瞬間まで筑波大学陸上競技部の「競技者」としてあがき続けるべきだと考えます。あがき続け努力し続けたからこそ、選手としては直接貢献できなかった代わりに応援で、サポートで貢献しようと心から強く思えるのではないでしょうか。実際、最後のインカレではそういった同期の応援が何よりも力になりました。
このことを伝えようと思ったのは、自分自身の四年間の唯一の反省としてもっと目標を高く、かつ具体的に持つべきだったと感じたからです。四年間で、その時その時の選択は間違っていたとは思っていませんし、その時の最善を選んだつもりです。しかし、その評価基準は自分の立てた目標が指標になり、もっと高く、具体的な目標を立てていたならば私の努力は全く足りないと評価されます。「競技者」としての最低限の目標を全員が統一できれば、全員が同じ方向を向いて進むことができます。私はこれを「足並みをそろえる」ことだと思っています。目標が同じならば現時点での競技力など、目標という目印に近いか遠いかでしかありません。目印へと進むスピードは自分自身でいくらでも早められます。たとえ自分よりも前に人がいても、その人が右往左往しているすきに自分は最短距離を突っ走れば、あっという間に追い抜かすことができます。目標という目印と、そこにたどり着くための道筋さえ見失わなければ、いくらでも強くなれるんです。
長々と書きましたが最後に何が言いたいかというと、「競技者」としてもっと自分の可能性を信じて努力し続けてみませんかということです。選考にかかるような実力を持っていなくても、自己ベストを出して盛り上げることはできます。ウエイト一つMAXを更新するだけでも自分の成長が部全体の成長へと必ずつながります。目標が高ければ高いほど陸上に捧げる時間は増えていきますが、引退した今、自分が陸上に捧げた時間は価値があったと胸を張って断言できます。皆が最低限の共通目標を持ち「競技者」として努力し続ければ両インカレ男女アベック優勝など簡単に手が届くはずです。そうしてインカレ常勝軍団となった筑波大学陸上競技部をみられることを心から楽しみにしています。
長々とつたない文章を書きました。内容も「お前が言うな」と指摘を受けるかもしれませんが、そういった感情もどうか陸上競技に対するエネルギーにしていただければなと思います。ご清覧ありがとうございました。

投擲ブロック4年 松井俊之佑