【十人桐色2026】#14 「考える前にいってまえ!!」青山誠司

今回、執筆の機会をいただきました、跳躍・混成ブロック4年の青山誠司です。

まずは、簡単に自己紹介をさせていただきます。

私は小学3年生から陸上競技を始め、100m、走幅跳、八種競技を経て、最終的には十種競技に取り組んできました。富山県立山町出身で、好きな食べ物は、富山名物・ブラックラーメンです。スーパーで売っているブラックラーメンは、本当のブラックラーメンではありませんので、ぜひ富山県で本場の味を食べてみてください。

さて、文章を書き始めようと思うのですが、「十人桐色」の執筆依頼をいただいた際に、正直に感じたことは「今来たか……」でした。
というのも、現役時代(4年の4月に引退しました)は、「もし執筆を頼まれたら何を書こうか」と考えながら日々の練習に取り組んでいました。しかし、引退後はそのようなことを一切考えず、アルバイトや旅行、健康目的のランニングなど、比較的のんびりとした生活を送っていました。

そんな、何も考えていないタイミングで執筆を頼まれ、「書けるわけがない」と思いつつも、一応広報委員に「本当に自分で良いのか」と確認したところ、「ぜひお願いします」とのことだったので、社会人になっても大切にしたいと考えていることを1つ書かせていただきます。

「考える前にまず飛び込め」

これは、私がこれからも大切にしていきたい考え方です。
私はこれまで、行動に移す前にさまざまなリスクや影響を考えすぎてしまい、新たな一歩を踏み出せないことが多くありました。慎重であることは決して悪いことではありませんが、そのせいで多くの可能性を見送ってきたのも事実です。

そんな自分が、筑波大学に入学して出会ったのが、新しいことにどんどん挑戦していく跳躍・混成ブロックの同期たちでした。新しい挑戦には、新しい学びがある一方で、大きな失敗もつきものです。それでも恐れずに飛び込み続ける彼らの姿は、いつも輝いて見えていました。
その姿を見て、私も「まず飛び込んでみよう」「選択肢があるなら、経験したことのない方を選ぼう」と、そんなマインドを自然と持つようになりました。

この考え方で行動してよかったと強く感じた出来事が、就職活動です。
両親が教員という環境で育った私にとって、教員は憧れの職業でした。筑波大学体育専門学群に入学した理由の一つも、教員を志望していたからです。そのため、当初は自分の進む道は明確だと思っていました。
しかし大学3年生になり、同級生や先輩と進路について話す機会が増える中で、就職活動を終えた先輩から「教員になるにしても、いろいろな職を見たうえで決めたの?」と声をかけられました。その一言は、私の核心を突くものでした。
一方で、就職活動は大変だと聞くし、そもそも何から始めればいいのかも分からない。気づけばまた、行動する前に考え込んでしまう、これまでの自分がいました。

そこで思い切って、「いってまえ!!」と、就職活動という環境に自分の身を放り出してみることにしました。

正直、苦しかったです。何をしているのが正解なのか分からない。部活動との両立は難しい。調べることは尽きない。それでも、その苦労と引き換えに、想像をはるかに超える数の業界や職業を知ることができ、自分自身を成長させる大きなきっかけとなりました。

そして結果として、入学前にはまったく想像していなかった道へと進むことになりました。高校生までの私であれば、考えすぎて立ち止まり、限られた選択肢の中で将来を決めていたと思います。この考え方に気づかせてくれた同期たちには、心から感謝しています。

このマインドは、「考えること」を大切にしてきた筑波大学陸上競技部にとって、必ずしも正解ではないかもしれません。しかし、考えすぎて分からなくなったときこそ、まず行動することで、初めて見えてくる景色もあるのではないでしょうか。

私は、人の失敗談を聞くのが好きです。
もちろん、「一生懸命取り組んだ結果」の失敗談です。その話から、その人がどれだけ多くのことに飛び込み、努力してきたのかが伝わってくるからです。私は、人生の深みは、失敗談の数に表れるのだと思っています。

これからも私は、さまざまなことに飛び込み、目の前のことに精一杯向き合いながら、失敗談を増やしていきます。そして、新たな価値観に気づかせてくれた跳躍・混成ブロックの同期たちとは、年に一度くらい集まり、杯を交わしながら失敗談を語り合えたらいいなと、密かに思っています。