はじめまして。
中長距離ブロック4年の山下真奈です。
所属は生命環境学群生物資源学類、出身は群馬県です。
私は先日、14年間続けてきた競技を引退しました。卒業前のこの時期に執筆の機会をいただけたことを嬉しく思います。大学で大きな実績を残せたわけではありませんが、これまでの競技人生や、どんな思いで陸上競技に向き合ってきたのかを振り返りながら綴ってみようと思います。ここから少しでも皆さんの糧になることがあれば幸いです。
私は小学2年生で陸上を始めました。各地のマラソン大会や駅伝に出場していて、実家は当時のメダルやトロフィーで溢れています。当時は記録よりも、毎回のレースでどう相手に勝つかを考えて走っていて、それを楽しんでいたような気がします。
中学時代は、全国入賞を本気で目指していました。朝は自主練をしてから部活の朝練へ、夕方はクラブチームと部活を並行して、休みの日は自主練。3年間ほぼ休みなく走り続け、全中やジュニアオリンピック、全国女子駅伝などの舞台を経験できました。決勝まで進めた試合もあったものの入賞はできず、ここで「人を感動させられるような選手になる」と陸上人生の目標を決めた記憶があります。
高校では次第にうまくいかない感覚を覚えるようになり、自己ベストも簡単には更新できなくなりました。

(小学生から共に練習してきた頼もしい後輩の今さんと私)
それでも大学で陸上をやめるという選択肢は自然と浮かびませんでした。
それがどうしてだったか。私は陸上で成果を出すことで自分の存在価値を見出していたように思います。高校までは教室の隅でどこか居場所を探しているような人間でした。そんな私でも自信を持てるのが走っている時間で、「陸上をやっていれば大丈夫」という感覚がありました。自分を信じられる手段がなくなるのが怖かったのだと思います。
では、大学でその感覚が保てたかというと、正直難しかったです。自分より賢く、強い人たちが沢山いて、今までの価値観では自分を保てなくなりました。インカレへ出場できず、駅伝も1年生で出走して以来補欠やサポートに回り、自信は徐々になくなっていきました。
振り返れば、変われるチャンスは何度もあったと思います。3年で3000mSCを始めたのも、活躍の可能性を広げたかったからです。それでもできなかったのは競技と向き合い続ける覚悟、可能性を信じ続けられる強さが足りなかったからです。逃げずに競技と向き合い強くなっていく仲間の隣で、それが出来ない現実を受け入れながら競技を続けていました。
私にとっての陸上競技の一番楽しい部分は「人と競って勝つこと、そのために頑張れること」でした。周囲のレベルに置いていかれ、ほとんどのレースが自分との戦いになった大学での競技はとても厳しく、しばらく思い出したくないほどです。人を感動させられる走りはできませんでした。

そんな私こそ、両インカレアベック優勝を目指すチームの一員として競技力以外の部分での貢献が必要だと理解していました。
しかし、ここでも劣等感に似た感情を覚えることがあります。部にはマネジメントやサポートにおいても優秀な人が沢山いて、「私は本当にチーム必要な人間になれているのか。この競技部にいていいのか」と考え続ける日々でした。
私はどうしても他人と比較してしまいます。自分の中で評価しようとしても、過去の頑張れていた自分と比較してしまう。
でも4年生になって「真奈さんみたいな先輩になりたい」と言ってもらえることが何度かありました。この言葉を聞いた時、4年間このチームで競技を続けた意味があったと思えましたし、このチームに入るまでの過程も無駄ではなかったと感じることができました。
競技人生の中で、上位を走っていた時期、チームを引っ張る立場だった時期、チーム内で下位に沈んで苦しんだ時期――いろいろな立場を経験してきました。だからこそ、多様な役割の人の考えや思いを理解し、行動するよう努めてきました。大きな役職について目立つ仕事をしていたわけではありませんが、それでもこの競技部にいる意味を見つけられたような気がしました。
そして競技部に対する思いを強く持てていたからこそ、全日本大学女子駅伝で入賞できた時、日本インカレで女子総合優勝できた時、心の底から感動できたのだと思います。もし、チームの目標も達成できずに終わっていたら、今でも自分のしてきた取組みや無力さに後悔があったかもしれません。
「なぜチームでインカレの総合優勝を目指すのか。」
私と同じような出場できていない立場にある人こそ、その理由を深く考えるべきだと考えています。様々な理由が挙げられますが、その中の一つに「自分の大学陸上を後悔のないものとするため」という、少し自己中心的に聞こえる思いがあってもいいのではないでしょうか。その気持ちが、結果的に競技部のための行動につながることも大いにあると思います。

このように様々なことを考えて自分自身や競技部と向き合えたのも、周りに沢山の素晴らしい仲間や指導者の方々がいてくださったからです。心から感謝しています。
そして、自分を信じるために必要な手段であった陸上競技を引退した今でも、自分が自分であることを受け入れて次のステージへ進んでいけそうな気がしているのも、この4年間での成長だと思います。
長くなりましたが、最後まで読んで下さりありがとうございました。
これからの皆さんの活躍も楽しみにしております。